ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「うおおおお!!!!さ・・寒い!!」
外に出た瞬間、雪景色が広がっていた。
リーケルとルネは寒さで震えた。
トルネードだけは寒さに慣れきっているようで、何も変化は無い。
「聖王廟の目の前に出るのか。にしても、本当にあと少しだったんだな」
「な・・何がだ?」
トルネードの呟きに、ルネが尋ねた。
「お前達寒いだろ?とりあえず、聖王廟の中に入ろうぜ」
「お・・おおう。このままじゃ寒さで凍え死んでしまう・・」
三人は聖王廟の中に入った。
「ふう・・。中は暖かいな・・」
リーケルとルネは落ち着いた。
「ホブゴブリンが言ってただろ?『聖王廟の中では無かった』ってな。つまり、奴らの目的地はランスの町では無くて、聖王廟だった訳だ」
「けど、何で聖王廟を目指してたんだろうな?」
「町に地下から入ろうとしても結界の力で消えた。だが、聖王廟なら何とかなる事を知っていたんだとしたら、聖王廟の秘密を知るために入ろうとしたのかも知れない。それが分かれば、今後結界を無視して町に入れるようになるからな」
「実際どうなんだ?聖王廟ならモンスターでも結界に関係なく入れるのか?」
「そうだな・・。聖王廟には何故か今も、モンスターが一体だけ生き続けている。まあ、モンスターと言って良い存在かどうかは良く分からんが」
「はあ・・。それで?」
「元々聖王廟は、アビスゲートが再び開く日に備えて、それを閉じる力を持った者を選ぶために聖王が残した試練の館なんだ。そう言う訳なんでゲートが閉じられた今、聖王廟の中にいた存在は、その役割を終えて全て消え去った・・はずだった」
「それがさっき言っていた、『モンスターと言って良いかどうか分からない存在』ですか?」
「ああ。『オレ達』は、その存在の事を『先生』と呼んでいた。実際、かなり世話になったからな」
「へえ~・・。先生ですか・・」
「『先生』の姿はモンスターだが、何と言うか精霊とかに近い存在に思えるんだ。だから、『先生』がモンスターであるのなら、さっきルネが質問した事の答えはイエスって事になる」
「なるほどな」
「とりあえず、先生に会えるように手配しなくちゃな。ここで待っててくれ」
「どこに行くのですか?」
「聖王家の当主の所だ。ソイツに許可を得ないと、先生がいる所に行けないからな」
「では、私達も一緒に・・」
「おいおい・・。わざわざ許可を得るためだけに、そんなにゾロゾロと行ったら迷惑だろ。オレ一人で十分だ」
そう言って、トルネードはさっさと行ってしまった。
残された二人はしばらく無言だったが、やがてリーケルが話し出した。
「どう思う?」
「何がだ?」
「トルネードさんの正体だよ。気にならないか?」
「まあな。傭兵の件もそうだし、ホブゴブリンの時もそうだったが、明らかに一般人とはレベルが違いすぎるからな」
「それに、さっきの焦りようも気になる。まるで、聖王家の当主の所に俺達を行かせたくないような感じだったが・・」
「お前には焦ってるように見えたか。オレは何も感じなかったがな。けど、お前の直観は良く当たるからな。とは言え、それについて何か考えても仕方が無いか」
「そうだな。確実に言えるのは一つだけ。俺達の敵じゃ無いって事だけだ」
「ふっ・・。それさえ分かってりゃ問題ないさ」
「ははっ!それもそうか」
二人は愉快そうに笑った。