ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
(やはりフルフェイスだと)
(視界が狭くていかんな)
オレはフルフェイスをかぶったまま外に出た。
顔が見えないので、兵士に職質を何度か受けるはめになってしまった。
その都度フルフェイスを取って正体を明かしたが、別にフルフェイスをかぶってる兵士も普通にいるじゃないか?
オレって、そんなに怪しく見える?
その時、道具屋から出て来た男女を見つけた。
間違いない!
かなり大人っぽくなったけど、彼女だ!!
それにしても、着てる物も全て水色なんだな。
目立ちすぎて困らないか?
二人が道具屋から出て来た瞬間、横から走って来た少年がアルスにぶつかった。
その少年の後ろからも少年が走って来た所を見ると、どうやら追いかけっこをしていたらしい。
嫌な予感がする・・。
「痛て!」
「ご・・ごめんなさい!」
「謝って済む訳が無いだろう?このクソガキが・・」
アルスが少年の首根っこを掴んだ。
やっぱりこうなるか。
周りの大人達は、ただ呆然と立ち尽くしているだけだ。
急いで向かわねえと!!
「やめなさいよアルス!怖がってるじゃ無いの!!」
「何故君が私に命令する?私の方が年齢も立場も上だぞ?」
「くっ・・!!でも、そんな幼い子供に対して本気にならなくても・・!」
「なめてるクソガキにはお仕置きが必要なのさ。そうしないと、いつまで経っても同じ事を繰り返すからね。さあ、覚悟は良いかな?」
「い・・嫌だぁ!怖いよぅ!!!!」
アルスが剣を取り出したのを見ると、もう一人の少年は恐れをなして逃げ出しちまった。
ここはオレが止めねえと!!
「やめろー、子供を離せー!!」
オレは走りながら叫んだ。
そして、そのままアルスに体当たりを食らわしてやった。
槍が無いバージョンの『チャージ』だ。
アルスが吹っ飛んだ瞬間、少年がアルスの手から離れた。
子供は尻もちをついたが、何とか無事のようだ。
「おい、早く逃げろ!!」
「う・・うん!!」
少年は頑張って逃げ出した。
これで一安心だ。
その時には、アルスも体勢を立て直していた。
「誰だお前は?スタンレーの兵士かい?ふざけた事をするね・・」
「兵士じゃねえよ。ふざけた事をしたのはどっちだ?テメェの方だろうが?!」
「何を言って・・」
それ以上先を言わせなかった。
オレはフルフェイス越しに恐ろしい目で睨みつけてやった。
目しか見えないからアルスにとっては、かなりの恐怖だっただろうな。
「お・・憶えてろ!!」
アルスがここから立ち去った。
まるで子悪党みたいなセリフだったな。
まあ、子悪党なんだが・・。
周りの大人達も落ち着きを取り戻し、時間が再び動き出した。
「あ・・ありがとう。あなたスタンレーの兵士・・じゃ無いのよね?でも度胸あるのね。アイツに向かって行くなんて」
「オレの国の民が手を出されてたんだ。助けない訳にはいかない」
「えっ?『あなた』の国?」
オレはフルフェイスを取った。
「あ・・あなたは・・二年前の!?」
メリアが驚愕の表情でオレを見た。
けど、すぐに目に涙が溜まり始めた。
そして、その涙が目から溢れてきた。
「ああ・・!まさか再会できるなんて・・夢のよう・・!!」
「オレの事、憶えていてくれたのか?」
「忘れるもんですか!!ずっと・・ずっと・・会いたかった・・!!」
メリアがオレに抱きついてきた。
オレは・・どうしたら良い・・?
オレだってずっと彼女に会いたかったんだ。
でも、彼女はピドナの兵士だ。
オレとは敵対関係にあるんだ。
オレは・・どうしたら良い・・?
頭ではそう思ってた。
けど、腕が勝手に動いてた。
気づいたら彼女を抱きしめていた。
オレが抱きしめている間、彼女はずっと震えていた。
オレは、彼女の震えを止めてやりたいと思った。
今なら、女性を大切にするリーケルの気持ちも分かる気がする。
少しだけ・・な。