ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
舞台は再びファルスに戻る。
「王子は『忍者』の事を知っていますか?」
「もちろん。今やもう本の中にしか存在しないけど、もの凄く憧れたもんだよ。昔は『忍者ごっこ』なんてやったりもしたなぁ・・」
「お一人で・・ですか?」
「そりゃ、他に忍者ごっこをする人なんかいなかったからね」
「悲しいですね・・」
「うう・・。君にそんな風に言われると、余計悲しい・・」
「あっ、ごめんなさい」
「良いんだ・・。で、忍者がどうかしたの?」
「もし現代に忍者がいたら、どうしますか?」
「そうだなぁ・・。まずは忍者の事を色々教えてもらって、で、いつかは忍者と手を結んで国を大きくするんだがな~」
そこまで言ってから、俺はハッとしてクノちゃんを見つめた。
「・・まさか、 に ん じ ゃ ?」
「お望みどおりです。行きますよ!!」
クノちゃんがいきなり丸い物を地面に投げると、辺りが煙で一杯になった。
「げほげほ!」
どうやらクノちゃんが投げたのは煙玉らしい。
煙が落ち着き、少しずつクノちゃんの姿が見えるようになってきた。
「おっ・・おおおおお!!!!」
俺は感動した。
目の前にいるのは、メイド服を着た見目麗しいメイドでは無く、忍び装束に身を包んだ活発そうな女性だった。
「もしかして、君は忍者なのかい?」
「もしかしなくても、そうだよ」
クノちゃんがにっこりと微笑んだ。
かわいい。
とにかくかわいい。
敬語をやめたのも良い!
「忍者って絶滅したはずじゃ・・?」
「本にそう書いてあるだけ。その本の著者も忍者だよ」
「そうか!読めて来たぞ。忍者はかなり優秀だったから、いつしか疎ましく思われるようになった。で、雇っていた奴が裏切って忍者が殺されたりして、このままじゃ絶滅すると考え、絶滅する前に絶滅したフリをしたって事なのかな?」
「ご名答。流石はリーケル王子」
「でも、それじゃあなおさら、何で今正体を教えてくれたの?」
「前国王に正体を教えたら、私利私欲のために『私達』を利用する可能性があると思ったから。その点、あなたとルネ王子は間違いなくそんな事はしないでしょ?」
「それはそうだけど・・。え?それじゃあ、まさかスタンレーにも忍者が・・?」
「うん。私のお母さんが」
「君のお母さんが?」
「うん。あなたも知ってる人だよ」
「俺が知ってる???おかしいなぁ・・。俺が知ってるスタンレーの女性と言えば、ルネが『ばあや』と呼んでる人だけだけど・・」
「そうそう。その人だよ?」
「ええええええ!!!???嘘ぉ~~~!?」
一体何歳歳が離れているんだ?!
「あはは!もう、見事なまでに私が求めていた反応だね。忘れたの?私達は忍者なんだよ?忍者にとって変装するのはお手の物なんだよ?」
「それじゃあ、『ばあや』と言うのは変装した君のお母さんなんだ・・」
「そっ。私の母は今38歳。20歳の時に私を生んだの」
「って事は、君は今18歳で、ルネが赤ん坊の頃、20代の頃の君の母に育てられたって事なのか・・?」
「うん。彼が生まれてすぐだったそうだよ」
羨ましい・・。
「でも何で忍者がファルスとスタンレーに・・?」
「私達忍者は、あなたがつい最近、ルネ王子とハリードさんの三人でオーガを倒したり、ルネ王子とウナガさんの三人で、オーガの復讐のためにあなた達を待っていたモンスターを倒したり、陣営が出来るまでランスと往復を繰り返していた、近くの山に隠れ住んでいるのだけれど・・」
「あ・・あの山に!?じゃない!それもあるけど、ちょっとタイムタイム!!」
「どうしたの?」
「な・・何でそんな事まで知ってるの?」
「私達忍者にとって、情報は命とイコールなんだよ。だから、色んな所から色んな事を隠れて見てたり、当事者として参加したりもしてる。例えば、『ツヴァイク武闘会』なんかもね」
「ツヴァイク武闘会に忍者が参加してたの?」
「うん。男1人、女1人の計2人。どっちも三次予選で負けたよ」
「三次予選・・。50メートル走か・・。忍者なら余裕で通過できそうだけど・・」
「それ以上やっちゃうと二人の実力を世に知らしめてしまう可能性があるからね。一次と二次は、実力があれば勝つ事が『決まっていた』から、負けるとしたらそこしか無かったの」
「なるほど・・ね」
「はっきり言っておくと、エイト戦士’Sぐらいなら何とかなったみたい。でも、それ以上の人がいたからね。優勝は絶対に無理だったってさ」
「俺の事も聞いたの?」
「もちろん」
「何て言ってた?」
「物凄く強かったって!あと・・」
クノちゃんが少し顔を赤らめた。
「すごくカッコよかったって・・」
「カッコいい・・?」
は~るが来~た。
は~るが来~た。
ど~こ~に~来た~?
お~れに来~た。
お~れに来~た。
お~れ~に~来た~!