GHOST IN THE SHELL Blue Archive   作:H2O(hojo)

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アビドスにあるカイザーPMCの基地を叩くために、ゲヘナやらトリニティに協力を頼む話です。
もっと分かりやすく言えばイオリ脚舐め回


ネゴシエーション

アビドス自治区の某高層ビルの屋上にて、素子はある部屋の監視カメラに枝を付け盗聴していた。

 

『小鳥遊ホシノの状態はどうですか、カイザージェネラル?あの理事が逃げてしまったようで心配なもので、クックックッ…』

 

『問題無い。我々はキヴォトス有数の大企業だ。代わりなどいくらでもいる』

 

『そうですか。それはそれは…』

 

(私を呼んだのは、あの黒いヤツか。確か黒服とか名乗っていたようだが…。そしてソイツと話しているのはあのデカブツの後釜と言ったところか)

 

素子が監視カメラを覗いている部屋の中に居たのは、自分のことを呼び出した「黒服」と名乗る、その名の通り全身黒ずくめで人間離れした顔を持つ人物である。その隣で話していたのは、アビドスから失踪したカイザー理事の代わりに、アビドス高等学校を掌握するために派遣された、カイザーPMCの司令官「ジェネラル」である。

 

『くれぐれも彼女を傷つけることのないように…お願いしますよ?』

 

『フン…それが貴様と我々との契約だ。それを破るマネはせん』

 

黒服はホシノが傷つけられることを望んでいないようで、カイザーにもそういう契約を結ばせたようであった。

 

「キヴォトス最高の神秘…それを解析することで我々ゲマトリアはこのキヴォトスのさらなる深淵を覗くことができる…!!」

 

「あらそう。じゃあ、死になさい…!!」

 

黒服はホシノを手に入れることで、自分たちの研究がさらに進むと喜ぶ。だが喜んでいたのも束の間、外から銃弾の雨が彼らに降り注いだ。

 

「なにぃ…!?」

 

「クックックッ…」

 

いきなり攻撃を受けた2人は咄嗟にその場に屈んでやり過ごす。「死ね」と言われたにも関わらず、黒服は笑っていた。

 

「な、何者だ!?」

 

「お初にお目にかかります。いや…まだお目にかかってはおりませんね、先生」

 

「・・・・・・」

 

「貴様か、連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの草薙素子…」

 

窓の外で自分に発砲をしてきた相手を探していたジェネラルだったが、その姿が見えなかったため動揺していた。だが黒服はその相手が素子であることを分かっており、彼女に声を掛ける。すると素子は熱光学迷彩を切り、彼らの前に現れた。

 

「お待ちしておりましたよ先生」

 

「カイザーPMCの兵士たちを警備に配置しておいてよく言えたものだ」

 

「クックックッ…私も先生に殺されたくはないものですから…」

 

素子が現れたところで、黒服は彼女に挨拶をする。だが挨拶をされた素子は険しい顔をし、彼とは相容れないという態度であった。

 

「さっそくですが、貴女もゲマトリアの一員になりませんか?」

 

「黙れ。私は貴様らの話を聞くつもりはないし、交渉するつもりもない」

 

「このアマ…」

 

「勧誘失敗ですか…残念です」

 

黒服は唐突に彼女に自身が所属する組織であるゲマトリアの勧誘を始める。だが素子にあっさり拒絶され、わざとらしく悲しんだ。

 

「小鳥遊ホシノは必ず我々が連れ戻す。首を洗って待っていろ!」

 

「クックックッ…宣戦布告ですか」

 

「貴様こそ、我々カイザーPMCの実力を思い知る時だ。精々謝罪の練習でもしているといい」

 

素子は2人を前にして、ホシノを連れ戻すと宣言する。それを聞いた2人の表情は、余裕に満ちていた。少なくともカイザージェネラルは、自分たちが敗けるなどとは微塵も思っていないようである。

 

「ジェネラルご無事ですか!?」

 

「あぁ、問題ない」

 

そして騒ぎを聞いて警備のPMC兵たちが、彼らの元へと到着する。

 

「そこのお前!武器を置いて両手を挙げろ!この建物は既に包囲している。逃げ場はないぞ!」

 

「フッ…」

 

「あ、待て!!」

 

PMC兵の1人が素子に投降を呼びかける。しかし彼女は、彼の言葉を無視して割れた窓の元へ駆けていく。

 

