ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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ガモリー編 第一章⑬

「見つけました」

 

ドフォーレ商会の会長を含む4人でヤーマスの町の周りを歩いていると、すぐにモンスターが見つかりました。

色はオレンジ色で、大きさは人間より少し小さいぐらいでしょうか。

私達は少し離れた所から、そのモンスターを観察する事にしました。

 

そのモンスターは宙に浮きながら、ヤーマスの町の方をじっと見つめて微動だにしません。

 

「あれは『ワーバット』ですね。吸血コウモリです」

「ただのコウモリにしてはでかい気が・・」

「それはそうですよ。ただのコウモリでは無いので」

「ははは・・。そりゃそうか」

 

イードさんが笑いました。

 

「会長、どうでしょう?あれは息子さんだと思いますか?」

「分かりません」

「では、日頃から息子さんが身に着けている物とかありませんでしたか?」

「ムムム・・」

 

会長は悩んでいる様子です。

何を悩んでいるのかと言うと、話すべきか話さざるべきかを悩んでいる様子です。

 

「息子は、亡くなった妻からもらった腕時計を大事にしていました」

「それを毎日身に着けていたのですか?」

「はい。片時も離さず。息子は彼女をとても愛していましたので」

「そうでしたか。もしかして、息子さんが犯罪に手を染める原因になったのは奥様の死なのでは?」

「そうかも知れません。ですが私は、息子が変わった事に気づいてやれませんでした。父親失格です」

 

会長が涙を流しました。

これが『親の愛情』と言う物なのですね。

 

「着けてるぜ・・腕時計。黒い奴だ」

「そ・・そうです!息子の腕時計も黒です」

「普通のモンスターが腕時計なんてするはずが無いので、息子さんかどうかはともかく、元人間である事は証明されましたね」

「た・・確かに」

「それにしても、こんな離れた所からでも確認できるとは、流石はイードさんですね」

「いや~・・。それほどでも・・」

 

私に褒められて、イードさんが照れました。

彼のこう言う所は、すごくかわいいと思います。

 

「そうそう!昔から『目』だけは良いのよねぇ。頭は悪いけど、『目』だけは」

「姉貴・・。余計な事言わないでくれよ」

 

これは、私もイードさんに賛成です。

 

「まあ良いじゃない。それでどうするのガモリ―?奴を倒すの?」

「そうですね。あのまま放っておいても、いずれ町の人に見つかって混乱を招いてしまいます。そうなる前に倒しましょう」

「アイツは強いのか?」

「いいえ。はっきり言って、私達の敵ではありません」

「はは・・。すごい自信だ」

 

イードさんがちょっと引いたみたいです。

 

「ですが、牙には十分注意してください。牙には毒が付いていますので」

「了解!!」

「では、行きましょう」

 

私達がワーバットのいる所に向かうと、ワーバットは慌てて逃げようとしました。

 

「逃がしません。『シャドウボルト』!!」

 

私は『月術』のシャドウボルトを唱えました。

シャドウボルトは、魔力によって作られた暗黒の矢です。

シャドウボルトが当たり、ワーバットは地面に落ちました。

 

「今のうちに畳み掛けましょう!」

 

私達三人がワーバットに止めを刺しに行こうとした時、

 

「待ってください!」

 

と、会長が大声で叫びました。

 

「や・・やはり、殺さないでください・・」

「ですがそうしますと、町に被害が出ますが」

「私が責任を持って保護します!それに、そのモンスターはあまり好戦的では無いではありませんか!ですから・・どうか・・どうか・・」

 

そうこうしている内に、ワーバットが起き上がりました。

そして、何故だか分かりませんが、身に着けていた腕時計を外して会長の方に投げつけました。

 

「うがああああ!!!!」

 

ワーバットが思い切り叫ぶと、何と、体の色が紫色に変わっていきました。

 

「どう言う事ですかこれは?ワーバットがガーゴイルに変わりました!」

「種族が変わったって事?」

「はい。しかも、能力値はワーバットの時の4倍ぐらいです」

「よ・・四倍!?」

「あの腕時計が、能力を制御していたとでも言うのでしょうか?訳が分かりません」

「ガーゴイルは強いのか?」

「はい。強いです。今の私達で、対抗できるかどうか分かりません」

「そりゃ参ったねぇ・・。けど、それぐらいじゃないと面白く無いよな!」

 

イードさんがガーゴイルに突っ込みました。

そして、槍で攻撃を仕掛けました。

 

「うおっ!?」

 

イードさんの槍の穂先が、爪でガードされました。

 

「やあ!」

 

今度はメリアさんが小剣で攻撃しました。

 

「嘘!?」

 

何と、メリアさんの小剣の剣先が牙でガードされました。

 

「そのまま抑えていてください!」

 

これで私の攻撃はガードする事が出来ないでしょう。

そう思ったのですが。

 

「えっ!?」

 

私の攻撃は角でガードされました。

 

「一度離れましょう!!」

 

私の合図で、三人が同時にガーゴイルから離れました。

離れた瞬間、ガーゴイルは私に攻撃を仕掛けました。

わざと無防備になる事で、私に攻撃が来るように仕向けたのです。

 

「無形の位!!」

 

私は最小限の動きで、ガーゴイルの爪の攻撃を大剣でガードしてからいなす事で、ガーゴイルから逃れる事に成功しました。

 

「なかなか強いねぇ・・」

「そうですね」

「どうするのガモリ―?」

「誰か隙を作ってくれる人がいれば・・」

 

私達が困っているその時・・。

 

「ハハハハハハ!!!!」

 

と言う笑い声が、どこからともなく聞こえてきました。

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