ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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ガモリー編 第一章⑩

「ただ奴を追いかけるために荷主と離れた訳じゃないよな?」

 

馬で野盗の足跡を追跡中に、イードさんが私に尋ねました。

 

「もちろんですよ。私の部下がそろそろ野盗のアジトを壊滅している頃です。荷主と離れたのは、それに気づかせないためです」

「じゃあ、逃げた奴は・・」

「アジトに戻った瞬間、部下に狩られますね」

「ちぇ・・。俺の手で倒したかったのに・・。まあ良いか」

 

(お前と二人っきりでいられるなら・・)

 

イードさんが何だか嬉しそうな顔をしています。

 

「にしても、そこまで計算しているとは・・。ユーステルムに先に行ったのは、部下が野盗のアジトを壊滅した頃を見計らってヤーマスに行くためか」

「はい。その通りです」

「全く・・。恐れ入るよ。お前の行動の全てに理由があるんだな」

 

そんな話をしている内に、足跡が続いていた洞窟までたどり着きました。

私達は、洞窟のそばの木に馬を縄で繋いでから洞窟内へと入りました。

 

「静かだな」

「ええ」

 

イードさんが先に行くと言うので、任せる事にしました。

 

「誰だそこにいるのは!?」

 

奥の方から声がしました。

それから、部下の顔が少しずつ見えてきました。

 

「これはイード様!ガモリ―様!!」

「お疲れ様です。無事に野盗のアジトを制圧しましたね」

「はっ!リーダーがいなかったため、楽に制圧する事が出来ました」

「リーダーは外に出てきていましたので、こちらで処理しました」

「そうでしたか」

「なあ、今さっき野盗の一人がここに来なかったか?」

「はっ!慌てて入ってきましたが、我々の姿を見て面食らったようでした。逃げようとしたので、こちらで処理させて頂きました」

「そうか~・・。まあそうなるよな」

「イード様、いかがなされましたか?」

「いや、何でも無い。気にするな」

「はぁ」

「ところで、ここでしばらく暮らせて行けそうですか?」

「はっ!ここはかなり住みやすくしてあるので、何の問題もありません!!」

「それは良かったです。ですが、無理は決してなさらないでください。あまり長居をすると、討伐令が出される可能性もあります。危険だと判断したら、速やかにピドナに帰還してください」

「はっ!お心遣いありがとうございます!我々は上司に恵まれて本当に良かったです」

「それを聞くと、嫌な上司もいると言う事ですか?」

「はっ!『奴ら』は・・」

 

どうやら部下はしゃべりすぎたと思ったようで、言葉が途中で途切れてしまいました。

 

「失礼しました。余計な事を話してしまいました」

「いいえ、大丈夫です。では、引き続きよろしくお願いしますね」

「はっ!お任せを!!」

 

私達は洞窟から出ました。

 

 

 

「私が見た限りでは、『嫌な上司』と言われるような方はピドナ軍にはいませんでしたが・・」

「いるんだな、これが」

 

メリアさん達と合流する間に、イードさんに上司の事を訊くと、このような返答でした。

 

「それは誰ですか?部下は『奴ら』と言っていたので、二人以上いる事になりますが」

「お前がピドナに来る前に、ルートヴィッヒ様の命令で全国行脚している奴らだよ」

「何故、そんな命令を?」

「表向きは『世界を知ってこい』って事だったけど、奴らは素行が悪かったからな。罰の意味合いもあったんだと思う」

「素行が悪いのですか。どんな人達なのか楽しみですね」

「冗談じゃない。あんな奴ら、二度と会いたくないぜ」

 

イードさんは、かなりその人達が嫌いなようです。

 

「ガモリ―!イード!」

「姉貴!!」

 

反対方向から、メリアさんとランスの荷主の馬車がやって来ました。

 

「それで、どうでしたか?野盗のアジトの方は?」

「残念ながら野盗はすでにいませんでした」

 

(なるほどな)

 

(確かに野盗はいなかった)

 

(いたのはガモリ―の部下だけだ)

 

イードさんが何やら頷いています。

 

「そうでしたか・・。それは残念です」

「ですが、かなりの大打撃を与えましたので、もはや再起不能では無いかと思います」

「ええ、そりゃあもう。力の差を見せつけてましたからね」

 

ランス陸送隊の方は大変満足しているみたいです。

 

「それでは参りましょうか。ヤーマスまで後少しですね」

「はい。引き続き、護衛をお願いします」

「お任せください」

 

私達は再びヤーマスへと向かいました。

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