「飛び降りたぞ!!」

 

「なっ…消えた!?」

 

「クックックッ…熱光学迷彩ですか。何とも興味深い」

 

そして彼女はそこから飛び降りて、熱光学迷彩をオンにする。PMC兵はいきなり彼女が消えたことに驚いていた。

 

「周辺を捜索してヤツを捕らえろ」

 

「「「「「はっ!!」」」」」

 

カイザージェネラルはPMC兵たちに、素子の捜索を指示する。しかし、結局彼女を見つけることはできなかった。

 

 

 

 

 

便利屋68事務所

 

「事務所は再契約できたようね」

 

「え、えぇ。先生のお陰だわ」

 

「良かったねぇ~アルちゃん。気に入ってたもんねぇ、この事務所」

 

「ムツキ、余計なこと言わなくていいのよ!?」

 

その後、素子は便利屋の事務所を訪れる。先日のアビドス市街の戦いにおいて、素子の依頼を受けた彼女たちは、その報酬で立ち退きが決まっていた事務所の家賃を払えるようになったのである。

 

「で、今日は一体どんなご用かしら?」

 

「仕事の依頼よ。アビドスでもう一働きしてもらうわ」

 

「まぁ、今は依頼が少ないからね。先生からの依頼は正直助かるけど…」

 

「こ、今度は一体何をすれば…」

 

素子は再び彼女たちに仕事を依頼する。資金繰りに苦労している彼女たちにとって、彼女の依頼は渡りに船であった。

 

「アビドス砂漠にあるカイザーPMCの基地を襲撃し、小鳥遊を連れ戻すのに協力してちょうだい。これが今回の依頼よ」

 

「わ~お。でも私たちとアビドスのメンツだけじゃキツくない?」

 

「そうね。だからあなたたち以外にも協力者を募るつもりよ」

 

素子が便利屋に依頼したのは、カイザー基地襲撃に協力することである。ムツキは自分たちと対策委員会のメンツだけでは、苦しいと感じていた。それは素子も同じであり、彼女たち以外にも協力者を募るつもりであった。

 

「た、例えば…?」

 

「ゲヘナの風紀委員会。空崎はマストね」

 

「ななななな、なんですってーーーーー!!」

 

「ヒナか…」

 

ハルカは素子が協力者にと考えている人物について尋ねると、彼女は風紀委員会と答える。さらにはヒナを必須と強調し、アルを大いに動揺させた。

 

「作戦行動中のあなたたち4人の安全は約束させるわ。安心しなさい」

 

「ならいいけど…」

 

便利屋68、参戦決定

 

 

 

 

 

ゲヘナ学園

 

「私は空崎に会いに来たはずだけど?」

 

「ヒナ委員長は今忙しいんだ」

 

次に素子は風紀委員会を動員させるべく、直接ゲヘナ学園へと赴いていた。だが目的の人物である委員長のヒナは不在で、代わりに以前自分が相手をしたイオリが目の前にいた。

 

「そう。なら彼女が来るまで待たせてもらう。どれくらいかかるのかしら?」

 

「なっ…!?私の事はどうでもいいって言うの?」

 

「私はお前のところの委員長と話すことがあってゲヘナに来た。そういう意味では、今のアナタに用は無いわ」

 

(むっっっっかっっっっつく!!!!)

 

イオリにヒナは忙しいと言われたため、素子は大人しく彼女のことを待つことにした。イオリは素子の自分には興味が無いですといった態度に、内心ムカついていた。

 

「もういい。ヒナ委員長には会わせない」

 

「あら、アナタの権限で決めていいの?」

 

「う、うるさい!!」

 

怒ったイオリは、素子にヒナには会わせないと言い出す。素子は独断で決めていいのかと尋ねるが、イオリも後には引けずにいた。

 

「なら、どうしたら会わせてくれるのかしらね?」

 

「そうだな…じゃあ土下座して私の脚でも舐めてもらおう」

 

ヒナに会わせないというイオリに対し、素子はどうすればいいかを彼女に尋ねる。するとイオリは、土下座して足を舐めろと言い出した。

 

「・・・・・・」

 

「なっ、何だよ…?」

 

イオリの言葉を聞いて、素子はおもむろに椅子から立ち上がる。

 

