ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
ドフォーレ商会を出た私達は、『シーホーク』と言うパブ(昼は喫茶店)にやって来ました。
ある『男性』の情報を得るためです。
店は繁盛しているとは言えませんが、それなりに客はいました。
「‥‥いらっしゃい‥‥」
若くて細長い男性店員が小さい声で挨拶しました。
これは苦情が出てもおかしくないレベルの小ささです。
「シーホークへようこそ!」
カウンターに座ると、太った中年のマスターがにこやかに挨拶をしました。
さっきの男性店員と顔だけ似てる気がします。
どうやら親子のようです。
「ご注文は?」
「ここのおすすめは何でしょうか?」
「スクリュードライバー(オレンジ)風ライトニングピアス(炭酸)ジュースですね」
「では、それを3つお願いします」
「かしこまりました」
マスターが準備を始めました。
「おいガモリ―・・。何で急にこんな所に来たんだ?」
「ここまで強行軍で来ましたので、少し休憩しましょう」
「そうねぇ。少しは良いわよね。もちろんガモリ―の奢りよね?」
「もちろんですよ」
「う~ん・・。まあ良いか」
「はい。おまちどうさまでした」
私達の前に、オレンジ色のジュースが入ったグラスが置かれました。
「では、いただきます」
私達はゆっくりジュースを飲み始めました。
炭酸の『ジュワ―』と言う感じが体の中に染み渡っていきます。
「マスター。お聞きしたい事がありますがよろしいでしょうか?」
「はい。何でしょう?」
「ドフォーレ商会について教えていただきたいのですが」
「そうですね・・。今でこそ真面目な商売をしていますが、昔は麻薬や盗品を売ったり、モンスターと手を組んだりと、とんでもない事をしていましたよ」
「そのドフォーレ商会を懲らしめた正義の味方がいたそうですが、何か知りませんか?」
「おお!その話をご存じですか?ええ、いましたよ。『怪傑ロビン』と呼ばれたヒーローがね!」
それから約20分間、怪傑ロビンの自慢話が続きました。
私は興味がある話題なので全然問題無いのですが、二人は苦しそうです。
本当にごめんなさい。
何とかして助けなければ。
「もう怪傑ロビンは現れないのでしょうか?」
タイミングを見計らって、こちらから質問しました。
「現れないでしょう。今は平和ですからね」
「では、ヤーマスに危険が迫っているとしたらどうでしょう?」
「何ですって?」
にこやかなマスターの表情が一瞬で変わりました。
先ほどの小さな声の男性店員にも緊張感が漂いました。
「危険が迫っているのですか?」
「はい。結界のおかげでモンスターの侵入を防いではいますが、町のすぐそばにモンスターがいます」
「モンスター・・?モンスターは全ていなくなったはずでは?」
「それが、世界各地でまた復活したのですよ。原因は不明ですが」
「そんな・・」
「私達はピドナ軍の者で、その原因の調査に来ているのです」
「そうなのですか・・。それで、何か分かりそうですか?」
「今の所はまだです。それで、まずは町の近くにいるモンスターの所に行こうかと」
「そうですか」
「それではそろそろ行きます。ごちそうさまでした。お会計をお願いします」
「400オーラム×3で1200オーラム頂きます」
1200オーラム支払いました。
「ありがとうございました」
何だか心ここにあらずと言った感じの挨拶でした。
「ふう・・。黙ってるのも疲れるぜ」
「本当にね。まあ、ガモリ―にはガモリ―の考えがあるだろうから、何も言わないけど・・」
シーホークを出ると、二人に小言を言われてしまいました。
それも仕方が無い事なのですが。
「でも、わざわざあんな所に行って、あんな話をした理由ぐらいは教えてくれても良いんじゃない?」
「もちろんですよ。私の勘が正しければ、これで強力な助っ人がやって来てくれるはずです」
「まさか、さっきマスターと話してた『怪傑ロビン』って人?」
「はい。そうです」
「『怪傑ロビン』を再び登場させるために、わざとあんな話をしたって事か?」
「はい。その通りです。後は、『会長の誤解を解きたい』と言う理由もあります」
「はあ?何だそりゃ?」
「それは見てのお楽しみですね」
私達がドフォーレ商会に戻ると、すでに会長の準備が整っていました。
「お待たせしました」
「いいえ。私も今準備できた所です」
「そうですか。それでは出発しましょう」
私達は会長と共に、ヤーマスの町を出ました。