ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「そ・・それはそうだろう。だが、お前は好きでその髪型にしているんだろう?」
「はい。そうですね」
「だったらやはり間違いない。南の連中も、好きでその髪型にしているんだろうからな」
「あ~・・。確かにそうかも」
ゴンも納得したようだ。
「じゃあオレはとりあえず、これから南の方に向かってみる事にします」
「ああ。それが良いだろう。もう出発するのか?」
「はい」
「もう良いのか?二人ともう少し話をしたらどうだ?」
「いえ。もうさっき十分話しましたから。卒業試験でも、パーティーでも・・」
「そうか」
「それに、あまり長くここにいると、決心が揺らぎそうで怖いですから・・」
「それなら仕方が無いな」
シャールさんが立ち上がってから、何やら紙みたいな物をゴンに渡した。
「グレートアーチまでの乗船券と、私からの餞別だ」
ゴンに乗船券と2000オーラムを渡してからシャールさんは右手を差し出した。
「気をつけて行ってこい。頑張れよ」
「はい!今までありがとうございました!!」
ゴンがシャールさんと握手を交わした。
「いつでも戻ってきてくれて良いのよ?ここがあなたの帰る場所なんだから」
「ありがとうございます。ミューズ様」
ミューズ様がゴンを抱きしめた。
羨ましい~!!とオイラは思った。
「ゴン・・!元気でね・・!!ヒック・・」
「お前もな。ミッチ」
ゴンは、泣いているミッチの肩をポンポンと叩いた。
そして、最後にオイラの番になった。
「ウナガ。ちょっと耳貸せ」
「ん?」
オイラはゴンに耳を近づけた。
すると、ゴンが周りの人には聞こえないよう小声で言った。
「ミッチの事好きなんだろ?大事にしてやれよ」
「なっ!?」
「まあ、お前の気持ちも分かるぜ?ミッチの奴、急に色っぽくなったもんな」
「ううっ・・」
まさかバレてるとは思わなかった。
「さっき魔王殿で抱きつかれた時から・・か?」
「・・・」
「一度意識すると、もう止められなくなっちまう。それが『恋』ってもんさ」
「・・ん」
「ははっ。それじゃあ頑張れよ」
ゴンが右手を出してきたので、オイラはその手を握った。
槍で鍛えられた手は、やはりがっしりしていた。
「皆、元気で!!」
オイラとの握手が終わると、ゴンはそう言って家を出て行った。
「何だかあっと言う間だったわね」
「ええ。子供が成長するのは早いものです」
「そうね」
そう語り合うミューズ様とシャールさんは、ゴンの本当の両親に見えた。
いや・・。
きっとそうなのだろう。
血の繋がりなんか無くても、オイラ達は本当の家族なんだ。
今回の事が、改めてそう認識させてくれた。