闘技場酒場   作:にくしょくせーぶつ

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新たな化身

従者「ここです。」

ケイは中庭の広場に案内された。

ケイ「ここで何をするってんだい?」

従者「あなたにしてもらうのは暇つぶしですよ。」

ケイ「俺は見てるだけでも退屈しないな。」

ビシュッ!!ケイの頬が切れた。従者の手にはナイフが握られている。

ケイ(!?見えなかった...?)

従者「暇をつぶすのは私ですよ。あなたならいい相手になると思いましてね。」

ビシュッ!!足元にナイフが現れた。

従者「私は山奥にある小さい集落の生まれでした。そこは変わった神を信仰していました。ある日凶作になって餓死者が数人出ました。そんなとき、私は生贄にされたのです。」

ケイは彼女がどういう力を持つのかを察し、化身を出現させた。

従者「あら...あなたも私と同じ力を持つのですね。」

従者は化身を出現させた。ケイのとは違い、下半身があるがところどころモヤモヤとしている部分がある。

ケイ(どうやらこやつの化身は不完全のようだ。華奢で力もあるとは思えんな。まあいい。適当に遊んでやるか。)

ケイは化身を突っ込ませ従者を掴ませる。そして空中に飛んだ。

ケイの化身は従者の腹に重いパンチを食らわせた。従者は地面に激しく打ち付けられた。

ケイ「まだだ...!」

ケイは倒れた従者の右太ももに手刀を食らわせる。今までこの手刀で何人もの命を奪ってきた。ズアッ!!手刀が太ももにヒットした!が貫けなかった。ケイの指先には半透明の板!?

ケイ「なにィっ!」

従者「いい反応ですよ。あなた、私の化身を見て不完全だと思いましたね?」

ケイ「?」

従者「しかし実際はその逆なんです。化身は自分の心にあるイメージを神力と奇跡によって実体化したもの。通常の状態の他にも、多様な姿になれるのです。まあ通常のほうが燃費が圧倒的に良いのですが。」

ケイは驚いた。五歳の頃から十年間使ってきた化身の力を自分はまだ使いこなせていないのだ。

ケイ「...くそおッ!!」

ケイの化身は突っ込む。

ケイ「こんの、ヤラァが!!」

ケイの化身が従者に素早いラッシュを叩き込む。顔面や喉、みぞおちなど、拳はすべて急所を狙っていた。従者は化身をもとに戻し、ラッシュを受け止めた。このままではだめだと思い、ラッシュを止めると、ケイの化身の腹のあたりに鋭い前蹴りを食らわせてきた。化身の腹にヒビがはえる。

従者「まだまだ行きますよ!」

従者は化身の拳をボクシンググローブ型にするとケイの化身の鼻あたりにジャブを二回、ストレートを一発。化身がのけぞると、顎に左フックからのアッパーカット。

ケイの化身はヒビだらけになった。

ケイ(こんだけボロボロになると持って後二十秒くらいか...なら、一気に決めてやる!)

ケイの化身は従者の化身に対して特大のパンチを五発胸の部分に打った。撃たれた箇所は陥没し、従者の化身の胸は月のように穴凹になった。

従者「ほう。なかなかの威力です。でも、ダメダメです。」

瞬間従者の化身の手首から先が剣に変身した。ケイは驚いて化身を引かせようとしたがそれがまずかった。ズシャアッ!逃げの体制になったことにより防御できなくなり、モロに食らってしまった。化身の首が飛び、サラサラと消えていった。

従者「これでもう、化身は使えませんね。」

 

ジャックはポーチからピストルを取り出した。突っ込もうとしたデュラハンの動きが止まる。

ジャック「一撃必殺ピストルくんだ♡これで鎧は意味がなくなった。」

デュラハンは一歩下がった。ジャックは占めた!と思い一歩足を進める。やはり歴戦の戦士でもピストルは怖いのだろう。デュラハンはまた一歩下がる。ジャックは勝ちを確信し、また一歩進める。と、その時デュラハンが踏み込み盾を投げた。ジャックは間一髪で腕でガードしたが3kgある盾はジャックにダメージを与えた。ジャックが怯んだ隙にデュラハンは一気に間合いを詰め剣で切りかかった。

ジャック「!」

間一髪ジャックはピストルの持ち手の底で剣を受けた。底に谷ができた。

デュラハン「...人というものは自分が有利であると確信した瞬間に油断するものだ。しかしその油断こそが逆転される要因となる。貴様は間一髪で持ちこたえたようだが...これからどうやって勝つのかな?」

ジャック「へッなんだよ!ピストル喰らえばアンタは一撃でやられちまうんだぜ!?余裕こきやがって!」

ジャックはピストルを構え引き金を引いた。カチッ!発射されなかった。

ジャック「えッ?」

デュラハン「私の指がつまんでいるものは何かな?」

ジャックはデュラハンの指を見る。そこにはパーカッションキャップがあった。

デュラハン「貴様の負けだ。降参しなさい。」

デュラハンがジャックに向かって剣を突き立てる。もしデュラハンがちょっとでも剣を動かしたならジャックは反応できずに血を吹き出して死んでしまうだろう。誰が見ても絶望的な状況。しかしジャックはこれは好機だと思い突き立てられた剣を掴んだ。

デュラハン「何をしているんだ。そんなことをしても無駄だというのに。」

デュラハンは剣を少しだけ引く。ジャックの手から血が出できた。しかし、ジャックは笑みを浮かべていた。

ジャック「アンタはいったね。人は自分が有利だと確信するとすぐ油断するって。それ、言えてるね♡」

デュラハン「なっ...!?」

ジャックはでデュラハンが動くよりも前に剣を捻ってデュラハンの手から取り上げた。

ジャック「どんな格闘家でも刃物を持った素人には勝てないらしいね...じゃあ刃物を持った戦士と何も持たない騎士。もうどっちが強いかわかるよね?」

ジャックは剣を構えた。

デュラハン「小童が一丁前に戦士を名乗るか...フン。その思い上がりをわからせてやろう...」

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