あの武器人間はだれだ 〜あれはDevilGun〜 作:すぱーくしーど
……。これは夢だ。雪景色の中、2人の小さい子どもが雪合戦をしている。恐らく兄弟だろう。弟の方はすごく嬉しそうで、兄の方は仕方なく付き合っている様な態度だが、実際は悪くないと思っているのだろう。表情が少し楽しそうで……。まれにあることだ。眠っている途中で夢を見ているとはっきり理解出来ることがある。今がそれだ。
この感じ、恐らく兄弟のどちらかが俺なのだろう。記憶がないので兄か弟か確定出来ないが、勘だけで言えば、素直そうな弟ではなく、強がっている兄、本心を上手く伝えることが出来ないだろうこの兄の方が俺なのかもしれない。まぁ、子どもなら仕方がないよな。
2人とも手が悴んで、弟が雪を持つのが少し辛くなってきた頃、兄はこう告げる。
「手が悴んでも、○○○○○○○なら出来るだろ。ほら、家から○○○○持ってこいよ」
「うん!」
手元の何かを見せた兄と、その言葉を聞いて、さらに嬉しそうに返事をする弟。弟は雪に足を取られそうになりながら一生懸命走って家へと向かっている。兄はその様子を眺めて、手持ち無沙汰に手元の○○○を上へ放った。今更だが、この兄が手元に何を持っているのか分からない。黒く塗り潰されるように、夢の中でも情報がシャットアウトされている。
そうしている間に、弟が家に到着したようだ。小さい身体でドアを開け、閉める前にこちらを向き、笑みを浮かべながら手を振った。兄は手を振り返そうとしたが、恥ずかしかったのか、理由はよく分からないが、気付いていないフリをした。
弟がドアを閉めた瞬間、雪景色の白が反転、全てが黒く染まった。家も弟も、そして自分すら、黒が塗りつぶした。そこからは酷いノイズと血が沸騰しているような赤一色だった。見るに堪えないので、目を覚まそうとするが、いくら念じても起きることができない。どうしようかと考えていると、胸から小さな音が聞こえた。下を向くと、胸のハンドガンの撃鉄が起きていた。
声が聞こえなくても、コイツが何を求めているのかが分かったので、そのまま引き金を引こうとした時、誰かに抑えつけられたのか、手元と指先は動かず、その衝撃で意識は醒めていった。
「こりゃ、目を離してらんないな。寝ながら悪魔化しようとするなんて、例の公安の子より危ないじゃないの」
「……ここは?」
「ここは俺が所属してる民間の社屋さ。あぁ、社名は海鮮。ふざけた名前してるけど、3流程度の実力はあるつもり」
「民間?……デビルハンターか?」
「うん、俺はデビルハンターだよ」
「俺を殺そうってのか……?」
「いや、まだ殺さない。なにせ、公安への切り札に成り得る存在……。魔女と大国が狙う心臓、そして、彼にとって君は……。まさにジョーカーなんだよ、キミは」
この男が何を言っているかよく分からないが、俺が人間ではない事を知っているような口ぶりだ。なおかつ、俺をすぐに殺さないと言う。
「とりあえず、俺の要求を聞いてくれないか?そうじゃなければ……」
「なんでもは無理だけど、可能な限りは叶えよう」
「死ぬほど腹が減ってる。このままだと餓死しそうだ。出来れば肉が食いたい」
「……。うん、分かった。キミのその感じはあの子によく似てるから……。レバーは苦手?」
「……今ならなんでも食える」
「よし、すぐに手配しよう」
このデビルハンターはチェンソーマンのあの人です…!!