あの武器人間はだれだ 〜あれはDevilGun〜 作:すぱーくしーど
デビルハンターが持ってきたレバニラ炒めを頬張る。レバーのほのかな血の香り、ニラのさっぱりとした香りが食欲をさらに加速させる。ニラレバを咀嚼しながら炒飯を口にかきこんだ。タレと炒飯が口の中で混ざって最高の気分だ。そんなことを繰り返していたらむせてしまった。
「ゴホッ!ゴホッ!ングング……」
「……。そんな焦って食べなくても逃げたりしないのに」
デビルハンターの男は、こちらを見てにやけながら話した。
「腹が減ってたんだ、仕方ねぇだろ」
「ふふ、そうかい。まぁ、美味しそうに食べてくれてなによりだよ……」
そういうと男は、少し顔を伏せて顎に手を当て何か考え込んだ。別に待つ理由もないので食事を続ける。
すると、男はなにか思いついたように手と顔を上げて話し始めた。
「そうそう、そういえば名前教えてなかったよね。俺は吉田ヒロフミ。今は民間のデビルハンターだよ、よろしくね」
「本名は思い出せない、今はトール・A・ライガンと名乗ってる」
「へぇ〜、そんな欧米風に名乗ってるんだ。それに記憶が……へぇ……」
「なんだよ、悪いのか?」
「……。そんなことは無いさ。ただ、キミの名前が見た目とは違ってアメリカっぽかったからさ」
「確かにアジア、日本人の顔立ちだよな」
「まぁ、思い出すまではそれでいいんじゃない?その内、記憶を取り戻すか本名を教えてくれる人が現れるよ」
そんなもんかと思いながらニラレバ炒めと炒飯を口に運ぶのを繰り返していると、あっという間に両方空になってしまった。
「飯さ、他にねぇかな?」
「まだあるよ。何が食べたい?」
もっと肉が食べたい気分だったので、気分をそのまま答える。
「肉が食べたい気分だ」
「わかった、今度は俺のおすすめにしてみるよ。きっと、気に入るはずさ」
「あぁ、そうかい」
「ここの中華料理屋の出前は全体的にレベル高いけど、一番おいしいのは生姜焼きなんだよ。ほら、食べてみて」
俺は、吉田が用意した生姜焼きを口に運ぶ。想像以上に美味くて驚いた。
「本当だ……美味い……」
「中華料理屋なのに不思議だよね。まぁ、店主が日本人だからかなぁ……」
吉田とそんな他愛のない話を続けていると、生姜焼きも食べ終わって腹もある程度膨れてきた。
「ご馳走様」
「うんうん。で、本題なんだけどさ、君にはこれからデビルハンターとして一緒に働いて欲しいんだ。まぁ、奢ったし、記憶も無いんだし……。このお願い、聞いてくれるよね?」
「……。わかった、しばらく一緒に働こう」
「うん、これからよろしくね」
この吉田という男……。非常にうさんくさいが、現状このままだと埒が明かないのは分かりきっていたので、このお願いは聞くしかなかった。
「一緒に働くってもよぉ、住む所もなんなら戸籍すらねぇぜ?」
「大丈夫だよ、コッチで用意するから。まぁ、住むところは社宅で良いんじゃないかな。そこも決まったら後で案内するよ」
「あぁ、それなら良いや。よろしくな……吉田」
「うん、よろしくね。……トール君」