ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
イードさんにどうしたのか尋ねようとした時、メリアさんが私に尋ねてきました。
「でも、それじゃあウォードさんは?」
「ウォードさんには、ウォードさんの生活があります。自分達が生きるために、他の生物を犠牲に出来る覚悟があるのか試したのです」
「ホント、大した奴だよ・・アンタは」
ウォードさんが私達の近くに来て言いました。
「アンタのその覚悟は並大抵の物じゃねえ。以前の『七英雄』すら凌駕するほどだ」
「恐れ入ります」
「いや、褒めちゃいない。アンタは七英雄と決定的に違う所がある。それは、『アンタだけで全てを解決しようとする所』だ。七英雄ほどの強い人間でも仲間を必要とした。そして、仲間を頼った。なのに、アンタは全てを自分だけで解決した。それは本当の強さとは言えねぇ」
「それは・・」
「まあ良いさ。とにかく、事件は解決した。約束通り、毛皮は優先的にピドナに売る事にしよう。じゃあ一旦、ユーステルムに戻るぜ。お礼に毛皮を少しプレゼントしてやるからよ」
ウォードさんはさっさと歩いて行きました。
「イードさん、メリアさん。ウォードさんが仰ってた事は正しいのでしょうか?」
イードさんとメリアさんがお互いの顔を見ました。
「そうね・・。あなたの言う事も分かるけど、もう少し私達を頼ってほしいかな。特に戦闘の時は」
「俺もそう思う」
「そうですか。分かりました」
「なあガモリ―」
「何ですか?」
「あ、いや・・」
イードさんは何か迷っているようです。
「どうしましたイードさん。訊きたい事があれば何でも訊いてください」
「じゃあ訊くぞ。さっきお前はこう言ったな。『ピドナの全国統一の障害は何であっても取り除かなければならない』って」
「ええ。それが何か?」
「俺達がその『障害』になった場合、お前はどうする?」
「えっ」
それは、まるで予想していなかった質問でした。
私にとっては、彼らも、ルートヴィッヒ様と同様とても大切な人達です。
私はピドナに来て以降、一度も迷った事がありませんでした。
これが、『迷い』と言う感情なのですね。
胸に残るモヤモヤ感が、とても苦しいです。
それでも、私は。
「その時は、あなた達を倒します」
イードさんはこの答えを予期していたみたいですが、それでもショックだったようです。
そのため、しばらく言葉が出てこないようでした。
「イード・・」
「大丈夫だ姉貴。ガモリ―はルートヴィッヒ様に救われた訳だからな。ルートヴィッヒ様に救われてなければ、俺達との出会いも無かった。それで良い。迷っていないようでホッとしたよ」
いいえ。
物凄く迷いました。
「済みません」
「何でお前が謝るんだ?お前は本当の事を言ってくれた。それはつまり、俺達を信用してくれてるって事じゃないのか?」
「はい。その通りです」
「ならそれで良いさ。大体この話は、俺達がピドナの世界統一の障害にならなければ良いんだからな。障害には絶対になりえない。俺達も、ルートヴィッヒ様や父上やお前の考えに賛同しているんだからな」
「なら何であんな事尋ねたの?」
「ガモリ―を試したんだよ。この程度の質問で揺らぐ心かどうかをね。だが、その心配は無かった。ガモリ―は目的に向かって真っすぐ向かっている。ならば、俺達もそれをサポートするのみだ」
「それはそうね」
「だろ?とにかく、今はユーステルムに戻ろうぜ?もうウォードは見えなくなっちまったし」
「分かりました」
こうして私達は、一度ユーステルムに戻る事にしました。