ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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リーケル&ルネ編 第一章⑳

「言い忘れていたが、オレの本当の名は『ハリード』だ」

「ハリード!?」

「ハリード!?」

 

二人は同時に叫んだ。

 

「じゃあな二人とも!この世界は任せたぜ!!」

 

ハリードは素早く部屋から去って行った。

何も訊かないでくれ・・と、背中で語っているようだった。

 

二人はハリードがいなくなった扉をしばらくの間呆然と見ていたが、やがてルネが言葉を発した。

 

「ハリード・・。七英雄の一人・・。ハリード」

「カムシーンのハリード・・。そうか・・。あの腰に差していたもう一本の刀がカムシーン・・。光輝いていた刀が、カムシーン・・」

 

リーケルは刀の事について触れようとした時の事を思い出していた。

ハリードは『斬れない』とか『お守り』とか言っていたが、とてもそうは見えなかった。

刀全体がまばゆい光を放っていたからだ。

何故ハリードはカムシーンを使わなかったのか?

結局、その理由は分からなかった。

 

 

 

次の日・・。

 

「なあルネ・・。昨日眠れたか?」

「眠れる訳ね~だろ・・。興奮してさぁ・・。オレ達、七英雄の一人と旅をしたんだぜ?おまけにアドバイスまでもらったんだからな」

「それだけじゃない。俺達は七英雄の一人に力を認めてもらったんだ。まるで夢でも見てるみたいだったよ」

「そうだな。もしかしたら、全部夢だったのかもな」

「・・試してみるか?」

「・・良いだろう」

 

二人はお互いのほっぺたを掴んだ。

 

「よっしゃ!じゃあ行くぞ!」

「おう!!」

「いででででで!!」

「あだだだだだ!!」

 

そして、同時にほっぺたを引っ張った。

間違いなく痛いと確認してお互い手を離した。

 

「夢じゃないな」

「ああ」

「そもそも、強くなった感じが残ってるからな」

「閃いた技も憶えてるしな」

「と言う事は、先生も現実の存在だったか」

「まあそうだな」

「なあルネ、俺思うんだけどさ」

「何だ?」

「聖王廟って聖王が造ったんだよな?」

「まあ、試練は聖王が残した物だってハリードさんが言ってたからな。聖王廟も聖王が造ったと考えて良いんじゃないか?」

「聖王が造った建物の中で唯一残ってる存在・・て言うと、やっぱり聖王なんじゃ無いかって俺は思うんだよな」

「そうだな。その意見にはオレも賛成だ。・・えっ?じゃあまさか・・」

「もちろん、先生が聖王そのものとは言わない。だけど、聖王の魂とか、そうした物が先生に宿っているのだとしたら?それだったら、他の存在は全て消えたのに、先生だけ残っている事の辻褄も合うと思うんだ」

「じゃあ聖王は、この世界に危機が迫っている事を知っているから成仏(?)しないで残ってくれている訳だな?」

「そうだ。そして、世界を救う存在として俺達を選んで修行をしてくれた」

「ちょっと待てよ!オレ達が先生に修行してもらえたのは、トルネ・・ハリードさんのおかげだろ?ハリードさんがオレ達を先生の元に連れて行ってくれたから・・」

「けど、先生が俺達を認めてくれなかったかも知れないだろ?認めてくれたからこそ修行してくれたんだ」

「それはそうだが・・」

「全ては偶然・・と言いたいのか?」

「そこまでは言わないが・・」

「なあルネ。俺はこの世に『偶然』なんて物は存在していないと考えているんだ」

「じゃあ何か?オレ達がハリードさんと出会ったのも、先生と修行できたのも、全て俺達の運命だったと言いたいのか?」

「ああ」

「そして、オレ達が世界を救う存在だって事も運命って事か・・?」

「そうだ」

「『運命』はお前が最も嫌っている言葉じゃ無いのか?だって、今までの事が全て運命だって言うなら、お前が女に振られまくったのも運命って事になるぜ?」

「がーーーーーーん!!!!そうだった・・」

「さっきの言葉を訂正するか?」

「いや!しない!!今まで俺を振ってきたのは、俺の運命の相手じゃ無かったからだ!それだけだ!うん」

「な・・何てポジティブシンキングなんだ・・。そこはマジで尊敬するぜ・・」

「へ・・へへへ・・」

「な・・何だよ急に・・。気持ち悪りいな・・。ついに壊れたのか?」

「いやさ・・。この世界には何億もの人がいるんだぞ?なのに、その中で、『俺達二人』が七英雄の一人や聖王らしき人(?)に選ばれたんだ。すごい事だと思わないか?」

「そりゃあな。すごすぎるさ。自分で自分が信じられないくらいさ。今でも夢だったんじゃ無いかって疑ってるぐらいだ。けど現実なんだ」

「夢だった方が良かったか?」

「まさか!だが、『夢だった方が良かった』と思う日が、いつか来るかも知れねえな」

「そうだな。周囲の期待に押しつぶされるかも知れないからな。けど・・」

「ん?」

「そうならないように、これから頑張って行こうぜ!」

「ああ!そうだな」

 

二人は握手をした。

 

「それじゃあそろそろ行くとするか」

「よっしゃ!ツヴァイクへ向けて、まずはユーステルムへGOだ!!」

 

こうして二人は、ツヴァイクへと出発した・・。

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