ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「お帰りなさいませ王子」
俺がファルスの自分の部屋に戻ると、クノちゃんが掃除をしていた。
当然、メイド服でだ。
そのせいか元気な彼女では無く、いつもの素っ気ない彼女に戻っていた。
まあ、これはこれで良いんだけどね。
「クノちゃん、メイドに戻っちゃったのかい?」
「ええ。それが仕事ですから」
「言葉遣いも丁寧に戻っちゃったけど・・」
「王子と会話している時にタメ語なんて使ったら、あなたの部下やメイド長(お局)に何て言われるか分かりませんから」
「それは確かに。あれ?でもそれじゃあさっきは何で?」
「さっきはそばに誰もいないのを確認していましたので。でも、今は色んな人が色んな場所を動き始めています。いつ、この近くを通るか分かりませんから」
「そう言う事だったのか・・」
「まあ、王子の部屋の掃除をするのは元々私の担当ですから、メイドの私が王子の部屋に入っても、誰にも怪しまれずに済みます」
「そうか。俺と話をするためだね」
「まあ、そう言う事です」
「じゃあ今の内にガリンの事を聞かせてもらおうかな?」
「覚悟は出来たと言う事ですか?」
「そうだね」
「まあ無理も無いでしょう。『あなたの国の民』に変な事をしたのですから」
「何でそれを・・って、盗聴器で聞いてたのか・・」
「ええ。本当に気持ち悪い奴ですよね。とにかく、ガリンについての情報を教えますので、王子も掃除を手伝ってください」
「何で?」
「話しながらでは、掃除が遅くなってしまいますから。それに・・」
「それに?」
「たまには、自分の部屋の掃除をするのも、良い物ですよ?」
そう言って、クノちゃんがにっこりと笑った。
超カワイイ!!
と言う訳で、俺も掃除を手伝う事になった。
とは言え、いつも丁寧に掃除されているので、汚れている所はほぼ無かった。
しばらく使っていなかったのもあるだろうけど。
ふとクノちゃんを見ると、いつの間にか、手に巻物を持っていた。
「それは?」
「これが今まで私達が得た情報の全てです。母も同じ物を持っています。もし私達が何者かに殺される事になった時は、確実にこれを処分しなくてはなりません」
「なるほど・・。情報は君達にとって命と同じなんだよね?」
「そうです。あ、そこは少し丁寧にやった方が良いですよ?埃が溜まりやすいので」
「あ、そうなんだ。了解」
確かに、そこだけ埃が結構溜まっていた。
流石に俺の部屋の掃除を担当しているだけあって、隅々まで把握している。
何かもう、俺達って家族みたいになってないか?
このまま結婚しちゃう?
何て言ったらキレるかな・・?
「それじゃあ、ガリンの情報をお教えしますね。52歳。男。ピドナ中佐。ピドナ前国王の派閥に属しているが、血縁関係は無し」
「血縁関係が無いのに、ガリンは何でその派閥に入れたのかな?」
「ガリンがまだ若い頃、その派閥の主人がトリオール海で溺れている所を助けた縁との事です」
「何で溺れてたの?」
「さあ・・。誰かに殺されそうになったみたいですけど、詳細は不明です」
「ふ~ん・・。そうなのか。何か複雑なんだね・・」
「そうですね。何があったのかを彼は知っているでしょう。それからと言うもの、彼は軍所属でありながら、団体行動を極端に嫌うようになりました」
「なるほど・・。近しい人に裏切られるのを恐れてと言う事かな」
「おそらくは。まあ部下としては、彼と一緒に行動したくないと言うのが本音なので、それに関しては助かっているみたいですが」
「あの性格じゃ仕方が無いか」
「はい。私だって嫌ですから」
ド直球に言うなぁ・・。
けど、そこも良い!!