ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「七英雄のお一人がこんな所にいらっしゃるとは。ここで一体何をなさっていらっしゃるのですか?」
「世界中を旅している所だよ。で、そろそろピドナに戻ろうかと思ったけど、ここに来たらタチアナと会ってね。色々話をしていたと言う訳だ」
「そうだったのですね」
「今は代理の社長に物件の管理を任せてあるけど、一日ぐらいなら問題無いだろう。後でシェヘラザーデのマスターに言ってくるよ。『今日一日休みにしろ』ってね。今日の給料は私が払うって言えば大丈夫さ」
「ありがとうございます」
「私は・・そうねぇ・・。じゃあ、『トレード』で勝負しよ!『トレード』で私から『ホテルリブロフ』を見事買収出来たら、あなたに今日一日貸してあげる。どう?」
「トレードですか?」
「まあ、会社経営者で無ければ馴染みが薄いだろうね。良ければ私が少しレクチャーするけど、どうする?」
「はい。よろしくお願いします!」
それから30分経過しました。
トーマスさんの教え方は実に分かりやすかったです。
「よし。これで大体大丈夫だと思う。トレードに興味があるならぜひ本篇をやってくれ」
「はい。分かりました」
「とりあえずハンス商会、メッサーナベント農場、カーソン農場を貸してあげるから、これで何とかやってみて」
「はい」
「よし!じゃあ勝負だ!!」
私が使えるかけ引き技は以下の通りです。
スマイル 正義を説く
さて
どうしましょうか?
「正義を説く 正義を説く 正義を説く 正義を説く 正義を説く 正義を説く 以下略・・」
物件を手に入れた!
手に入れた物件・・・・
ホテルリブロフ
「うへぇ!負けちゃったよ・・」
「社長たる者、時には強引にならなければならないとは良く言うけど、君は強引すぎるね・・。と言うか、こんな方法があるなんて私も知らなかった・・」
「ありがとうございます。特訓の成果です!」
「そうか。役に立てて良かった。君は形に囚われない人なんだね。それはとても素晴らしい事だと思うよ」
「そうだねぇ。私も良い勉強が出来たよ。ありがとうねガモリー」
「いえいえ!お役に立てたのなら私も良かったです」
「こうなってくると、ますます君の作戦が気になるな。ホテルリブロフに泊まって一部始終を見ていたいけどダメかな?」
「それでは2階の客室にお泊りください。私達が使用するのは3~5階ですので」
「そうか。それじゃあそうしよう」
「私も!この事は、私が直接支配人に伝えておくから!」
「はい。よろしくお願いします」
と言う事で、無事に『ホテルリブロフ』と『シェヘラザーデ』を貸していただける事になりました。
一度ピドナに戻って、ルートヴィッヒ様に報告ですね。
「戻ったか。で、どうだった?」
私はピドナに戻るとすぐに、ルートヴィッヒ様に報告をしに玉座の間にやって来ました。
玉座の間には、すでに前回と同じメインメンバーが勢ぞろいしていました。
「無事、リブロフを手に入れる段取りが出来ました。つきましては、ルートヴィッヒ様、ヴォルフ様、クレティン様、グラフ様、ローファ様の5名は、私と共にリブロフへ来ていただきたいのですが」
「ピドナの主要メンバーが全員行くと言うのか?そんな事をしたら、その間に他国に攻められた時、ピドナを守り切れないぞ?」
クレティン大将の言葉が少しきつくなりました。
「大丈夫です。絶対に他国が攻め入ったりはしません。そんな事をした国は他の全ての国の連合軍によって、あっという間に壊滅させられてしまうでしょう。それは、ピドナも例外ではありません」
「ではリブロフは?主要メンバーがいないと分かれば、ピドナを乗っ取り、リブロフ+ピドナで連合軍と戦うと言うシナリオもありうるのでは無いか?」
「そんな事が起きないように、主要メンバーのみでリブロフへ向かうのです」
「どう言う事だ?」
「まさか、バイヤールのプライドの高さを利用するのか?」
「その通りです。流石はルートヴィッヒ様ですね」
「ルートヴィッヒ様、どう言う事でしょうか?」
「今のリブロフは『ヴラド』、『ラザール』、『バイヤール』の三人が主要メンバーとなって内政を行っている。そして、その中で一番王に近いのが、『バイヤール』だ。バイヤールは非常にプライドが高く、一切の妥協を許さない男だ」
「そうか・・。それで我々5人がリブロフに行けば、我々のいないピドナを攻めて勝利しても無意味だと考える訳か・・」
「その通りです、クレティン様。ですが、あまり人数を増やしすぎると、相手は手を出してきません。そのためにこのメンバーのみで行くのです」
「なるほど・・。これは面白そうだ。向こうが先に攻撃してきたのだから、我々がやり返してリブロフを倒したとしても、他の国は文句のつけようも無いと言う事だな」
「はい。そうです」
「リブロフに行った後、具体的に我々はどう動けば良いのだ?」
今度はローファ少将が尋ねました。
「特に何も考える必要はありません。相手がどう動くのかも私の頭の中でイメージが出来ています。ですので、向こうの動きに合わせて、こちらも動くだけで大丈夫です」
「そうは言ってもな・・」
「ローファ様。この作戦はあまり細かく決めていると、相手に気づかれる恐れがあります。この作戦は、『相手の方が有利』だと思わせなくてはなりません。そうで無ければ、彼らは絶対に動きませんから」
「確かにな」
「ですので、リブロフで何が起こるのかをそのまま楽しんでください」
「それは、思い切り暴れても良いって事かな?」
力自慢のグラフ中将が尋ねました。
「いいえ。残念ながら暴れる必要はありません」
「暴れなくてもリブロフを手に入れられるって事か?」
「はい、そうです」
「それはちょっと残念だな」
「お兄様!少しは遠慮してください。避けられる争いであれば、避けるべきです」
「がはは!違いない。済まんなミルダ」
ミルダ王妃に窘められ、グラフ中将が小さくなってしまいました。