ジョン「とぼけんじゃねェぜボウヤ...テメェの事は知ってンだよ...エェ?
猛獣ジャックさんよォ...!」
ジョンとジャックの距離が近い。
ジャック「知ってたんですね...まさかチャンピオンに知ってもらっているとは。いやはや
光栄です。」
ジャックは少し距離を取る。
ジョン「知ってるも何も、アンタ相当な有名人だぜ?大会には絶対に参加しないが毎日のフリーファイトには定期的に参加し、初心者もチャンピオンも関係なく倒す。その見境なさから猛獣と呼ばれている...」
ジョンは酒を注文した。
ジョン「最近は顔を出さなかったらしいが、どうやら他の場所でも暴れてたらしいじゃねェか...」
ジャック「いや、学校が忙しかっただけですよ。それにあんまり問題は起こしていないはずです。」
ジョン「そうかい...一杯飲むかい?」
ジョンは椅子を引いた。
ジャック「遠慮します。この後自分の番が来るので。」
ジョンはテーブルの酒を飲み干した。
ジョン「アンタの対戦相手は?」
ジャック「確かカイリーという人です。キリヤ武術という武術を使うそうです。」
キリヤ武術...二百年前に栄華を極めたクアーク伯爵家を滅亡させた伝説の妖怪殺し屋キリヤが使っていた戦術をセリンという妖術を極めた人間が武術として継承したものだ。
妖術で体力を上げることが主であるため、健康武術としての注目も集めている。
ジョン「カイリーか...彼はただの武術家じゃないぜ?あいつは本物の継承者だ。」
しばらくして、ジャックとカイリーの戦いのゴングが鳴った。
ジョン「さぁ...猛獣ジャックの力...見せてもらうぜ...」
カイリーがはじめに仕掛けた。カイリーは妖力をまとい、ジャックに殴りかかった。
トシュッ!攻撃はジャックに当たった。トシュッ!トシュッ!カイリーはどんどんジャックに攻撃していく。もはやジャックは見えない。ジョンは違和感を感じていた。
ジョン「なぜだ...カイリーのやつはジャックに本気で攻撃していねぇ。それどころか、これだけ殴ってンのにジャックのやつはよろけすらしねぇ...どうなってんだ?」
カイリーの猛攻は更に勢いを増している。攻撃は確かに当たっているのだ。しかし、なぜ...?
ピタッ!カイリーは攻撃をやめた。そして距離を取った。
カイリー「貴様...私をおちょくっているのか?先程から威力のない攻撃を繰り返すばかりではないか。」
ジャック「い、いや...おちょくってなんかないですよ!ぼ、ボク一生懸命に攻撃してますよ!」
ジョンは二人の会話を聞いて初めてジャックが動いていたことを知った。しかしなおさら変だ。なぜ猛獣と呼ばれる男の攻撃がこうも弱いのか。普通大層な名前がついているものは強いものだ。ジョンは考えれば考えるほどわからなくなっていた。
カイリー「何が一生懸命に攻撃しているだァ?ふざけるな!」
カイリーはまたジャックに殴りかかった。攻撃が当たりそうになったその時...
