あの武器人間はだれだ 〜あれはDevilGun〜 作:すぱーくしーど
自分の過去とこれから
「……。っていうとなんだ、銃の魔人として討伐されたはずのアキがこんどはデンジみてぇに銃の悪魔に変身できるようになって復活したってか」
「状況を考えるとそれが一番自然かと」
「あの女関連か?」
「そうだとは思います……。いや、銃の魔人にさせるならまだしも、復活させるとは考えづらいです。何しろ小動物や人間が近くにいなかったことから、この状況はマキマにとっても想定外の事態だと思います」
「お前、また……。その名をだすなと……」
「大丈夫ですよ。ここら一帯は小動物や支配されている人間はいません。蛸で調べましたから」
俺はまだ話についていけてないが、過去の自分をこの岸辺というおっさんは知っているらしい。もっと自分を過去の自分を知りたい。そこまで来てやっとスタート地点だと思ったから。
「なぁ、おっさん。教えてくれよ、過去の俺のこと。正直、まだまだ分からねぇし、思い出せねぇことばっかりだけど。俺は過去を、自分を知りたい。思い出したいんだ!頼む……!」
おっさんは、懐からスキットルを取り出し、俺に渡してきた。
「あぁ、教える。が、その前にこいつを少し飲め。こういう話はシラフより酔っちまった方が口も回るってもんだ」
「な、俺は別に……」
「いいから、お前はマトモすぎるんだ。だからマキマにいいようにやられる……。ほら、一口でいい」
「……。わかったよ、……クァッ、強っよ……」
一口飲んでスキットルをおっさんに返す。おっさんは少し満足気にしてから、話をはじめた。
「お前の名は早川アキ。銃の悪魔に家族を殺され、公安のデビルハンターとして仇討ちの機会を窺っていた。しかし、デンジとパワーというチェンソーの悪魔になるヤツと血の魔人と一緒に暮らしていく内に、情が湧いてまともになっちまった所をあの女に付け込まれたんだろう。銃の魔人としてデンジを襲撃し撃退される。そして今、ここにトールとしてお前がいる状態だ。分かったか?」
「情報が多くて……。ちょっと整理させてくれ……」
「あぁ、記憶ないんだもんな。それはそうか。まぁ、時間があるうちはゆっくりでも大丈夫だ」
「あれ?岸辺さん今日予定あるんですか?」
「あぁ、近いうち大規模な作戦を決行予定だ。お前も来れれば百人力なんだが……」
「いつになるかですよね、俺も学校始まっちゃうとちょっと難しいかもしれないです」
「わかった。日程が決まり次第直接伝える」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
俺は早川アキ……。名前を聞いた時、少し頭が痛くなったが、記憶が蘇るといったことはなかった。けれど、直感で分かった。俺の名前は早川アキで間違いないのだろう。ひとまず、名前や過去がだいぶ分かっただけで大きい。
「もう、整理はついたか?ア……。トール君」
「いや、アキでいい。俺は早川アキなんだから」
「そうか、アキ。いきなりだが、お前にはその大規模作戦のとっておきになってもらいたいんだ。デンジの時みたいに、殺し続けて強くなるまで鍛えてやる、俺がまた先生だ。敬語使えよアキ」
「分かりました、先生」
俺は早川アキとして生きる。だが、その前に過去の因縁に決着をつけてやるさ。