ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「今日はどうした?珍しく遅かったではないか」
食事が始まると、早速ミカエル様が尋ねてきた。
「夢を・・見ていました」
「ほう。どんな夢だ?」
「俺がシノンの村にたどり着いた時の夢です。こんな事は初めてです」
淡々と答えた。
「そうか・・」
ミカエル様は何かを考え込んでいるようだ。
「そう言えば、私が君を救ってから今日でちょうど一年になるな。もしかしたらその事も関係があるのでは?」
ラドム将軍が俺に尋ねた。
「そうかも知れません。ですが、そんな事は一度も意識した事が無かったですね」
あそこでの出来事は
思い出したくない。
けど
忘れたくもない。
「一年しか経っていないのに、君の成長は著しいな。本当に恐れ入るよ」
「ありがとうございますラドム将軍。あなたが俺を見つけてくださらなければ、俺はおそらく死んでいたでしょう」
「いや。私があの場にいたのはたまたまさ。なので、感謝すべきはミカエル様にだな」
俺がミカエル様の方を見ると目が合った。
俺は大きく頭を下げた。
「ですが俺は、助けていただいた時にも言ったように、襲われた時の事は何も憶えていなくて・・。襲ってきた奴が逃げた時も気絶していたので、何故逃げたのかも分かりませんでした。結局、助けた意味がありませんでしたよね」
「何を言う。そんな事はどうでも良い。若い命を一つ救えた。理由はそれだけで十分だ」
「そう言う事。ミカエルの言う通り、あなたは何も気にせず堂々としていれば良いの」
ミカエル様の言葉に、カタリナ様が同意した。
ミカエル様は普段は厳しい。
けど、時折見せるこの優しさが、俺にとっては居心地が良かった。
俺はそんなミカエル様を見て、何度もこう思った。
『父親って、こういう人なのかな』
って。
それからはイドゥン様の部下への質問が始まった。
彼らは緊張のしすぎで食事が喉を通らなかった感じだったが、カタリナ様とモニカ様とユリアン大臣の気さくな人柄のおかげで、どんどんとその場の雰囲気に慣れていったみたいだった。
ユリアン大臣は元々は貴族では無かったようなので分からなくも無いが、モニカ様はミカエル様の妹君だから当然貴族だ。
まあ、ユリアン大臣の人柄に惹かれたと言う事なので、大臣に似たと言うのもあるかも知れない。
そしてカタリナ様だ。
カタリナ様も王妃になる前から貴族だった。
それなのに、この優しさときたら・・。
俺もその優しさにどれだけ救われてきたか分からない。
俺はそんなカタリナ様を見て、何度もこう思った。
『母親って、こういう人なのかな』
って。
ユリアン大臣とモニカ様の間には、今年待望の娘さん(名はユリカ)が産まれたらしいが、お二人には子供がいないから、俺の事を本当の息子のように思ってくれているのかも知れない。
まあ、見た目は17~18歳ぐらいのようだが、俺は実はお二人より年上だったり?とか思ったりもする。
俺は自分の年齢すら分からないのだ。
いずれ全てが明らかになると良いが・・。