ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
10分ほどでヤーマスに到着しました。
もうすっかり雪は無くなっています。
ここにある、モンスターに対する結界を発しているアイテムは『聖王のかぶと』です。
ドフォーレ商会は以前悪い事をしていたみたいなので、かぶとを見る事で、『聖王のような頭になれ』と言う事を伝えているのでしょうか。
「ありがとうございました。無事にヤーマスにたどり着きました」
「どういたしまして。その荷物はドフォーレ商会に持っていくのですよね?」
「ええ。そうですが」
「でしたら、ドフォーレ商会までご一緒させてもらってもよろしいでしょうか?話をお聞きしたいので」
「はい。別に構いませんよ」
私達三人は、ランス陸送隊の社員と共にドフォーレ商会に向かう事になりました。
ドフォーレ商会は、入口の近くにありました。
お店には強力な武器防具から高級傷薬や万能薬まで、幅広い商品を取り揃えていました。
「本日の荷物をお持ちしました」
「ああ。ご苦労様です」
ドフォーレ商会の会長自らが出てきました。
かなりの年齢なので、本当は引退しなければならないはずですが。
「それでは、私はこれで」
「あの」
帰ろうとするランス陸送隊の社員を、私が止めました。
「何でしょう?」
「今後も護衛は雇ってくださいね。何が起きるか分かりませんから」
「ははは。それはもちろん雇いますよ。我々の信用問題にも関わりますからね。では」
今度こそ、ランス陸送隊の社員の方が引き上げていきました。
「それで、あなた達は?」
「あの、あなたはドフォーレ商会の『会長』ですよね?」
「ええ、そうですよ。それが何か?」
「何故、社長である息子さんが出てこないのですか?」
「そ・・それは・・」
会長が固まってしまいました。
何が起きているのかはすでに調査済みです。
「私達はピドナ軍の者です。たまたまランス陸送隊の方の護衛をしてきましたが、もしかしたら力になれるかも知れません」
(たまたま?いや、狙っただろ) (たまたま?いえ、狙ったでしょ)
「そうでしたか・・。そうですね。これも何かの縁です。相談させていただきましょうか」
会長がポツポツと話し始めました。
二週間ほど前、息子さんと喧嘩して息子さんが家を出てしまった。
そしてそれ以来、息子さんは家に戻ってきていないとの事です。
先ほども申し上げた通り、この事はすでに調査済みです。
「パトロールには連絡したのですか?」
「はい。ですが、大人の事ですからね。二週間帰ってこないからと言って、事件とは限らないと言われました」
「そうでしょうね。パトロールにはそう言う所がありますから。組織である以上、曖昧な理由では動けません。その点、私達は違います。今は軍では無く個人で動いていますので、自由に動く事が出来ます」
「それじゃあ・・」
「もしよろしければ、私達が調査いたしますが」
「は・・はい!ぜひお願いします!!」
「承知いたしました」
「それで、成功報酬は如何ほどですか?」
「お代はいりません。ただ、『エストック』をピドナに優先的に売っていただければ」
「そ・・そんな事でよろしいのですか?」
「はい。それと、一つだけ条件があります」
「何でしょう?」
「あなたにも来ていただきたいのです」
「何故、私が?」
「私は、息子さんがどこにいるか、大体の見当がついています。おそらく息子さんは、『ヤーマスに入りたくても入れない状況』であると考えています」
「それは一体どう言う・・?」
「ヤーマスには世界中の町や国と同じように、『モンスターが入れないようにする結界』があります。そのせいで入れないのです」
「ま・・まさか・・。息子がモンスターになっていると!?」
「はい。その可能性が高いです」
「そ・・そんなバカな!!人間がモンスターになるなどあり得ない!!」
「そう思うのが当然ですが、最近この事象が世界中で起こっているのです。ですので、ここで同じ事が起きていても何ら不思議ではありません」
「そ・・そんな・・」
「ですから、あなたの目で確認して頂きたいのです。そのモンスターが息子さんであるかどうかを。もちろん、安全には十分に配慮いたしますので」
「良いでしょう。参りましょう」
「ありがとうございます。では、私達はもう一つの仕事をこなして来ますので、戻ってくるまでに準備を整えておいてください」
「分かりました」
「では、一度失礼しますね」
私達は一度、ドフォーレ商会から出る事にしました。