ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「ところで『イルカ像』って、バンガードを動かすための装置ですよね?何でこんな所にあったのですか?」
アタシは暗い気持ちを何とかしようと思い、尋ねてみた。
「あ~・・それはねえ・・。色々な事が立て続けに起きてね・・。まず、バンガードのパブのマスターがイルカ像を盗んだ。それからドフォーレ商会に売った。ドフォーレ商会が『海賊ブラック』に奪われた。で、最後に海賊ブラックがここに隠した・・と言う訳」
「海賊ブラック?」
「そ。海賊ブラック。名前通り海賊だよ。今も船でどこかに行ってるんじゃないかな?」
「海賊と知り合いなのですか・・」
「海賊なんて名乗ってるけど、悪い奴じゃ無いよ?どんな奴か聞きたい?」
「聞きたいです!」
「よし!あっ、この分岐も右ね」
「はい!」
エレンさんと話をする事で、アタシは落ち着きを取り戻した。
ブラックさんの事を話すエレンさんは、とても楽しそうに見えた。
おかげで、アタシも楽しかった。
分岐を右に進んでしばらく先に行くと、下への階段があった。
これを下りると、また分岐があった。
「ここもまた右ね」
「あっ!待ってください!!」
「どうしたの?」
「左側に式神の力を感じます」
「えっ?本当?」
「はい」
「左の部屋は罠の宝箱があるだけで・・。ああ!その宝箱に・・」
「おそらくそうです」
「じゃあもうすぐだね」
アタシ達は左の部屋に入り、さらに奥へと進んだ。
でも、何で今回だけ式神の力を感じたんだろう・・?
「セイマさん」
「何だい?」
「最後のモンスターは何だと思いますか?」
「何故僕に訊くの?」
「セイマさんはかなりモンスターに詳しいみたいですので。何故そんなに詳しいのですか?」
「それは当然だよ。僕はモンスターに育てられた事もあったからね。この世界のモンスターについては、全て知り尽くしているよ」
「そうだったのですか・・」
「うん。で、最後のモンスターだけど、今までのモンスターは全て『火』の術技を使うだけじゃなく、見た目も『火』を連想させる奴ばかりだった。それと、『トーチャー』よりも強い奴だと考えると、『フェーン』(精霊LV8)、『ケルベロス』(獣LV9)、『仁王』(亡霊LV10)、『レッドドラゴン』のどれかって所かな」
「レッドドラゴン・・。ドラゴンと一対一で戦うのとかありますかね・・?」
「普通は無いけど、『ツヴァイク武闘会』でも用意された事があるからね」
「ああ・・。『ドラゴンズ』か・・。あれは強敵だったよね」
サラさんがため息を吐いた。
「まあ、レッドドラゴンじゃ無いにしても、どれも強い奴ばかりだよ。正直、僕は一人じゃ倒せないな」
「そうですか・・」
「そんな暗くならないで!私達も応援するから」
「そうそう!あたしもね。手を出せない代わりに、声を出すから」
「僕も頑張るよ」
「皆さん・・。ありがとうございます」
嬉しくて泣きそうになった。
そして、行き止まりの部屋にたどり着いた。
「あれは・・?」
一番奥に、向こう側を見ている人がいる。
どうやら長い髪の女性のようだが、何となく人の形の気体にも見える。
まさか、アタシが感じたのはこの人の力・・?
「あの人も、『秘女の儀』の関係者?」
「いえ・・。そのはずはありませんが・・」
「それで、どうするのネビユ?」
エレンさんがアタシに尋ねた。
「とりあえず、いつも通り皆さんはここで待機していてください」
「分かったわ」
今回の場所も上り階段があり、その上にステージみたいな場所がある。
で、そこに宝箱があるんだけど、今回はその宝箱の前に人がいる状態だ。
アタシは階段を上り、恐る恐る女性に近づいた。
さっきまでのやり取りも聞こえてるはずだけど、その女性は一回もこちらを振り返らなかった。
「あの・・。あなたは・・?」
アタシが尋ねると、その人がようやく振り返った。
その姿は・・。