GHOST IN THE SHELL Blue Archive   作:H2O(hojo)

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タイトル通り。
4人のバニーとバニーと大して変わらない恰好をしてる少佐がコユキをとっ捕まえる話です。


船上のバニーチェイサー

C&Cの4人はセミナーのユウカからの依頼で「白兎」こと黒崎コユキを捕縛するために、彼女が潜伏しているゴールデンフリース号へと潜入していた。彼女は無断でセミナーの債権を発行しており、2日後には破産するという緊急事態であった。

 

ゴールデンフリース号・機関室

 

「着いたわね」

 

「ご主人様との任務、楽しみだな~♪」

 

「チッ…」

 

「「・・・」」

 

ゴールデンフリース号は「オデッセイア海洋高等学校」が所有している豪華客船、つまりは他校の自治区と同様の扱いである。そのためいつものように派手な騒ぎを起こすと、学園間の問題が発生する懸念があり、ユウカはお目付け役として草薙素子を同行させた次第である。素子が一緒であることにアスナは嬉しそうな素振りを見せるが、ネルは見るからに不機嫌であった。

 

「これからいかがいたしましょうか?」

 

「まずは船内での拠点を作成。その後船内の監視システムを掌握し、黒崎を確保するぞ」

 

アカネの問いに対し、素子はそう答える。元公安9課の人間だけあってその指示は的確であった。

 

「了解」 「OK~」 「承知いたしました」

 

「・・・・・・」

 

素子の作戦を聞いた、アスナ、カリン、アカネの3人は了承の返事を返す。しかし、ネルだけは相変わらず素子を睨み黙っていた。

 

「何?」

 

「気に入らねぇ。何でアンタが一緒なんだよ!?」

 

「それがセミナーからの条件だからでしょ」

 

ネルは素子が同行しているのが気に入らないようである。だが彼女に睨まれても、素子は涼しい顔をしていた。

 

「ごめんなさい、先生。部長は負けず嫌いなもので…」

 

「あの時先生に負けたことまだ引きずってるんだよね~」

 

「う、うるせぇ!!」

 

ネルは以前C&Cの4人がかりで素子(と正確にはチヒロ)に負けたことが、悔しくて仕方がないのだ。負けず嫌いな彼女はついつい、素子に反抗的な態度を取ってしまった。

 

「私のことが気に入らないのはいいけど、任務に私情は持ち込まないことね」

 

「うぐっ…」

 

「そうですよ、部長?今回は特に騒ぎを大きくするわけにはいかないんですから…」

 

「わ、分かってらぁ!!」

 

反抗的なネルに対し、素子は私情を持ち込むなと釘を刺す。アカネにも同様の注意を受け、ネルはムキになってしまった。

 

「では客室フロアへと移動…」

 

「誰だ!?」

 

アカネを先頭に一同は客室フロアへと向かおうとする。だがそこで、警備員に見つかってしまった。

 

「見ない顔だな?乗客か?」

 

「私たちは青心清掃の者です」

 

「あぁ、清掃会社さんね」

 

警備員に怪しまれたので、素子は咄嗟に架空の清掃会社の名前を名乗りその場しのぎをする。

 

「でもダメだよぉ、そんな恰好じゃあ」

 

「は?」 「え?」

 

「この船に乗船する者はみんなバニー服を着ろって指定されてるでしょ?オタクらは清掃会社だからメイド服を着てるんだろうけどさ。守ってもらわないと困るよ~」

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

警備員はC&Cのことを清掃会社の人間であると認識するが、その恰好を注意する。何故だか知らないが、この客船では全員がバニー服を着る決まりであり、それを聞いた一同は意味を理解できず絶句していた。

 

「そっちのお姉さんはどうしたの?つけ耳忘れちゃったの?」

 

「いきなり5人全員の衣装は用意できなくて。仕方なくね」

 

警備員は素子の恰好を見て、そう述べる。彼女はすぐに用意できなかったと、警備員に返した。

 

(まぁ、正直際どい格好してるなとは思ってたけど…)

 

(まさか先生の服装がバニー服と誤認されるだなんて…)

 

「アハハッ!!変なの~」

 

素子の恰好は動きやすいようにレオタードを着用しており、それがバニー服と誤認されたようである。

 

