ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
その後、改めてリブロフ城にて調印式を行いました。
これで、リブロフはピドナの支配下に入りました。
私は調印式を途中で抜けさせていただきました。
用事がありましたので、そちらを優先したのです。
外は夕日が沈みかけてはいますが、まだまだ明るいです。
「おっ!来たね」
「あっ!本当だ!!」
ホテルリブロフに向かうと、トーマスさんとタチアナさんが入口で待っていました。
「別に約束もしてなかったのに、何で私達がここで待ってるって分かったの?」
「いえ。分かった訳ではありませんが、別れの挨拶をしていませんでしたので。あなた方は?」
「トーマスさんが、『彼女の性格なら絶対に来るから』って言うから」
「まだ私達に別れの挨拶をしていないだろう?だからさ」
「恐れ入りました。私の考えが読まれていたのですね」
「そう言う事」
お二人が笑いました。
「あ、そうそう。これを持っていくと良いよ」
トーマスさんが、一枚の紙を私に渡しました。
「これは?」
「ウィルミントンにいるフルブライトさんへの紹介状さ。彼は普通の人と会う事は絶対に無いけど、君は普通じゃないからね。必ず会ってもらえるよ」
「でも何故これを?」
「いずれウィルミントンにも行く事になるのだろう?ウィルミントンから力を貸してもらうためには、フルブライトさんの力は必要不可欠だからね」
「そうなのですね。でしたら遠慮なく頂きます」
私はトーマスさんの紹介状を大切にしまいました。
「これからも頑張ってね。君ならきっと素晴らしい事がやり遂げられるだろう」
「はい!ありがとうございます!!」
トーマスさんと握手を交わしました。
「またいつでも遊びにきてね!ガモリーなら大歓迎だから」
「はい!」
タチアナさんとも握手を交わしました。
「それではお二人とも、お元気で!!」
私はお二人と別れ、ルートヴィッヒ様達と合流しました。
すっかり暗くなってからピドナに到着しました。
「ガモリーよ。良くやってくれた」
「ありがとうございます」
ピドナの玉座の間にて、ルートヴィッヒ様からお褒めの言葉を頂きました。
「正直に言って、お前をただの軍師にしておくのは非常に惜しい。どうだろう。軍師兼大佐になる気は無いか?」
「異議なし!」
ガリン中佐とアルス少佐以外の人が言いました。
お二人は、私の昇進の事を良く思っていなさそうです。
「せっかくですが、お断りいたします。今のように自由に動こうとすると、多くの部下の事を長時間放って置く事になってしまいます。そんな事は、私には出来ません」
「ふむ。そうだな」
「その心意気、どこかの大尉と中尉にも見習ってもらいたいものだ。自由に動きすぎて、多くの部下を長時間放置しているようだからな」
「申し訳ありません・・父上・・」
「申し訳ありません・・父上・・」
「ははは!今のは冗談だ。二人とも部下から話は聞いている。『素晴らしい上司』だとな。父親として鼻が高いぞ!!」
「ありがとうございます!父上!!」
「ありがとうございます!父上!!」
息ぴったりの姉弟で本当に羨ましいです。
他の方達も和やかな表情になっています。
ガリン中佐とアルス少佐を除いてですが。
ガリン中佐はいつもの事ですが、アルス少佐は、いつものニヤニヤ笑いが消えています。
何故でしょう?
私が、少佐の部下40名を傷一つ付けさせずにお返ししたからでしょうか。
「さてガモリーよ。次はどうする?」
ヴォルフ元帥親子のやり取りが終わると、ルートヴィッヒ様が尋ねました。
「私は今からツヴァイクへ向かおうと思います」
「ほう・・。次はツヴァイクか?」
「いえ。ツヴァイクはまだ厳しいです。今回はツヴァイクの情報収集と、『ツヴァイク武闘会』に参加するためです。あと、ポドールイとキドラントにも向かいます」
「何故明日に出発しないのだ?今から出発すると、ツヴァイクに到着するのは深夜になるが?」
「『ツヴァイク武闘会』が始まる前に、ポドールイとキドラントを訪問し、ツヴァイクの情報収集もしておきたいからです。そのためには、明日の早朝から動く必要があります」
「ツヴァイクの情報収集はともかく、ポドールイやキドラントは、行ってもあまり意味が無いような気がするが?」
「そうですね。どちらも協力を得た所で大した力にはならないでしょう。ですが、個人的にどちらも興味がありますので」
「珍しいな。お前が個人的な興味を持つとは・・。ポドールイと言えば『ヴァンパイア伯爵』の事が一番に思い浮かぶが」
「はい。私は『ヴァンパイア伯爵』に会いに行きたいのです」
「何故だ?」
「『私』の事を知っているかも知れないからです」
《心配するな》
《『お前達』はモンスターなどにはならない》
《ただ》
《『我々』の部下となり》
《『我々』のために働くのみだ》
この言葉が聞こえた時、私は自分が何者であるかを改めて知りたくなりました。
それを知るには、600年生きていると言う『レオニード伯爵』に会うのが一番良さそうです。
「そうだな・・。今までずっと他人のため・・いや。私のために働いてくれていたのだ。お前はそろそろ自分のために働くべきだな」
「ありがとうございます」
「よし。では行くが良い!」
「はい!」
出発しようとした私の所に、ヴォルフ元帥親子がやって来ました。
「ガモリー、気をつけてな」
「はい。ヴォルフ様」
「何だかどんどんガモリーが遠くへ行ってしまうような、そんな感じがするわね・・」
「大丈夫ですよメリアさん。私は必ずここに戻ってきます」
「そう言う意味じゃ無くて・・」
「姉貴・・。言いたい事は分かるが、ガモリーを信じよう。俺達に出来るのはそれだけだ」
「・・そうね」
「イードさん、行ってきますね」
「本当はお前と一緒に行きたい!行きたいが、俺達はツヴァイク公に顔を知られているしな。俺達が行く事でツヴァイクに警戒されても困る。だから頼んだ」
「はい」
こうして私は、ツヴァイクへと出発しました・・。