ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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ネビユ編 第一章⑱

「それはあなたが使って。そうしないと戦えないでしょう?もうあたしが教えられる技は全部教えたし」

「えっ?でもそれじゃあエレンさんだって戦えないんじゃ・・」

「今まで恥ずかしかったから言わなかったけど、実はね、あたしが一番得意な武器は『これ』なんだよ」

 

そう言って、右手のこぶしを前に押し出した。

 

「体術・・ですか?」

「その通り」

「えええええ!!!???」

 

なんて驚いてるけど、実はさっきの洞窟で、エレンさんの心の中で『体術』を強くイメージしていたから、心が読めたので知っていたのだ。

この能力って、ある意味反則だよね・・。

まあ、だからこそ色々な人に気持ち悪がられた訳だけど。

 

「やっぱり驚く?」

「ええ!だって、エレンさんみたいな美人が体術を好むのって予想外で・・」

 

これは本音だ。

 

「あはは!お世辞が得意だね」

「お世辞なんかじゃありませんよ。でも、別に恥ずかしがる必要なんて無いと思います」

「どうして?」

「エレンさんが体術が得意なのには、色々理由があった訳ですよね?自分を強くしないと出来ない事もたくさんあるので」

 

それは、サラさんを守る事だ。

 

「そう!そう!そうなのよ!!」

 

エレンさんは嬉しそうに答えた。

 

「やっぱりネビユは話が分かるね。本当に助かるよ」

「そうですか?むしろ今まではずっと気持ち悪がられてましたけど」

「気持ち悪がられる?それはそいつらの見る目が無いんだよ。あたしは実際、あなたの能力に助けられたし」

「僕もさ」

 

セイマさんもエレンさんと同じ気持ちだったみたい。

 

「あれ?セイマだけじゃなくてお姉ちゃんも?じゃあ、私もネビユと話してみたいなぁ。良い?お姉ちゃん」

 

どうやらサラさんは、セイマさんからアタシの事を聞いていたようだ。

 

「良いわよ。さっきも言ったけど、ネビユにはあたしの技を全て伝授したから。使ってないのは後一つだけね。まあ、技のレベルがちょっと違うから簡単には使えないだろうけど」

「やったぁ!」

「って、ネビユ本人からまだ許可得て無いじゃない」

「あっ!そうだった」

「もちろんOKですよ、サラさん」

「ありがとう、ネビユ」

「よし。それじゃあ次の洞窟に向かおうか」

 

セイマさんに言われて、アタシ達は洞窟を出る事にした。

 

 

 

「それで、お話と言うのは・・?」

 

サラさんに尋ねた。

今度は、エレンさんとセイマさんが少し前を歩いている。

エレンさんとサラさん、サラさんとセイマさんのペアは分かるけど、この二人はどんな話をするのか想像がつかない。

まあ、サラさんとセイマさんが結婚すれば、エレンさんはセイマさんの義姉になる訳だから、いくらでも話す事はあるか。

 

「セイマを救ってくれてありがとう」

 

サラさんがそう言ってぺこりと頭を下げた。

 

「いえ・・そんな!別にアタシは思った通りの事を言っただけで・・」

「それが重要なのよ。特にセイマにはね」

「はあ・・」

「今まで、セイマの事を理解できる人は私しかいなかった。いいえ。私だって、完全にセイマの事を理解できた訳じゃ無かった。けど、あなたは違った。あなたはセイマに必要なアドバイスをしてくれた。彼、すごく感謝してたよ?あんなに嬉しそうなセイマを見たのは初めてだった」

「そうでしたか。それなら良かったです」

「ふふ・・。謙遜するんだね。あんまり見ないタイプかな。普通はその能力を見せびらかしそうな物だけれど」

「そんな事しません。あまり良い思い出も無いですから」

「そっか。じゃあ、むしろそれが良かったのかもね。まあ、特殊な能力を持ってて良い思い出が無いって言うのは、私も同じだけど」

「セイマさんは生まれてすぐにモンスターに連れ去られたりしたそうですが、サラさんはどうだったのですか?」

「私はモンスターに連れ去られた記憶は無いなぁ。お母さんに拾われて育てられた訳だけど、それまでの記憶も一切無いから、どんな人が本当の両親なのかとか全然分からないし、お母さんも私の過去の事は一度も言わなかった。それに、お姉ちゃんも他の皆も普通に私と接してくれてたから、私が特別な存在だなんてこれっぽっちも思わなかった」

「自分が『宿命の子』って分かって、どう思いましたか?」

 

サラさんの表情が曇った。

まあ、宿命の子で良かったなんて思う人は一人もいないだろうな。

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