ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「見つけました」
ドフォーレ商会の会長を含む4人でヤーマスの町の周りを歩いていると、すぐにモンスターが見つかりました。
色はオレンジ色で、大きさは人間より少し小さいぐらいでしょうか。
私達は少し離れた所から、そのモンスターを観察する事にしました。
そのモンスターは宙に浮きながら、ヤーマスの町の方をじっと見つめて微動だにしません。
「あれは『ワーバット』ですね。吸血コウモリです」
「ただのコウモリにしてはでかい気が・・」
「それはそうですよ。ただのコウモリでは無いので」
「ははは・・。そりゃそうか」
イードさんが笑いました。
「会長、どうでしょう?あれは息子さんだと思いますか?」
「分かりません」
「では、日頃から息子さんが身に着けている物とかありませんでしたか?」
「ムムム・・」
会長は悩んでいる様子です。
何を悩んでいるのかと言うと、話すべきか話さざるべきかを悩んでいる様子です。
「息子は、亡くなった妻からもらった腕時計を大事にしていました」
「それを毎日身に着けていたのですか?」
「はい。片時も離さず。息子は彼女をとても愛していましたので」
「そうでしたか。もしかして、息子さんが犯罪に手を染める原因になったのは奥様の死なのでは?」
「そうかも知れません。ですが私は、息子が変わった事に気づいてやれませんでした。父親失格です」
会長が涙を流しました。
これが『親の愛情』と言う物なのですね。
「着けてるぜ・・腕時計。黒い奴だ」
「そ・・そうです!息子の腕時計も黒です」
「普通のモンスターが腕時計なんてするはずが無いので、息子さんかどうかはともかく、元人間である事は証明されましたね」
「た・・確かに」
「それにしても、こんな離れた所からでも確認できるとは、流石はイードさんですね」
「いや~・・。それほどでも・・」
私に褒められて、イードさんが照れました。
彼のこう言う所は、すごくかわいいと思います。
「そうそう!昔から『目』だけは良いのよねぇ。頭は悪いけど、『目』だけは」
「姉貴・・。余計な事言わないでくれよ」
これは、私もイードさんに賛成です。
「まあ良いじゃない。それでどうするのガモリ―?奴を倒すの?」
「そうですね。あのまま放っておいても、いずれ町の人に見つかって混乱を招いてしまいます。そうなる前に倒しましょう」
「アイツは強いのか?」
「いいえ。はっきり言って、私達の敵ではありません」
「はは・・。すごい自信だ」
イードさんがちょっと引いたみたいです。
「ですが、牙には十分注意してください。牙には毒が付いていますので」
「了解!!」
「では、行きましょう」
私達がワーバットのいる所に向かうと、ワーバットは慌てて逃げようとしました。
「逃がしません。『シャドウボルト』!!」
私は『月術』のシャドウボルトを唱えました。
シャドウボルトは、魔力によって作られた暗黒の矢です。
シャドウボルトが当たり、ワーバットは地面に落ちました。
「今のうちに畳み掛けましょう!」
私達三人がワーバットに止めを刺しに行こうとした時、
「待ってください!」
と、会長が大声で叫びました。
「や・・やはり、殺さないでください・・」
「ですがそうしますと、町に被害が出ますが」
「私が責任を持って保護します!それに、そのモンスターはあまり好戦的では無いではありませんか!ですから・・どうか・・どうか・・」
そうこうしている内に、ワーバットが起き上がりました。
そして、何故だか分かりませんが、身に着けていた腕時計を外して会長の方に投げつけました。
「うがああああ!!!!」
ワーバットが思い切り叫ぶと、何と、体の色が紫色に変わっていきました。
「どう言う事ですかこれは?ワーバットがガーゴイルに変わりました!」
「種族が変わったって事?」
「はい。しかも、能力値はワーバットの時の4倍ぐらいです」
「よ・・四倍!?」
「あの腕時計が、能力を制御していたとでも言うのでしょうか?訳が分かりません」
「ガーゴイルは強いのか?」
「はい。強いです。今の私達で、対抗できるかどうか分かりません」
「そりゃ参ったねぇ・・。けど、それぐらいじゃないと面白く無いよな!」
イードさんがガーゴイルに突っ込みました。
そして、槍で攻撃を仕掛けました。
「うおっ!?」
イードさんの槍の穂先が、爪でガードされました。
「やあ!」
今度はメリアさんが小剣で攻撃しました。
「嘘!?」
何と、メリアさんの小剣の剣先が牙でガードされました。
「そのまま抑えていてください!」
これで私の攻撃はガードする事が出来ないでしょう。
そう思ったのですが。
「えっ!?」
私の攻撃は角でガードされました。
「一度離れましょう!!」
私の合図で、三人が同時にガーゴイルから離れました。
離れた瞬間、ガーゴイルは私に攻撃を仕掛けました。
わざと無防備になる事で、私に攻撃が来るように仕向けたのです。
「無形の位!!」
私は最小限の動きで、ガーゴイルの爪の攻撃を大剣でガードしてからいなす事で、ガーゴイルから逃れる事に成功しました。
「なかなか強いねぇ・・」
「そうですね」
「どうするのガモリ―?」
「誰か隙を作ってくれる人がいれば・・」
私達が困っているその時・・。
「ハハハハハハ!!!!」
と言う笑い声が、どこからともなく聞こえてきました。