ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

59 / 197
ガモリー編 第一章㉒

その後、改めてリブロフ城にて調印式を行いました。

これで、リブロフはピドナの支配下に入りました。

 

私は調印式を途中で抜けさせていただきました。

用事がありましたので、そちらを優先したのです。

外は夕日が沈みかけてはいますが、まだまだ明るいです。

 

「おっ!来たね」

「あっ!本当だ!!」

 

ホテルリブロフに向かうと、トーマスさんとタチアナさんが入口で待っていました。

 

「別に約束もしてなかったのに、何で私達がここで待ってるって分かったの?」

「いえ。分かった訳ではありませんが、別れの挨拶をしていませんでしたので。あなた方は?」

「トーマスさんが、『彼女の性格なら絶対に来るから』って言うから」

「まだ私達に別れの挨拶をしていないだろう?だからさ」

「恐れ入りました。私の考えが読まれていたのですね」

「そう言う事」

 

お二人が笑いました。

 

「あ、そうそう。これを持っていくと良いよ」

 

トーマスさんが、一枚の紙を私に渡しました。

 

「これは?」

「ウィルミントンにいるフルブライトさんへの紹介状さ。彼は普通の人と会う事は絶対に無いけど、君は普通じゃないからね。必ず会ってもらえるよ」

「でも何故これを?」

「いずれウィルミントンにも行く事になるのだろう?ウィルミントンから力を貸してもらうためには、フルブライトさんの力は必要不可欠だからね」

「そうなのですね。でしたら遠慮なく頂きます」

 

私はトーマスさんの紹介状を大切にしまいました。

 

「これからも頑張ってね。君ならきっと素晴らしい事がやり遂げられるだろう」

「はい!ありがとうございます!!」

 

トーマスさんと握手を交わしました。

 

「またいつでも遊びにきてね!ガモリーなら大歓迎だから」

「はい!」

 

タチアナさんとも握手を交わしました。

 

「それではお二人とも、お元気で!!」

 

私はお二人と別れ、ルートヴィッヒ様達と合流しました。

 

 

 

すっかり暗くなってからピドナに到着しました。

 

「ガモリーよ。良くやってくれた」

「ありがとうございます」

 

ピドナの玉座の間にて、ルートヴィッヒ様からお褒めの言葉を頂きました。

 

「正直に言って、お前をただの軍師にしておくのは非常に惜しい。どうだろう。軍師兼大佐になる気は無いか?」

「異議なし!」

 

ガリン中佐とアルス少佐以外の人が言いました。

お二人は、私の昇進の事を良く思っていなさそうです。

 

「せっかくですが、お断りいたします。今のように自由に動こうとすると、多くの部下の事を長時間放って置く事になってしまいます。そんな事は、私には出来ません」

「ふむ。そうだな」

「その心意気、どこかの大尉と中尉にも見習ってもらいたいものだ。自由に動きすぎて、多くの部下を長時間放置しているようだからな」

「申し訳ありません・・父上・・」

「申し訳ありません・・父上・・」

「ははは!今のは冗談だ。二人とも部下から話は聞いている。『素晴らしい上司』だとな。父親として鼻が高いぞ!!」

「ありがとうございます!父上!!」

「ありがとうございます!父上!!」

 

息ぴったりの姉弟で本当に羨ましいです。

 

他の方達も和やかな表情になっています。

ガリン中佐とアルス少佐を除いてですが。

ガリン中佐はいつもの事ですが、アルス少佐は、いつものニヤニヤ笑いが消えています。

何故でしょう?

私が、少佐の部下40名を傷一つ付けさせずにお返ししたからでしょうか。

 

「さてガモリーよ。次はどうする?」

 

ヴォルフ元帥親子のやり取りが終わると、ルートヴィッヒ様が尋ねました。

 

「私は今からツヴァイクへ向かおうと思います」

「ほう・・。次はツヴァイクか?」

「いえ。ツヴァイクはまだ厳しいです。今回はツヴァイクの情報収集と、『ツヴァイク武闘会』に参加するためです。あと、ポドールイとキドラントにも向かいます」

「何故明日に出発しないのだ?今から出発すると、ツヴァイクに到着するのは深夜になるが?」

「『ツヴァイク武闘会』が始まる前に、ポドールイとキドラントを訪問し、ツヴァイクの情報収集もしておきたいからです。そのためには、明日の早朝から動く必要があります」

「ツヴァイクの情報収集はともかく、ポドールイやキドラントは、行ってもあまり意味が無いような気がするが?」

「そうですね。どちらも協力を得た所で大した力にはならないでしょう。ですが、個人的にどちらも興味がありますので」

「珍しいな。お前が個人的な興味を持つとは・・。ポドールイと言えば『ヴァンパイア伯爵』の事が一番に思い浮かぶが」

「はい。私は『ヴァンパイア伯爵』に会いに行きたいのです」

「何故だ?」

「『私』の事を知っているかも知れないからです」

 

《心配するな》

 

《『お前達』はモンスターなどにはならない》

 

《ただ》

 

《『我々』の部下となり》

 

《『我々』のために働くのみだ》

 

この言葉が聞こえた時、私は自分が何者であるかを改めて知りたくなりました。

それを知るには、600年生きていると言う『レオニード伯爵』に会うのが一番良さそうです。

 

「そうだな・・。今までずっと他人のため・・いや。私のために働いてくれていたのだ。お前はそろそろ自分のために働くべきだな」

「ありがとうございます」

「よし。では行くが良い!」

「はい!」

 

出発しようとした私の所に、ヴォルフ元帥親子がやって来ました。

 

「ガモリー、気をつけてな」

「はい。ヴォルフ様」

「何だかどんどんガモリーが遠くへ行ってしまうような、そんな感じがするわね・・」

「大丈夫ですよメリアさん。私は必ずここに戻ってきます」

「そう言う意味じゃ無くて・・」

「姉貴・・。言いたい事は分かるが、ガモリーを信じよう。俺達に出来るのはそれだけだ」

「・・そうね」

「イードさん、行ってきますね」

「本当はお前と一緒に行きたい!行きたいが、俺達はツヴァイク公に顔を知られているしな。俺達が行く事でツヴァイクに警戒されても困る。だから頼んだ」

「はい」

 

こうして私は、ツヴァイクへと出発しました・・。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。