ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「何で毛皮だけなの?」
男性がいなくなると、メリアさんが小声で尋ねました。
「ユーステルムには、他にも特産品があるじゃない?魚とか、毛織物とか」
「魚は先ほど言った通り減ってしまっているので論外です。毛織物は、原料の毛皮があれば何とでもなりますから」
「まあ、それは確かに」
ちょっと納得して無さそうな感じですね。
男性の代わりに出てきたのが、サングラスを身に着け、パーマがかかったようなロングヘアに髭を生やしたダンディーな男性でした。
ウォードさんは40歳を過ぎているはずなのに、まだまだしっかりした体つきをしています。
おまけに私と同様、大剣を身に着けています。
同じ大剣を扱う者として興味が湧いてきました。
「よー」
ウォードさんが最初に発した言葉がこれでした。
何となく、愛想の無い感じがします。
もしかしたら、魚が減って元気が無いだけなのかも知れませんが。
「魚が減った原因を調べてくれるんだって?」
「はい」
「昔は増えすぎたモンスターが原因だったんだが、今はモンスターもいないからなー。おまけに今回減ったのは魚だけと来た。そう言う訳で、何が原因かさっぱり見当がつかなかった。それでも調べてくれるのか?」
「はい。そのために来ました」
「で、解決した見返りは、有事の際に毛皮を優先的にピドナ軍に売る事だって聞いたが?」
「はい。その通りです」
「それは、『戦争が起きる』って事か?」
「あくまでも可能性です。有事なんて他にいくらでもありますから。要は、物資が不足するのを防ぐためです」
「ほー。しかしまあ、毛皮だけで良いとはねぇ。太っ腹じゃねえか」
「あまり欲張りなのも良くありません。私達は信用が第一ですので」
「フン。気に入ったぜ。良いだろう。ただし、ユーステルムの民に必要な分までは売れないぜ?それで良いか?」
「はい、十分です。ありがとうございます」
「契約成立だな。じゃあ今から一緒に氷湖に来てもらおうか」
「分かりました」
私達三人は、ウォードさんについて氷湖へと向かいました。
「こんな状況だ」
氷湖にたどり着き、湖を見渡してからウォードさんが言いました。
確かにウォードさんが仰った通り、兔や鹿は結構見かけますが、魚はほとんどいません。
これでは商売あがったりでしょう。
「さて、これは一体何のせいだと思う?」
「モンスターですね」
「何だと?」
ウォードさんが驚きました。
驚くのは当たり前の事です。
「モンスターはいなくなったはずだろ?」
「はい。ですが復活したのです」
「復活しただって???そう言えば、連れの二人も全然驚いちゃいないが・・。お前達はモンスターが復活したのを知っているのか?」
二人は頷きました。
「じゃあ実際にモンスターを見た事は?」
二人はかぶりを振りました。
「アンタはどうなんだ?」
「私も見ていません。ですが、『モンスターが世界各地に現れた』と言う情報が入っています。ピドナは世界の中心にあります。ですから、世界中の情報が集まりやすいのです」
「なるほどな・・。だが俺は、魚が減り始めてから何度か氷湖にやって来たが、一度もモンスターに遭遇しなかったぞ?」
「遭遇しないようにしているのですよ。モンスターの方が」
「ソイツはまるで人間みたいだな」
「その通りです。人間なのですよ。ただし、すでに亡くなっていますが」
「まさか・・、死んだ人間がモンスターになったって事か?!」
「そうです」
「自然に・・って訳じゃ無いよな?」
「もちろん違います。何者かが魔法をかけたのでしょう。その人は人間の頭脳を持ったままモンスターになったのです」
「そうか・・。相手が人間の頭脳を持ってるって事は、一筋縄ではいかないって事だな」
「はい」
「何とかしてソイツをおびき出さないとな。何か良い作戦はあるのか?」
「もちろんです。しごく簡単な事ですよ。人間の時の習慣を、そのまま利用すれば良いのです」
私は大きく息を吸いました。
そして・・。
「御飯ですよ!!」
と、大声で叫びました。