ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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ネビユ編 第一章①

「姫、本当によろしいのですか?」

「もちろん!」

 

じいやの質問にアタシは勢いよく言った。

 

「しかしですな・・。『秘女の儀』は、本来は満18歳になった時に受ける儀式。姫は今日、17歳になったばかりではありませんか。正直に言って、儀式に体が耐えられるかどうか、私にも分かりません。それでもよろしいのですか?」

 

じいやが言った『秘女(ひめ)』とは、所謂シャーマンみたいな物で、アタシ達が信仰している神を憑依させて未来を予言したりする種族の事で、『秘女(ひめ)の儀』とは、先代までが受け継いできた『秘女』の記憶と能力を、全て継承する儀式の事を言うんだ。

当然、それは簡単な事じゃないし、苦痛もかなり伴う。

だからじいやはアタシに無理をするなと言っているんだ。

 

「でも今やらないと、アタシが18歳になるまでは何が起こるか分かんないじゃない?それじゃあ皆を守る事も出来ないよ」

「それはそうですが、本来なら同期の何人かと受ける儀式なのです。一人で行う儀式では無いのですぞ?そして、その中の一人が選ばれ、『秘女』の能力を受け継ぐ訳です」

「そんなの分かってるよ。けどしょうが無いじゃない。皆・・皆死んじゃったんだから・・。お母さんだって・・」

 

そもそも何故、18歳の女性が受ける儀式を、今日17歳になったばかりのアタシが受けようとしているのかと言うと、それは現在の秘女・・つまり、アタシの母が突然亡くなったからだ。

母だけじゃない。父も、友人も皆・・。

大切な人は皆、『殺された』・・。

 

アタシが今いる所は、世界最大のリゾート地であるグレートアーチだ。

昨年から住み始めてる。

アタシは元はピドナの西にある、ガーター半島にあるニシコと言う小さな町の端でひっそりと暮らしていた。

 

何故、ひっそりと暮らしていかなくてはいけなかったのか?

 

以前、ピドナに住んでいた天文学者が死食を予想するも、風説の流布で火あぶりにされた。

アタシの母も、同じ事を言おうとした寸前の出来事だった。

未来の出来事を教える事で多くの人々を救うはずだったのに、逆に殺されてしまうのなら、最初から未来の予言などしない方が良い。

そう判断して、それ以降は占いをして稼いで行く事にした。

 

『秘女』は、相手の想いが強ければ強いほど、その人の心を読み取る事が出来る。

アタシは元々、『秘女』の能力が高いと言われていた。

だから、それは今のアタシでもある程度は出来る事だ。

 

そんな事が出来るから、母や他の人達の占いは良く当たるとの口コミが広がり、多くの人がわざわざやって来たりもした。

だけど、相手の心を読みすぎると、気持ち悪がられる事も多々あった。

そのため、『秘女』は別名、『悲女(ひめ)』とも呼ばれるんだ。

アタシもそのせいで、好きな人に振られた事もあったなぁ・・。

 

ニシコにはたくさんの思い出がつまってる。

楽しかった事も、辛かった事も・・。

それでも、このままここでずっと過ごしていきたいなと、そう思っていたのに・・。

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