グレカーレ率いる艦隊の誘導によって、空母打撃群はメッシーナ海軍基地へとやって来た
メッシーナ基地は大規模なドックを備えた基地で、深海戦争のイタリアにおける前線基地らしい
上陸し、艤装を外したキティはグレカーレに案内され司令官の元へとやって来た
「君が報告のあった日本艦か……」
指揮官と思われる制服を着た男が、キティの全身を舐めまわすように見る
「私の正規の所属はアメリカ合衆国海軍です。しかし、今は日本海軍所属です」
キティは嫌悪感を抱きながらも、相手の立場と階級を尊重し丁寧に答える
「ふむ……まぁいいだろう。それで?イギリスへ向かう途中だと?」
「はい。しかし、そちらのグレカーレさんより現在、ジブラルタル海峡は通行できないとお聞きしましたが…訳を伺っても?」
キティの質問に司令官は海図を広げて手招きした
「忌々しい深海棲艦共がイギリス攻略のために機雷を敷設したんだ。お陰で、うちの海軍は大西洋に派遣していた艦隊と分断された。今国内に残っているのは、グレカーレを始めとした駆逐艦や軽巡クラスが殆どだ」
そう言うと海図の上で拳を握りしめる
「現在、派遣艦隊との連絡も取れん。どこか別の国の基地へ入ったと思いたいが……イギリスの惨状を聞く限りじゃ、全滅している可能性が高いだろうな」
「機雷の除去は出来ないのですか?」
キティが再び問いかける
「出来ないことはない。が、時間がかかるぞ。うちも余裕がある訳じゃない。今は少ない戦力でこの地中海を守らなければならない。機雷を除去する艦を守るために割ける戦力もない」
「つまり、護衛があれば可能ということですね」
「そうだが…君たちが?」
指揮官の視線にキティは釈然と答える
「私たちの指揮官と協議しますが…イギリスへ行くためには必要な事です。良い報告をお待ちください」
「そういう事か…なら仕方ない。存分に協力してやってくれ」
俺はキティからの通信に快諾する
「あぁそれと、おおすみ と くにさき を追加で派遣するから合流してくれ」
『え!?どういうこと?』
キティの驚いた声に、イギリスの現状を教えた
『そこまで内陸に入り込まれたら、海上戦力の私たちだけじゃどうしようもないね。分かった。けど、出来るだけ早くね』
「あぁ伝えておく」
通信を終え、俺は司令室を後にし艤装格納庫へとやって来た
そこでは、おおすみ と くにさき が陸上戦闘隊の妖精さんや陸上兵器を積み込んでいる最中だった
「お疲れ様。進捗は?」
声をかけると おおすみ たちが振り返る
「お疲れ様、提督。今、全体の78%まで完了したわよ」
おおすみ の報告に頷き、キティからの伝言を伝える
「なるべく早くねぇ…まぁ分かったわ。できるだけの事はやりましょう」
そう言って頷いてくれた
「司令官から協力の許可は頂きました」
キティが報告すると、イタリア側の司令官は満足そうに頷く
「それは良かった。では早速、明朝から作業に取り掛からせよう」
そう言って何処かへ内線をかける
「私だ…あぁそうだ。明日の明朝0600から作業開始だ」
それだけを伝え、受話器を置くとこちらへ向き直る
「では、明日0600から作業できるように手配した。よろしく頼む」
そう言われ敬礼を交わしたあと、キティは執務室を後にして皆の元へ戻った