「まぁいいや。丁度余ってるヤツがあるから、それに着替えてよ」

 

こうして、彼女たちはバニー服に着替えることとなった。

 

 

 

 

 

ゴールデンフリース号・空き部屋

 

「着替え終わったよ、先生」

 

「これで、船内を動き回っても怪しまれませんね」

 

「これは服なのかもはや?」

 

C&Cは空き部屋に通され、渡されたバニー服に着替える。因みに素子にもウサ耳が渡されており、彼女も怪しまれないために装着していた。

今の草薙素子は、ウサ耳、サングラス、レオタード、ジャケット、グローブ、ブーツと中々の恰好である。

 

「一之瀬はどうした?」

 

「あぁ…アスナ先輩はいつも単独行動なんです」

 

「ああいう人だからな」

 

「そう。まぁアンタたちが文句ないなら良いわ」

 

素子はこの場所にアスナがいないことに気が付く。アカネとカリンは彼女はいつも単独行動だと説明した。

 

「それでは船内のセキュリティシステムの掌握を始めるぞ」

 

「よっしゃ!!そろそろ暴れたい所だったんだ」

 

「はぁ…騒ぎを起こすなと言っているだろう」

 

着替えが終わったところで、彼女たちはセキュリティシステム掌握に動き始める。暴れたくてうずうずしているネルに、素子は再び呆れながら釘を刺した。

 

 

 

 

 

ゴールデンフリース号・監視室付近

 

「で?部屋の前まで来たわけだが、こっからどうすんだよ」

 

「見張りが数人いますが、倒して中に入りましょうか?」

 

「準備はできてる」

 

ネルたちはバニー服を着ているため、怪しまれずに船内の監視室の前へとたどり着く。だがここからは関係者以外立ち入り禁止となっており、ネルたちは見張りを倒して中へ進もうとしていた。

 

「見張りを倒すのは必要だが、仲間を呼ばれては面倒だ」

 

「よっしゃ!アタシが一瞬で…」

 

「待て美甘」

 

「んだよッ!!何か文句あんのか!?」

 

素子が見張りを倒す必要があると言うと、ネルは銃を構えて突入しようとする。それを素子が制止すると、彼女は青筋を立てはじめた。

 

「銃声で気付かれたらどうするつもりだ?」

 

「ソイツもぶっ倒せばいいだろうが」

 

「なるほど。早瀬も頭を抱えるわけだ…」

 

素子はネルに銃声で気付かれる懸念を伝えると、集まってきた警備員も自分がぶっ倒すと答える。ネルの回答に素子はユウカの苦労が思い浮かんでいた。

 

「あぁん!?じゃあどうしろってんだよ?」

 

「光学迷彩を使え。ソイツで奴らの不意を突き気絶させろ」

 

「なるほど。それなら大きな音を出さずに見張り役を倒すことができる」

 

「スマートですね、えぇ」

 

素子は光学迷彩を使用して隙を突く方法を提示する。カリンとアカネは素子の提案に納得していた。

 

「あ~暇だなぁ。どうせならカジノの警備に…うぐっ!!」

 

「おい!?どうした…がはッ!!」

 

「ちぇっ…つまんねぇ」

 

素子の言う通り、3人は光学迷彩を使用して見張りを無力化する。大して暴れられなかったネルは、悪態をついていた。

 

 

 

 

 

その後、素子たちは監視員たちを同様の方法で気絶させ、監視室を掌握する。

 

「ふぅ…これで一安心ですね」

 

「ったく!ストレス溜まるぜ…!!」

 

「まぁまぁ、リーダー落ち着いて…」

 

監視室の制圧が完了し、彼女たちは一息つく。

 

「では、システムの制圧を…」

 

「ちょっと、アンタ一体何するつもり?」

 

「何って、セキュリティシステムをこのC4で爆破しようと思ったのですが…」

 

アカネは監視室の機器に箱を取り付けようとして、素子に止められる。箱の中身はC4爆弾であり、彼女はシステムごと爆破しようとしていたのである。

 

「はぁ…アンタもそっち側なわけ?」

 

「私、何かマズいことしてます?」

 

アカネのその行動に、素子は頭が痛くなり手で額を押さえる。

 

「アンタたち、少しは自重しようって気はないわけ?」

 