ジョン「なッ...!やろう、止めてやがッたんだ!」
ジョンはジャックがカイリーの右肩にパンチをうっている姿を見た。そのせいだ。攻撃部分の付け根がパンチによって抑えられ、思うように威力が出なかったのだ。ジョンはこれを止めたと解釈した。
ジョン「なるほどな...こいつぁやるな...」
カイリー「ちっ、もういい。きれてしまったよ...」
カイリーはジャックから離れ、妖力をため始めた。
カイリー「お前はこの俺をムカつかせたんだ。もう泣いたって許さないぜ!」
カイリーは飛び上がった。そして壁を何回も蹴って動き続ける。まるで星ような形で飛んでいた。
カイリー「どうだ!これがスターソニックだ!」
ジョン「でたな。伯爵家の護衛を全滅させた技、スターソニック...!」
カイリーがこの技を使っていたのをジョンは見たことがあった。その時の対戦相手は自分の投技すべてを受け身で無効化し、絞め技を使わなければ倒せなかったやつだった。そいつは技を食らったとき、受け身をうまく取れず頭を打って負けてしまったのだ。
ジョン「さあどうするよ?猛獣!」
ジョンは酒を飲みながら野次を飛ばした。だいぶ酒が回ってきた。
カイリーはジャックに後ろから飛びかかった。ジャックは反応できていない。
カイリー「今度はお前のしょぼい攻撃なんかじゃ止められないぞ!」
カイリーの攻撃はジャックに当たり、ジャックはふっとばされた。
フェンスの激突音はいつもより静かだった。ジャックの体重が軽いからだろうか。
カイリー「驚いて言葉も出ないか!しかしまだまだ行くぞ!」
カイリーは何度も何度も飛び回り、ジャックを襲った。ジャックは何も喋れずにふっとばされている。ジョンは内心がっかりしていた。
ジョン「猛獣なら野性的な身体能力で避けたり受けたりできると思ったのだがな...残念だ。」
ジョンの酔いは醒めていた。もう帰ろうと思ったが...やめた。なぜならジャックが立ち上がりそうだったからだ。
ジョン「あれだけの攻撃を食らっておいて、なぜ立てるのだ...?」
ジョンのつぶやきを聞いていたカイリーも同じ気持ちだった。
カイリー「ジャック貴様!まさか服に細工をしているんじゃないだろうな?」
ジャック「...そんなわけ無いだろう?」
カイリー「じゃあどういうことだ!おかしいんだよ、この攻撃を受けられることが!」
ジャック「残念ながらおかしくはない。わからないのか?なぜ俺がずっとフェンスから移動せずにお前の攻撃を喰らい続けていたのかを!」
カイリーは無言になった。
ジャック「...分からないようだから教えてやるよ。まずは背中を向けていたこと。背中は腹よりも衝撃と痛みに強いからだ。次に腕。俺はあまり腕に力を入れていない。そのおかげで腕がクッション代わりになる。最後にフェンス。こいつは金属製だ。柔軟性がある。こいつがバネの役割をして衝撃をさらに緩和できる。そういうわけだ。」
ジャックはフェンスをギシギシ鳴らしながら解説した。
ジョンは感心していた。猛獣と呼ばれるものがこんなにも頭の冴えるものだなんて、と。
カイリー「そうか。しかし妖力は体を成長させることができる。爪を丈夫に成長させれば攻撃も通るはずだ。そうだろう?」
カイリーは妖力をまとわせ始めた。
ジャック「ああ...そうだな。」
瞬間ジャックは動き出し、カイリーの首を一突きした。カイリーは倒れてしまった。
ジャック「まさか成長しきるまで待ってもらうつもりだったのかい?だとしたら甘すぎるよ...」
ゴーンゴーン
「勝負あり、勝負あり!」
ジョンはジャックにグレープジュースをご馳走した。
ジョン「急所を突けば一瞬で倒せただろう?なぜあんな回りくどいことをした?」
ジャック「正直な話、久しぶりで先手を取れる自信がなかったんです。けど受けるのはやり方を覚えてればできるので、それで相手が隙を晒すまで待とうかと。」
ジョン「そうか。しかし、それでは猛獣ジャックではなく知恵者ジャックになってしまうのではないか?」
ジャック「テストの点数はいつも平均ギリギリですけどネ...♡」
ジャック、ジョン「「ハハハハハハ!!!!」」
二人の笑い声が酒場中に響き渡った。迷惑料で二人のファイトマネーの4分の1がとんだ。
魔術:属性ごとに様々な効果を及ぼす。人間には使えず、特定の種族のみが扱える。
無属性は威力操作と物理攻撃、火属性は体力操作と炎攻撃、水属性は治癒力操作と
水の発生、電気属性は混乱と情報と電気の発生、生物属性は成長、生殖操作。
また、属性の複合も可能。ウンエントリヒ・クヴァールは電気と無と火の複合。
妖術:人間を含む多くの種が使うことができるが、一番の妖力を持っているのは妖怪。
威力操作、成長操作、身体能力操作が主にできること
霊力:幽霊、半霊、霊妖怪等のみ使用可能。
できることは混乱と炎攻撃のみであるが、ためを必要としないため使い勝手が良い。
奇跡:神に認められたもののみ使うことができる力。何ができるかは未知数。
神力:神かその子孫のみ使うことができる。使いこなせなければ誰かに奇跡を使わせる
ための力でしかない。しかし使いこなせると奇跡よりも強い力を持つという。
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ジャック:身長160cm体重58kg15歳
【挿絵表示】
カイリー:身長173cm体重69kg26歳
【挿絵表示】