ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
拝啓 リーケル様
お元気ですか?こちらは元気です。
って言うお堅い挨拶は無しで単刀直入に言うぜ。
最近ランスからスタンレーに来る荷馬車が襲われたんだが、
その襲った連中が何と、『ファルス軍のエンブレム』を身に着けていたんだそうだ。
何故知ってるかって?
荷主を含め、護衛も全員生きていたからだよ。
目撃者は4人。
その4人共が、ファルスを陥れるような背景がある奴じゃ無かった。
つまり、事実を言っているって事だな。
俺もファルスがやったとは思っていない。
ファルスが全力で攻撃してきたら、スタンレーなんか一たまりも無いだろう。
だから、ファルスがわざわざスタンレーを弱体化させる理由が無い。
じゃあ、スタンレー国王である親父はどう思っているのか?
これが分からない。
親父はオレに何も教えてくれんからな!
今はまだ良いが、これが続くようなら、下手するとファルスに攻撃を仕掛けかねない。
7年前の奇跡再びって事だが、オレは何としてもそれを阻止したい!
オレもお前も多くの大切な人を失った。
だから、お前もオレと同じ考えだろう。
さて、ここからが本題だ。
この件について、お前は何か知らないか?
多分、ファルスの王子であるお前にも何も知らされていないだろうが・・。
何とかして、父親であるファルス王に聞いてみてくれ。
もしくは、外に出て情報を集めてくれ。
オレは外に出て情報を集める事すら出来ないからな。
以前オレがやった事をまだ根に持ってやがるんだ。
困ったもんだぜ。
返事は、何か情報が得られてからで良いぜ。
よろしく頼む。
ルネ
「こんな所か・・」
オレは手紙を、窓にちょこんと立っている鷹の右足に結んだ。
この鷹は本物の鷹じゃない。
ロボットの鷹だ。
これは7年前、スタンレーとファルスの戦いが終わった後の和平会談で、初めてアイツと会った時に『友情の証』としてアイツがオレにくれた物だ。
アイツはオレと違って手先が器用だ。
ロボ鷹は別にオレにくれるために作った訳では無かったらしい(好きな女と文通するため?)が、『このままじゃコイツの出番が無いから』とか言ってオレにくれた。
その時、『お前の事が気に入ったから』とも言っていたな。
オレもリーケルの事は、初めて会った時から馬が合った。
だから、それ以降リーケルとは何度かロボ鷹を使って文通をやってみた。
何故、伝書バトじゃ無いかって?
『鳩じゃ他の鳥に襲われたり、ハンターに撃たれるかも知れないからだ』って言ってた。
実際、ロボ鷹を使ってリーケルと文通をやった結果、他の鳥に狙われたり、ハンターに撃たれたりした事は一度も無かった(ダメージが無かっただけかも知れんが)。
これなら、いつ何時、スタンレーとファルスが危機に陥っても問題ない。
文通は、そのためのデモンストレーションと言って良い。
何度もやった結果、ロボ鷹はスタンレー~ファルス間を約1時間で行く事が分かった。
7年前の戦争が無ければリーケルとは出会えなかった。
このロボ鷹とも出会えなかった。
そう言う意味では、あの時の戦争に感謝しているが・・。
オレももうガキじゃない。
戦争の恐ろしさ、苦しさ、悲しさを良く分かっている。
もう二度とあんな事はゴメンだ。
「行ってこい!気をつけてな」
ロボ鷹はファルス目掛けて飛んで行った。