「
「
日が落ちてバーべーキューが始まっても、
焼けた肉が次々と
「じ、自分で食べるから大大丈夫だよ。二人とも、気を遣わなくていいからね」
「私、肉焼くの好きなだけだから」
「
離れるつもりがなさそうな
反対に、
「いやぁ、ここって切ったりしなくていいんで楽っすね」
「アヒージョとかもあるな。これもアルミホイルごと煮るだけっぽいし後で試してみるか」
その時、
「
「あ、ああ。最初はキャンプの予定だったんだけどな。これなら飯もミスったりしないし、こっちにして正解だったな」
「これ食ったらさ、中でトランプとかしようと思ってるんだけど……
「うん。ただ、お風呂入ってからでもいい? ちょっと汗かいちゃったから」
「も、もちろん。それまで、私たちは適当に遊んでるからさ」
周りには、食材が既に切られた状態で用意されている。
「これ、焼いてもいい?」
「あ、ああ。食いたいなら私がやっとくけど」
「こういうの、初めてなんだ。自分でやってみたくて」
「……
「うん、まったく。だから誘ってもらった時、嬉しかったんだ」
「……そうか」
パチパチと野菜の焼ける音がする。
沈黙が落ちそうになった時、ちょうど飲み物を持ってきた
「ねぇ、
「えっと、
「ふーん。遺伝子提供は~?」
突然の踏み込んだ質問に、
「もしかしてぇ、もう誰かと予定あるのぉ?」
「……おい」
咄嗟に低い声が出た。
そのことに、
「そういうの、今はやめろ」
「な、なによぉ」
「……
「あ、ほんとだ」
不慣れな手つきで串焼きをひっくり返す
やがて、両面を焼けた野菜の串焼きを
最初に受け取った
「私に最初にくれたっす。
「んなわねえだろ、馬鹿」
◇◆◇
「
バーベキューが終わり女子だけのドームテントに戻ると、
「飯の時くらい、もっと普通に接してやれってだけだよ」
「なにそれぇ?」
真ん中にあるテーブルの前にドカッと座り、トランプを出してシャッフルする。
「で、何する?」
「人数的に大富豪とかっすかね?」
「ああ、大貧民な。まあ、それでいいか。
「えー、大富豪でしょ? 大貧民ってなにぃ?」
「うっせえな。大貧民のほうがどう考えても一般的だろ。
声をかけると、ベッドに休憩していた面々もテーブルに集まってきた。
どうでも良い会話をしながら、トランプを配る。
「大富豪でしょ。大貧民って呼び方、きしょすぎ」
「いえ、
全てのトランプを配り終えた後、
「そういえばさ、
「はい。そうですよ」
「Bクラスの男子ってどんな奴だったんだ?」
「はい、8切りです。まあ、外面の良さそうな人ですね」
「ちょっと待って。8切りってなに? 意味不明なローカルルールやめてくれる?」
不意に
「別に8切りはスタンダードなルールだろ」
「いや、私もよく知らないっす。何すか、それ」
「はあ? お前ら大貧民やったことねえの?」
「いや、大富豪ね」
そこにまた
「マジで大貧民って呼び方はおかしくない? 大富豪を目指すゲームなんだからさぁ。あ、8切りはもちろん有りと思うけどぉ?」
「……めんどくせえな」
「
「
「ああ、もうそれでいいよ。で、ここからどうする?」
仲間の顔を見渡すと、
「トランプで勝ったら、好きな相手に何か命令できるとかどう?」
「……安直だな」
思わず呆れる。
しかし、周囲の
「シンプルだけど、良いんじゃないっすか? 王道が一番っすよ」
「常識の範囲内なら、
どうやら、反対意見はなさそうだった。
「……まあ、それでいいか。あんまり露骨なことはすんなよ」
好きな命令か、と
その時、ドームテントの扉を叩く音が聞こえた。
「開いてるぞ」
中から声を張り上げると、
お風呂上りのせいか
普段見ることがない姿に思わず動揺を隠せず、視線を逸らしながらぶっきらぼうに手招きした。
「おう、来たか。トランプしようぜ」
「何のゲームするの?」
隣に
ふわりとシャンプーの香りがして、頭がくらくらした。
誤魔化すように喋り続ける。
「大貧民やろうと思ってるんだけど、こいつらが大富豪だって言いがかりつけてくるんだよ」
「普通は大富豪っすよね?」
「ド貧民のこと?」
「……」
「……」
「……」
「……」
「