左遷提督は今日も元気です   作:僻地勤務の兵士

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前話を少し書き直しました


沖縄奪還編
第20話 作戦準備


『現場海域に海域主は確認できず!』

 

『待ってください!大和さんの境界指数反転!』

 

『奴らは大和を鹵獲して海域主にするつもりだ!』

 

海面から無数の手が大和を包み込む

それと同時に、艦娘と深海棲艦を区別する境界指数が反転

大和は深海側へと一気に引きづり込まれた

 

『緊急緊急緊急!!大和が深海棲艦に!!至急救援を求む!!』

 

その声を周辺海域で活動中だった全艦隊は傍受

そして恐怖に震え上がった

あの大和が深海棲艦に寝返った

これ以上にインパクトのある情報はない

主戦闘海域へ雑魚を近付けないようにと戦闘を行っていたトラック泊地艦隊も、無線を傍受し集結する

 

「どうするんだピーターソン」

 

トリブツは試すように問いかける

 

「弾薬は?」

 

ピーターの質問に、全員がミサイルがもう無いと答える

しかし、その目には闘志が宿っていた

それを確認したピーターは決断を下す

 

「これより我が艦隊は主戦闘海域へ突入。本隊の援護に入る!」

 

 

作戦開始1週間前

俺たちの姿は、大分県佐伯市の佐伯泊地にあった

 

「ブリーフィングを始めるぞ」

 

俺が手を叩くと、皆が席に着く

 

「深海棲艦中枢には依然として厚い雲に覆われており、衛星による確認は困難だ。そこで先日、当泊地の駆逐艦娘に協力してもらいキティ艦載機による偵察を実施した」

 

ファイルから現像した写真を取り出し、黒板に貼り付けていく

写真はF/Aー18の偵察ポッドから撮影されたもので、非常に高解像度のものだった

 

「見て分かるとおり、敵艦隊は幾重にも重なって網を張っている。編成は手前は軽巡と駆逐を基本としているが、奥に進むにつれて空母や戦艦が出てくる」

 

俺は写真を拡大した海図に、敵の配置に合わせて貼り直していく

 

「特に徳之島から与論島にかけてが、空母と戦艦の応酬だ。しかし、これを突破しないことには本島に到達できない」

 

言葉を一旦区切り、全体を見渡す

そこには真剣に話を聞き、メモを取るトラック、佐伯の艦娘の姿があった

 

「今の状態であれば、予定通り先遣隊が突破口を構築。後続の佐伯艦隊が撃ち漏らしを排除し、本隊を安全に本島に送り届ける。なにか質問は?」

 

説明を一通り終え、質問を促す

 

「よろしいですか?」

 

「良いぞ ましゅう」

 

ピーター、キティの強い要望により建造した補給艦のうちの1人

ましゅう が立ち上がった

 

「私とルイスさんによる補給はどこで行う予定ですか?」

 

「今のところは奄美大島と喜界島の間で行う予定だ。正式決定は作戦前ブリーフィング時だが、ここで2人は本隊と離れ佐伯艦隊にも給油を行う予定だ」

 

「分かりました。ありがとうございます」

 

席に座り直した ましゅう は、横に座る補給艦のルイス何やら話し始める

 

「他には無いか?では以上で解散する」

 

 

「はぁ」

 

ブリーフィング後、自販機で缶コーヒーを買い1口飲むと思わずため息が漏れた

そんな事を知ってか知らずか、佐伯泊地司令の伊藤中佐が声をかけてくる

 

「おつかれ桐生」

 

「おつかれ」

 

こいつは軍大学での同期でバディでもあった

俺に対して普通に接してくれる、数少ない奴だ

 

「悪いな、任せっきりにしちまって」

 

そう謝ってくる伊藤に、俺は首を横に振る

 

「滞在させて貰ってるんだから、これくらいはするさ。それに、

お前の方が書類で大変だろ?」

 

伊藤はバレたかという顔をすると、缶コーヒーを飲み、タバコに火をつけた

 

「上からのプレッシャーがすげぇぞ?まぁ相手があの大和だからな」

 

「あぁ」

 

暫しの沈黙が流れたが、伊藤が話題を変えてきた

 

「それにしてもお前のとこの艦娘はすごいな。偵察写真見たが、あんな鮮明な写真は見たことないぞ」

 

「そうだな。うちの子たちは未来の軍艦らしいからな」

 

「未来の艦娘か…うちにも来てくれないかな?」

 

冗談でそう言う伊藤と笑いながら、つかの間の平和を堪能していた

 

 

それから1週間は、錬成訓練に連携訓練、洋上補給訓練と並行しての偵察が行われた

そして、運命の作戦開始当日

 

「艦隊抜錨!トラック空母打撃群出港するよ!」

 

キティの掛け声にあわせて全員がアンカーを巻きとると、佐伯湾を出港して行った

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