ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
ツヴァイクで一泊したオイラとハリードさんは、始発のピドナ行きの船に乗った。
「ファルスとスタンレーが落ちたと言う事は、もうすぐピドナも戦争を始めるだろう。そうなると、移動が出来なくなっちまう。今の内と言う事だな」
ハリードさんはこんな風に言っていた。
最終的な目的地がどこなのかまだ教えてもらってない。
だけど、この旅は何故か楽しいって思える。
ハリードさんが色んな事を教えてくれるからだろうな。
ツヴァイク~ピドナ間での船中で、オイラは『デミルーンエコー』を覚えた。
これはデミルーンの強化版で、ターゲット一体だけでなく、その周りにいる敵にもダメージを与えると言う物らしい。
早く使ってみたいな。
オイラ達は昼少し前にピドナに到着したが、すぐにリブロフ行きの船に乗り換えた。
オイラはミューズ様やシャールさん、そして、ミッチと会いたかったのだけれど、ハリードさんが首を横に振った。何故なら、
「国王のルートヴィッヒとは昔、色々あってな~。ピドナには近づきたくない」
との事だった。
本当に色々あったんだろうなぁ。
あれ?
でも、オイラの事を見にピドナに来た事があるんじゃ・・。
それに、最近シャールさんと会って、ネビユの事聞いたって・・。
まあ良っか。
まだまだ発展途上の身の上だし、もう少し成長してからでも。
リブロフ行きの船では、主にオイラ自身が使える剣技についてハリードさんが知りたがった。
そして、それをそのまま使うのでは無く、自分なりにアレンジしてみろと言われた。
当然難しい事なので、焦らなくて良いとも言われた。
最終的な目的は分からない。
けど、オイラにとって、『自分だけ』の技の事を考えるのは楽しかった。
リブロフには昼過ぎに到着した。
若干昼食には遅い時間だったけど、オイラは気にしなかった。
ハリードさんも慣れっこのようで、全く気にしていなかった。
お互いが黙々と食事を摂った。
「よし。今日はここで一泊するぞ」
「えっ?もうですか?まだ日も落ちていないのに・・」
「これから砂漠を抜ける事になる。砂漠は夜は寒いからな。早朝に出た方が良いんだ」
「そうなんですか」
「ああ。それに、お前の小剣の特訓が疎かになっているからな。ここでみっちり鍛えてやる」
「お願いします!!」
「おう」
と言う訳で、オイラ達は『ホテルリブロフ』の部屋を取った後、町の外に出て、近くの草原で向かい合った。
「よし。じゃあ全力で来い」
「えっ、武器を持たなくても良いのですか?」
「構わん。お前の攻撃を避けられないほど落ちぶれてはいない。オレも、腐っても『七英雄』の一人だからな」
「分かりました!全力で行きます!!アクセルスナイパー!!!!!」
オイラは一気にハリードさんとの間合いを詰めて攻撃した。
「!?」
ハリードさんはオイラの攻撃をかわした。
明らかに動揺しているのが分かる。
こんなに速いとは思っていなかったのだろう。
「ライトニングピアス!!」
オイラはその場から電光石火の突きをお見舞いした。
これも辛うじてかわした。
「まさか・・これほどとは・・!!」
ハリードさんの目が思い切り見開かれている。
ここで決める!!
「サザン・・」
「ちょっと待った!!」
ハリードさんに止められ、オイラは慌てて攻撃を止めた。
「どうしました?」
「前言撤回だ。武器無しでお前の攻撃を避け続けるのは不可能だ。オレも武器を持とう」
そう言って出したのはカムシーンでは無く、三日月刀だった。
「まだ、カムシーンの出番では無いのですね?」
「当たり前だ。そんな簡単にカムシーンを出せるか。とは言え、お前がさっき出そうとした技・・『サザンクロス』だな?」
「はい、そうです」
「まさかサザンクロスまで使えるようになっているとはな・・。小剣の技術に関しては、近い内に母親を追い抜くかも知れんな」
「オイラのお母さんを・・ですか?」
「ああ・・。彼女は戦うのが好きでは無かったが、決して戦えなかった訳じゃない。むしろ、かなりの力を持っていた。だが結局、その実力を見る事は叶わなかったが・・」
「そうでしたか・・」
「お前を見ていると、お前の母親の事を思い出すよ」
「オイラとお母さんって似てるんですか?」
「あまり似ていない」
「ええええ・・?」
「彼女は肌が浅黒かったし、髪も黒かった。まあ、髪は染めれば良いんだが・・」
「えっ?」
「いや、何でもない。さあ続けるぞ。時間は待ってくれないからな」
「はいっ!!」
その後もオイラは攻撃し続けた。
けど、ファイアクラッカーはかわされ、スクリュードライバーとサザンクロスはパリィされた。
どうやら小剣技について熟知しているみたいだ。
ハリードさんに言われたように、自分だけの技を閃かないと、ハリードさんには勝てないぞ!