ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「げっ!!!!」
それはアタシでもその存在を知っている『鬼火』だった。
「何だ鬼火じゃない。これなら楽勝でしょ」
と言うエレンさんの声が後ろから聞こえてきた。
冗談じゃない!
普通の人間なら楽勝だろうけど・・。
アタシは・・アタシは・・。
どうしよう・・。
皆に心配かけたくない。
だけど、相手は『火』なんだ・・。
アタシの大嫌いな『火』なんだ!
とにかく、何とか戦うフリをして時間をかせごう・・。
「ウォークライ!!」
アタシは先ほどエレンさんに教わったばかりの技を使い、自分の能力を高めた。
これなら攻撃しなくても怪しまれないだろう。
エレンさん、サラさん、セイマさんがアタシを応援してくれているのが聞こえた。
その期待に答えたい!
答えたいのに・・。
敵を倒さなければ当然敵も攻撃してくる。
鬼火が『ファイアーボール』を放って来た!
鬼火の癖に生意気だぞ!!
「きゃあ!!」
アタシは間一髪かわした。
その後もファイアーボールを間一髪でかわしまくった。
けど、全然攻撃しないアタシに、三人は違和感を覚えたみたいだった。
「ネビユ・・。まさかあなた、『火』が苦手なの?」
バレた!!
でも仕方ないよね・・。
流石は『七英雄』の一人と言った所か。
流石にじいやもそこまでは教えてなかったか。
それで良かったんだけど。
参ったな。
はははははは!!!!
バレてしまっては仕方が無い!!
って、悪役みたいに開き直りたいよぅ・・。
「ゴメンナサイ!!実はそうなんです!!」
アタシは気づいたら大声で叫んでた。
「相手は『火』そのものなんです!!とても攻撃できません!!!!」
「そんな事言われても、攻撃しなきゃ倒せないじゃない」
流石のエレンさんも参ってしまったみたいだ。
「逃げるな!!」
珍しくセイマさんが叫んだ。
「逃げたら、昔の僕みたいになるぞ!絶対に逃げるな!!」
「昔のセイマさんみたいに・・?」
「ソイツを倒したら、僕の過去の事をいくらでも話してやる!だから逃げるな!!!」
何だか良く分からないが、セイマさんはアタシを叱咤激励してくれているんだ。
なのに、アタシが逃げる訳にはいかないよね・・。
「トマホーク!!」
とは言え、火に直接触れるのはやっぱり勇気がいる。
ここは間接技で倒せたら・・。
トマホークは鬼火に当たったが、流石に一発では倒せなかった。
そもそも武器も手斧だから大したダメージは与えられない。
って言うか、やばい!!
斧が鬼火のそばに落ちたままじゃない!!
多分、あと少しで倒せるとは思うんだけど・・。
ここは
奥の手を使うしか・・。
「ウインドダート!!」
アタシは、風を集めて作り出したダートを鬼火に向けて放った。
術は得意では無いので、ダートはまだ一本だけだ。
(これで終わって!!)
アタシは心の中で祈った。
ウインドダートが当たった鬼火は、地面にポタッと落ちて消えて行った。
「は・・はああああああ・・」
アタシも力が抜けてその場でしゃがみこんでしまった。