ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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ガモリー編 第一章⑲

「これでいかがでしょう、ルートヴィッヒ様?」

「昨日も言ったが、この件についてはお前に一任している。だからお前のやり方に従おう。お前もそれで良いなヴォルフ?」

「仰せのままに」

「ありがとうございます。ではあと、弓兵を40名ほど貸していただきたいのですが」

「弓兵はアルスの配下だが・・」

 

私がアルス少佐の方を見ると、少佐はにやりと笑いました。

 

「もちろん貸すのは構いませんよ。ただし・・」

「ただし?」

「40人全員、傷一つ付けずに私に返す事。これが守られなければ、あなたにお仕置きさせていただきますが、よろしいですね?」

「ええ、構いません。元より、部下を傷つける事などありえませんから」

「そうかい。それじゃあ自由にしてくれ。ああ!どんなお仕置きをしてやろうか。楽しみだなぁ」

 

アルス少佐は自分の世界に入ってしまったようでした。

また、この時イードさんの顔が怒りに燃えていた事は言うまでもありません。

 

「よし!ではヴォルフ、クレティン、グラフ、ローファは準備ができ次第、ピドナ港へ来る事!弓兵の件は任せたぞガモリー」

「はい!お任せください」

「それでは解散!!」

 

 

 

「あ~あ・・。俺も行きたかったなぁ・・」

 

イードさんが愚痴をこぼしました。

私が弓兵を選びに行くのに、わざわざイードさんとメリアさんが附いてきてくれたのです。

 

「って言うかアルスの野郎・・。傷が無い弓兵に自分で傷をつけて、ガモリーにお仕置きしようって言うんじゃ無いだろうな」

「流石にそこまで脳みそ腐ってないでしょ」

「そうか?だと良いけどな。ちくしょー・・。俺が奴より上官だったら・・」

「そう言えばメリアさんは『大尉』で、イードさんは『中尉』でしたよね?」

「そうよ」

「ずっと気になっていたのですが、何故大佐がいないのですか?」

「それな。やっぱり気になったか。実はな、それは俺達のためなんだ」

「えっ?それはどう言う事ですか?」

「『ガリンやアルスよりも先に大佐に出世するように』って、ルートヴィッヒ様と父上が取り決めをしたんだそうだ。要するに俺達に大活躍をしろって事だな。そうでもしなきゃ、大尉や中尉が一気に大佐になれる訳無いからな」

「なるほど」

「まあでも、今の俺は他の考えも持っているぜ」

「と言いますと?」

「お前が『大佐』代理だと言う事さ。つまりお前がいるから、誰かを大佐に任命する必要が無いって事だ」

「へえ~・・。あんたにしては珍しく頭が回るわね!私もその意見に賛成かな」

「相変わらず一言余計なんだよ姉貴は!」

 

また始まってしまいました。

 

私はアルス隊の所に到着すると、すぐに弓兵40人を選びました。

選考基準は、『リブロフ』に行った事がある人です。

ホテルやパブの場所を知っている人でないと、移動するのに時間がかかる可能性があるからです。

 

「選んでいただき、ありがとうございます!」

 

弓兵の一人が私に言いました。

選ばれた他の兵士達も目を輝かせています。

よほど、あの隊にいたくないのでしょう。

 

「あそこの隊は地獄そのもので・・」

「あまりそう言った事は大声で話さない方が良いですよ。どこで本人が聞き耳を立てているか分かりませんから」

「あ・・」

「ですが、この近くには確実にいませんのでご安心を」

「ほっ・・。良かったです」

「それでは作戦をお伝えしますね。まずあなた方は、普通の旅行者を装ってリブロフに上陸してください。適当にグループを作って、普通に話しながら上陸すると良いでしょう。警戒は私達に全て向けられるので、何も問題は無いと思いますが念のため」

「はっ!!」

「そして上陸後、10名は『シェヘラザーデ』の2階へ、30名は『ホテルリブロフ』の3~5階に10名ずつ別れた後、各階の部屋に適当に別れて入って寛いでいてください。『ホテルリブロフ』と『シェヘラザーデ』は今日一日貸し切りとなっているので、どのように動いても構いませんが、節度は守ってくださいね?」

「はっ!」

「しばらくするとリブロフの兵士が全員に、『建物の外に出るな』と伝えに来るでしょう」

「ああなるほど・・。それで最初は寛いでいる訳ですね?ホテルに泊まっている奴やパブにいる奴が緊張していたら怪しまれかねないですから」

「はい、そうです。それで、『建物の外に出るな』と言われたらホテルにいる人は全員、『シェヘラザーデ側に窓がある部屋』に移動してください。それからしばらくすると、『シェヘラザーデ』の目の前で騒ぎが起こります。そうしたら皆さんは、窓を少し開けてその騒ぎを注視してください」

「はっ!」

「時が来たら、私が右手を挙げます。それが確認でき次第、窓を全開にして弓を敵側に構えてください。『シェヘラザーデ』にいる人と『ホテルリブロフ』の4~5階にいる人は問題なく確認できますが、ホテルの三階にいる人には、ギリギリ見える高さだと思われます。もし見えなかった場合は、上階の兵士の動きを参考にしてください」

「はっ!」

「その後は、私が右手を下ろした場合はあなた方も同じように弓を下ろしてください。右手を『パー』から『グー』に変えた場合は一斉に矢を放ってください。最も、矢を放つ事にはならないと思いますが」

「はっ!」

「それでは皆さんも準備をして港に向かってください」

 

弓兵の人達は、ぞろぞろとその場を離れて行きました。

 

「それでは、私も行きますね」

「くう~!港まで一緒に行きたいけど父上もいるからなぁ・・。行ったら絶対に何か言われる」

「我慢しなさい!ガモリー、ピドナの事は任せておいて!何があっても絶対に守るから」

「はい!よろしくお願いしますね」

 

私は再びリブロフへと向かいました。

 

 

 

リブロフに到着したのは、昼を少し過ぎた所でした。

私達が上陸すると、すぐにリブロフ兵が5名走ってきました。

ピドナの主要メンバーがぞろぞろやって来たら、いやが上にも警戒するでしょう。

 

「ピドナの面々が、リブロフにどう言った御用でしょうか?」

「そう警戒するな。我々は話をしに来ただけだ」

 

ルートヴィッヒ様はあくまでも冷静です。

私達が兵士に尋問されている間に、弓兵は先に進んでいきました。

予想通り、私達にだけ警戒しています。

 

「分かりました。上司に伝えて参りますので、しばらくお待ちください」

 

兵士の一人が走り去りました。

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