「ちょっ!!本気!?」

 

「アンタがやれって言ったんでしょ?」

 

そして素子はおもむろにイオリの脚を掴んで持ち上げた。流石に跪くことはしなかったが、自分が彼女を困らせようとして言った事を本気にしていると思ったイオリは大いに動揺していた。

 

「は、離して!!」

 

「・・・・・・」

 

「嘘でしょ!?マジでやるつもり!?」

 

イオリは脚を上下左右に動かして、何とか素子の拘束を抜けようともがく。だが素子は彼女の抵抗もお構いなしに、靴と靴下を脱がした。

 

「先生にイオリ…一体何をやっているの?」

 

「コイツがお前に会いたければ私の脚を舐めろと言うものでな」

 

「イオリ…」

 

「すみませんでした…ヒナ委員長」

 

素子がイオリの脚に口を付ける寸前のところでヒナが現れ、イオリは事なきを得る。その突飛な行動の理由を聞いたヒナは、イオリに呆れていた。

 

 

 

 

 

「それで、私に用事と言うのは?」

 

「あのアビドス砂漠にあるカイザーPMCの基地を襲撃し、小鳥遊ホシノを救出する。風紀委員会にはそれを手伝ってもらう」

 

「そう。ある程度は想像ついてたけど」

 

素子はヒナにカイザー基地を襲撃するために、風紀委員会の人員を動員するよう持ちかける。どうやらヒナのほうも、あらかた想像をついていたようであった。

 

「ちょっと待ってください!何で私たちがわざわざアビドスにあるカイザーの基地を攻撃しなきゃいけないんですか?」

 

「アコ。カイザーコーポレーションはアビドスにあるブラックマーケットの管理も行なっている。あそこにうちの生徒が出入りしている報告も何件か来ている。今はまだいいけど、放っておけばゲヘナを揺るがす事態になりかねない」

 

「カイザーの息のかかったスパイでも入り込んだら大変なことになってしまいます。行政官、ここは先生の提案に乗りましょう?」

 

「チナツ…すっかり先生に絆されて…」

 

だが素子の提案をヒナの隣にいたアコが、拒否する。風紀委員会がわざわざカイザー基地を攻撃する理由がないという彼女に、ヒナとチナツはカイザーの脅威を説明するのであった。

 

「そうだとしてもです。何故我々が先生の指示に従わなければいけないのですか!?」

 

「じゃあアビドスの市街地を破壊した際の修繕費と慰謝料を請求しようかしらね」

 

「うっ…!?」

 

だがアコは、自分たちが先生の指示に従うことが納得いかないようであった。そんな彼女に素子は先のアビドス侵攻の件のことを告げると、アコは口を閉じてしまった。

 

「アコ。先生にはあの一件を穏便に済ませてくれた借りがある」

 

「そうよ。だからその借りをここで返して貰おうと思ってね」

 

「勿論。私たちもこれからは先生とは長い付き合いになるだろうから、ここで借りを返させてもらう。みんな、いいわね?」

 

「「「はい」」」

 

ヒナはアビドスで一件の借りを返す必要があると常々思っていたようで、これはその機会であると述べた。彼女にそう言われたため、他のメンバーは反論の余地なく彼女の決定に従うのであった。

 

「あともう一つ、便利屋68も招集したから作戦行動中は彼女たちの逮捕は禁止するように」

 

「えぇ。分かったわ」

 

「何でもありだなもう…」

 

風紀委員会、参戦決定。

 

 

 

 

 

ミレニアムサイエンススクール

 

次に素子が訪れたのはヴェリタスの部室である。ミレニアムのエンジニア部とハッカー集団であるヴェリタスは、

最も草薙素子と関わりの深い組織と言っていい。部室には音瀬コタマ、小鈎ハレ、小塗マキの3人がいた。

 

「邪魔するわ」

 

「先生が直接来るなんて珍しいね」

 

「確かに!コタマ先輩がシャーレに盗聴器仕掛けてたのがバレて乗り込んで来た時以来じゃない?」

 

ヴェリタスとは基本的にネットでのやり取りが主であり、こうやって直接素子が部室を訪れるのは珍しい。マキはコタマが以前盗聴器を仕掛けて、それが発覚して以来だと言っていた。

 

「コタマ先輩…?」

 

「もう仕掛けてない!!やってないから!!」

 

