左遷提督は今日も元気です   作:僻地勤務の兵士

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第33話 個性と陥落

「初めまして指揮官、DDGー177 あたご 以下、3名着任しました」

 

基地視察後、執務室へ戻ると新たな艦娘4人がやってきた

 

「俺は桐生だ。よろしく」

 

挨拶を交わし、早速皆の(妖精さん特製)スペック表に目を通す

 

「妖精さんが言っていた通りだな」

 

俺はそのスペックに感心する

まず、あたご はイージス防衛、弾道弾撃破ができミサイルから基地を守れる

2人目のミリアスは、バークの姉妹艦か…航空機への対処だな

3人目のドラゴン?…あぁイギリス艦か

ドラゴンも対空だが、ミリアスとは違って高機動目標への対処が得意なのか

2人合わされば、ミリアスの防空網を抜けた奴にも対処出来るな

4人目が強襲揚陸艦のトリポリ?Fー35?また新しい機体だな

これが運用できるのか…軽空母扱いでいいのかな?

 

「歓迎するよ。まぁ座ってくれ。コーヒーと紅茶どっちがいい?」

 

今まで通り、応接用のソファーに座らせ飲み物を聞くと

 

「紅茶は何がありますの?アールグレイがいいですわ」

 

ドラゴンが名前からは想像できないお嬢様言葉で聞いてきた

 

「アールグレイはないな。あるのは妖精さんがブレンドした茶葉だけなんだ」

 

「ならそれで結構ですわ」

 

そう言って、右手で髪をなびかせる

 

「わしはコーヒーを貰おうかの?それと提督?ここにはアーレイ・バークの姉御も居るんだろう?」

 

なんでそんな古風な喋り方なのと疑問に思いながらも、ミリアスの疑問に答える

 

「居るぞ。空母打撃群に配属してる。今は自室で休んでるよ」

 

紅茶2杯とコーヒー3杯を用意し、俺も座る

 

「さて、本題だが。君たちは、今は前線には出ないと思ってくれ」

 

俺の言葉に全員が不服そうな顔をする

 

「なぜなのですか?納得がいきませんわ」

 

ドラゴンが代表するように不満を口にする

 

「君たちが来る前に色々あってな…」

 

俺は、現状の全てを隠さずに話した

 

「つまり、敵もこちらとの接触により進化したという認識で良いですか?」

 

あたご の言葉に俺は頷く

 

「そう思ってくれ。それで、情報解析班の妖精さんの話では、キティたちが接触したのは、第4.5か第5世代戦闘機の可能性が高いらしい」

 

第5世代戦闘機という単語に皆が顔をしかめる

 

「私のFー35だけで対処できるかな…」

 

トリポリは目の端に涙を貯め、オロオロし始める

あたご とミリアス、ドラゴンは顔を見合せ、難しい単語でやり取りをしだした

 

「そのために基地の改築と君たちを建造した。まぁ徐々に慣れていってくれ。楽観は出来んが、暫くは大丈夫だと思う」

 

個性の強い

いや、強すぎるメンバーの合流に俺は、頼もしさと問題が起こる予感の両方を抱いた

 

 

『Warning! Warning! The capital is currently under enemy air attack!』

 

軍用無線では、空襲に対する警告が流れ続けている

直ちに陸上基地に駐屯していた、本土防衛のための機体が飛び立つ

 

「タワーブリッジが落ちたぞ!!」

 

市民が見る目の前でタワーブリッジが爆発、橋の上に居た大勢を巻き込みながら崩れ落ちる

そして、耳に残るのは聞いたこともない轟音と体を叩く衝撃波

 

『首都防衛の為に出撃している全隊に告げる。撤退せよ。繰り返す、撤退せよ』

 

上空を見上げれば、生き残っている数少ない迎撃機は進路を反転、ハドソン川で対空戦闘を行っていた艦娘も陸上へ上がり一斉に撤退していく

その様子を見ていた誰かが叫ぶ

 

「軍が撤退していくぞ!俺たちはどうなるんだ!?」

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