あの武器人間はだれだ 〜あれはDevilGun〜 作:すぱーくしーど
昨日は、吉田に社宅を案内された。その社宅で今後生活していくらしい。家賃は家賃補助が下りるということでほぼ0に近い状態だ。合わせて、戸籍情報や通帳など諸々生活に必要なものを用意してくれた。一体アイツは何者なんだろう。
そのまま社屋で眠った俺は、翌日の朝までぐっすりだった。俺が起きたのはチャイムや目覚まし時計ではなく、吉田の声だった。
「おはよう、トール君、そろそろ起きないと遅刻するから起きて欲しいな」
「寝みぃ……!?んで、お前がここにいんだよ!?」
「社宅だし……」
「いや、鍵は!?泥棒か!?」
「ううん、ちゃんと管理人に理由を説明してマスターキーを借りたんだ」
「だとしてもなぁ……」
ブツブツと文句を言う俺を少し微笑みながら見ている吉田。そんなに俺が面白いのだろうか。
「ま、そんなことはどうでもいいからさ。早く準備しようか、本当に遅れちゃうよ」
「……!?ホントだ!ちょっと急がねぇとなぁ」
俺は時間を確認して急いで準備を始める。着替えるときには気付いたら吉田は部屋にいなかった。本当にコイツは……礼儀が良いのか悪いのか……。
準備が完了した俺は、吉田から社内の案内と業務について諸々の説明を受けた後、外へとやってきていた。
「社内はやっぱり雰囲気がかっちりしてるな」
「……。やっぱり?記憶があるの?」
「……!?いや、記憶はないがそんな気がしただけだ」
「そっか……」
吉田は意味深な受け答えが多い。コイツはもしかしたら記憶を失う前の俺を知っている可能性がある。ある程度関係性が構築出来たら聞いてみよう。
「俺達は民間といえどデビルハンターだ。主な業務は悪魔や魔人を狩ることなんだよ」
「……。民間以外っていうと、公安か」
「そう、危険度の高い悪魔や民間で対応が難しい悪魔は公安が担当することになる。公安に何か思い出でも?」
「何度も言わせるな、記憶がないんだ。思い出なんて分からないさ」
その後は、世間話をしながら歩いていた。数十分歩くと人々の絶叫や破壊音が聞こえてくる。
「どんな悪魔なんだ?」
「通報によると、牡蠣の悪魔みたいだね。危険度は低いけどたまにとんでも無い威力の攻撃を繰り出すみたい」
「当たるってか」
「まぁ、鉄砲貝とも言われていた様だし、高威力の攻撃を喰らえば、君も致命傷かもね」
「はっ……。本家が負けてりゃ世話ねーや」
「イイ心意気だ。じゃあ援護は任せるよ」
「はいはい」
今回の仕事は、前衛は吉田、後衛として俺が銃で援護する流れだ。昨日吉田と話して分かったことなんだが胸元の銃は取り外しが可能なようで、俺から一定の距離離れると泥みたいになって消えるが、逆に離れなければある程度は使える。弾数はバラバラだが基本10〜30発は撃てそうだ。
吉田はそれを知った時も女性が見たら恋に落ちるような微笑を浮かべてたが、もうどうでもいい。
牡蠣の悪魔に吉田が近づく。吉田の間合いに入ったのか、手に持った青龍刀を振るった。