「コタマ先輩の集めてた音声データ、先生のハッキングで全部吹き飛んでたもんね」

 

素子がわざわざ現れたことでハレは再びコタマが盗聴器を仕掛けたのではないかと疑う。しかし彼女は違うと叫ぶ。一度素子に自身のデータをハッキングによって消去されたことが、よほどトラウマなようである。

 

「それでどうしたの先生?」

 

「アンタたちが最近暇で退屈してそうだったから、仕事を持ってきてあげたのよ」

 

「ホント?やったー!」

 

ハレの疑問に対し素子は退屈している3人に仕事を持ってきたと言うと、マキは素直に喜んだ。

 

「それで、その仕事の内容は?」

 

「アビドスにあるカイザー基地のセキュリティシステムをハッキングして、システムを掌握しろ。勿論、痕跡は残すな」

 

「き、期間は…?」

 

「1週間後には我々が基地に突入する予定だ。それまでにはやってもらう」

 

素子が彼女たちに与えた仕事は、カイザー基地のセキュリティシステムを掌握することである。制限時間は、素子たちがカイザー基地を襲撃する1週間後だ。

 

「先生の鬼ー!!そんなの無理に決まってるじゃん!!」

 

「7日間、エナドリを飲み続けて徹夜すれば…」

 

「無理だと思いますよ、ハレ…」

 

素子の要求を聞いて、3人は即座に無理だと理解する。マキは彼女に文句を言い、ハレは7徹をしようとしてコタマに止められていた。

 

「別にアンタたちだけでやれだなんて言ってないわよ」

 

「え、マジ…?」

 

だが素子は彼女たち3人だけでなく、他にもハッキング用の人員を用意しているようである。てっきり自分たちだけでやるものだと思っていたマキは、ホッと一安心であった。

 

「そろそろ来る頃だが…」

 

「貴女が先生?」

 

「そうよ。私が連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの草薙素子。急な呼びかけに応じてくれて感謝するわ」

 

「私はヴェリタスの副部長の各務チヒロ。そこの3人がいつもお世話になってるみたいだね」

 

「「「副部長…!!」」」

 

丁度その時、ヴェリタスの部室に副部長であるチヒロが入ってくる。彼女は外回りが忙しくあまり部室にはおらず、今回が素子と初対面であった。

 

「貴女の能力についてはある程度評価をしているわ。流石はこの子たちのまとめ役といったところね」

 

「ありがとう、先生。その評価は素直に受け取っておくよ」

 

「先生が生徒を褒めてる…」

 

「初めて見ました…」

 

素子はチヒロの能力を素直に評価し、彼女もそれを特に喜ぶ様子もなく受け取る。それを見ていたハレとコタマは、素子が生徒を褒めるという珍しい姿に驚いていた。

 

「それにしても悪いわね。一企業のセキュリティシステムのハッキングなんか頼んじゃって。仕事に響かない?」

 

「オーダーは痕跡を残さずに…でしょ?だったら問題ないよ。元よりそのつもりだし」

 

「期待してるわ」

 

「副部長と先生がプロの会話をしている…!!」

 

素子は企業のセキュリティチェックなどを行っているチヒロに違法行為を頼むことを、少し気が引ける思いがしていたようで、彼女の仕事に響かないか心配していた。だが彼女は痕跡を残すつもりは無いと言い切り、その態度に素子は期待する。マキはプロ同士のやり取りを目の当たりにして、目を輝かせていた。

 

「それで、もう1人は?」

 

「そろそろ来ると思う。主役は遅れてやって来るってさ」

 

素子はチヒロ以外にももう1人の人物に声を掛けており、彼女のことも待っていた。その人物が中々姿を現さないので、チヒロに彼女の所在について尋ねると、そろそろ来るだろうと答えた。

 

「先生が呼んだのってまさか…」

 

「えぇ、その通り。ヴェリタスの部長にして、超天才清楚系病弱美少女ハッカーであるこの私…明星ヒマリです」

 

「・・・・・・」

 

「ごめん、先生。こういう人なの。慣れて」

 

そしてヴェリタスの部室にドヤ顔で現れたのは、部長の明星ヒマリである。彼女の自己紹介を聞いて素子は黙ってしまい、チヒロにこういう人だから慣れてと言われた。

 

「オーダーの内容を説明するぞ」

 

「ちょっ、無視ですか?この超天才病弱系清楚美少女ハッカーが、先生に手を貸すためにわざわざやって来たというのに…」

 

「それとも報酬の確認が先の方がいいか?」

 

「むっすー。先生のいけず…」

 

素子はヒマリの例の発言を無視して話を続ける。彼女のその態度に、ヒマリは不満げだった。

 

「報酬って?」

 

「私たち2人を今回の作戦に参加させるために、先生には対価を払っていただく約束をしました」

 

「内容は聞かされてないがな」

 

「心配なさらなくても、それほど難しいお願いをするつもりはありませんよ」

 

部室で暇を持て余しているコタマたちならいざ知らず、ヒマリとチヒロを今回の作戦に参加するために、素子はヒマリから対価を求められたというわけである。

 

「それで、その対価とは一体何だ?」

 

「『攻性防壁』」

 

そしてヒマリが素子に求めたものとは、攻性防壁の技術をヴェリタスに提供することであった。

 

「こーせーぼーへき?何か強そうだね」

 

「攻性防壁は、不正アクセス元への攻撃手段を有する防壁の総称だ。不正アクセスをしてきた者の通信をトレースし、侵入者に対してネットワーク経由で致死的な攻撃を行う。攻撃を受けた者で電脳化していた場合は脳を焼き切られ死に至る。お前たちの場合は使用しているシステムの他情報端末が破壊されるだろう」

 

「うえぇえ!!ヤバいじゃん!!」

 

攻性防壁という単語にピンとこないマキに、素子が簡潔に説明する。自分の使用しているPCが破壊される恐れがあると聞いて、マキは恐れおののいていた。

 

「それで、いかがでしょうか先生?」

 

「いいだろう」

 

「では、契約成立ですね♪」

 

素子はヒマリたちに攻性防壁の仕組みを教えるという条件を呑む。これによりヴェリタス全員が作戦に加わることとなった。

 

「では改めて、今回の作戦について説明する。これが今回襲撃するカイザー基地のデータと使用しているセキュリティシステムだ」

 

「は?」 「え?」 「何て?」

 

素子は早速カイザー基地のデータを彼女たちに提示し、作戦のすり合わせを始める。しかし、いきなり企業秘密ともいえるデータをポンとだしてきたことに、コタマ以下3人は唖然としていた。

 

「用意がいいですね、先生。そのデータはどのように入手したのでしょうか?」

 

「カイザーPMCの1人をゴーストハックした」

 

「それでカイザーコーポレーションの中でも特に強固なPMCのセキュリティをすり抜けたってわけね」

 

(((ゴーストハックって超高等技術じゃん…)))

 

ヒマリは素子にこのデータの入手方法を尋ねると、彼女はゴーストハックしたとあっさりと答える。コタマたちは3人のレベルの違いに、震えていた。

 

「だったらもう先生1人でよくない?」

 

「何言ってるの。アンタたちが暇を持て余して騒ぎを起こさないように、こうやって私が教師として勉強の機会を与えてるんだから、むしろ感謝して欲しいわね」

 

「「「はい…ありがとうございます」」」

 

ヴェリタス、全員参戦

 

 

 

 

 

トリニティ総合学園

 

「先生、お待ちしておりました。こちらです!」

 

「久しぶりね、阿慈谷」

 

「はい。あの時は助けてくださりありがとうございました!」

 

ゲヘナ、ミレニアムときて、素子は最後にトリニティを訪れていた。トリニティの大きな校門の前ではヒフミが彼女のことを待っていた。

 

「行きましょう。ナギサ様がお待ちです」

 

「アナタ、結構顔が広いのね」

 

「そ、そうでしょうか…?」

 

素子はトリニティ総合学園のティーパーティーのホスト、つまりトリニティの現トップである桐藤ナギサに招待され、トリニティへ赴いたのである。

 

「あれが最近噂のシャーレの先生…?」

 

「全身義体化…?らしくて、生身の肉体じゃないらしいよ」

 

「えぇー!?それってあのカイザーたちと同じってこと?」

 

素子を見たトリニティ生は、良くも悪くも彼女ことが気になるようで、ヒソヒソと彼女の噂やら何やらを話しながら遠巻きに眺める。

 

「あはは…すみません。みんな先生のことが珍しくてつい…」

 

「別にいいわ。ああいった視線を向けられるのは慣れてるもの。それこそ、子供の頃からね」

 

ヒフミは遠くから視線を送るトリニティ生たちのことを謝るが、素子は涼しい顔で気にしないと答えた。

 

 

 

 

 

ティーパーティー・テラス

 

「ナギサ様、先生をお連れしました」

 

「お待ちしておりました、先生。私はトリニティ総合学園、ティーパーティーのホストを務めております桐藤ナギサと申します。以後お見知りおきを」

 

「連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの草薙素子よ。よろしく」

 

ヒフミは素子をティーパーティー専用のテラスへと案内する。そこでは既にナギサが椅子に座っており、彼女たちのことを待ちわびていた。

 

「先生は甘い物はお好きですか?」

 

「まぁ、それなりに」

 

「では紅茶はお飲みになりますでしょうか?」

 

「淹れてくれるのなら有難くいただくわ」

 

素子が椅子に着席すると、ナギサは自ら洋菓子と紅茶の準備をする。

 

「本日はわざわざこちらへお越しいただきありがとうございます。ヒフミさんやトリニティの生徒たちがお世話になったようで…。まずはトリニティの代表として感謝を」

 

「わ、私からも改めて助けていただいたお礼を言わせてください!!」

 

「礼には及ばないわ。それが私の仕事よ」

 

ナギサは素子に紅茶と茶菓子を出すと、彼女がトリニティの生徒を助けてくれたことに感謝を述べた。それに対し素子は、それが仕事であると軽く流す。

 

「さて、では本題に入りましょう。先生も知っての通り、最近カイザーPMCの動きが活発になっております」

 

「そうね」

 

「カイザーPMCは我が校の生徒に良くない影響を及ぼす可能性が高いと考えている次第です」

 

挨拶を終えると、ナギサはすぐに本題へ入る。本題とはカイザーPMCの件についてであった。

 

「それは私がアビドスで何をやっているかを分かった上での発言かしら?」

 

「はい。ゲヘナ同様、トリニティにも優秀な情報部が存在しておりますので」

 

素子はナギサがカイザーPMCの話題を振ってきたことに関して、自分がアビドスでやっていることを把握しているのか確認した。

 

「実はトリニティの砲撃部隊は、数日後アビドスとの境界付近で訓練を実施する予定です」

 

「そう。アビドスの娘たちに伝えておくわ」

 

「・・・?」

 

そしてナギサは唐突にトリニティの砲撃部隊がアビドスの境界付近で訓練をすると明かす。当然これには裏の意味があり、トリニティが素子たちの作戦を支援するという意思を、暗に伝えているのである。素子はナギサの言葉の裏を理解していたが、ヒフミは彼女たちの会話に首を傾げていた。

 

「これからも我が校の生徒たちをよろしくお願いしますね、先生?」

 

「あら、肩入れしていたように見える?確かにミレニアムにはこの身体の都合上多く足を運んでいるけれど」

 

「いつでもトリニティへお越しください。お待ちしております」

 

再び会話の内容が唐突に代わり、ナギサはこれからもトリニティの生徒たちをよろしくお願いしますと述べる。これを素子はトリニティをあまり蔑ろにしないで欲しいといういう意味だと取る。そして最後にナギサはいつでも待っていると述べ、協力を惜しまぬ姿勢を見せた。

 

(曲がりなりにも3大学園の一角だ、関わりは持っておいたほうがいいだろう)

 

(これで先生に貸しを一つ作れました。先生には今後、トリニティのお役に立っていただきましょう)

 

2人の和やかな会話とは裏腹に、彼女たちは様々な考えを巡らせていた。

 

トリニティ砲撃部隊、参戦決定

 

 

 

 

 

これにて、全ての人員の動員が完了する。アビドス砂漠での決戦の日が近づいていた。




攻殻機動隊では窓を割って入って、光学迷彩使ってビルから飛び降りるのが入退室のマナー。
RABBIT小隊の話で光学迷彩が出回ってる話をしましたが、攻性防壁に関してもアビドス1章時点では広まってません。

少佐がサイボーグ食以外を食べるのかってのは悩みましたが、キヴォトスでは食えるってことにしておいてください。ロボ市民が普通に同じもの食べてるし...。(デカルトと廃棄弁当を争う場面など)

それではまた来週
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