「ねぇ」 「ない」 「ありませんね」

 

どうやらC&Cに自重や慎重という発想はないようだ。

 

「本当は後ろでお前たちの手綱を握ることに専念するつもりだったが、私も任務に参加するしかないようね」

 

「アタシたちは犬か!?」

 

「今はウサギじゃない?」

 

「お手数おかけします…」

 

結局素子は彼女たちと共に任務に参加することを決意した。

 

「まずは、船内のセキュリティシステムを掌握して黒崎コユキと、ついでに一之瀬の所在を確認するぞ」

 

彼女はそう言って、自身の義体から接続プラグを引っ張り出し、セキュリティシステムが稼働している機器に直接繋いだ。

 

「ウタハとかチヒロ辺りから先生の身体のことについては聞いていたが、本当に生身じゃないんだな」

 

「そうよ。別に好きでこうなったわけじゃないけど」

 

「お、おう…」

 

素子の様子を見て、ネルは彼女が全身義体化していることを改めて実感する。そして、好きでなったわけではないという言葉に、ネルは彼女に過去何があったのかを考えていた。

 

「よし。いいだろう」

 

「早いですね。もう終わったのですか?」

 

「えぇ」

 

そして数分もかからずに、素子はセキュリティシステムの防壁を破り掌握した。

 

「コイツが黒崎コユキで間違いないか?」

 

「うん。間違いないよ先生」

 

「しかしコイツは一体何やってんだ?」

 

「見たところコインゲームか何かでしょうか…?」

 

モニターに映し出されたのは、ピンク髪のツインテールの少女である。彼女は何やらゲームの筐体にコインを突っ込み、目を血走らせていた。

 

「どうやらこの船には、特殊なルールがあるらしい」

 

「特殊なルール?」

 

「アイツらがゲームを必死こいてやっているのは、ゲームに勝ち続けることでランクを上げようとしているようだ」

 

「勝ち続けるとどうなるんですか?」

 

「この船内での権限が拡張するみたいね。ランクはE~Sまでで、Sランクともなれば、もはやこの船の主と言っても過言ではないだろう」

 

さらに素子はこの船での特殊ルールについても調べがついており、それをネル達に説明する。

 

「早瀬から聞いた黒崎コユキの性格から鑑みて、セミナーの債権を発行している理由はこの船でSランクになって、好き放題したいってところかしらね」

 

「つまりアレか?アタシらはこんなくだらない理由のためにこんな格好までして船内に潜り込んだわけか?」

 

「私は結構気に入ってますよ、この恰好」

 

「そういう話をしてるんじゃねぇよ!?」

 

素子はユウカから聞いたコユキの性格から、彼女の目的を推測する。素子の考えに、コユキのことを知っているC&Cの3人も納得していた。

 

「さっさとあの『白兎』を捕まえて、任務を終わらせるぞ」

 

「おぉ」 「うん」 「はい」

 

彼女たちは、ゴールデンフリース号のプレイラウンジへと向かった。

 

 

 

 

 

ゴールデンフリース号・プレイラウンジ

 

「ぐぅぅぅぅぅぅ…!!あとちょっと、あともう一歩でSランクなのにぃ…」

 

「いたぜ、アイツだ」

 

「どうやら、私の予想は当たっていたみたようね」

 

プレイラウンジに着いた素子たちは、それぞれ分かれてコユキを探していた。なお、ネルだけは暴走しかねないという理由で、素子と一緒にいた。そして彼女たちは、コユキを発見したのである。

 

「では光学迷彩を使用してヤツの背後へ向かうぞ」

 

「おう」

 

そして素子とネルは光学迷彩で潜みながら、コユキの背後へと迫る。

 

「おめでとうございます!!」

 

「「!?」」

 

「史上最短でのAランク達成です!!果たしてこのまま、彼女はSランクへと駆け上がってしまうのか!?」

 

『わーい!やったー!!』

 

しかし、彼女たちがコユキに近づこうとした瞬間に船内にアナウンスが流れ始める。プレイラウンジの大型モニターにはアスナが喜んでいる姿がデカデカと写っていた。

 

「あれ?アスナ先輩がなんでここに…」

 

「マズい…!!急いでヤツを取り押さえるぞ!!」

 

「アスナァァァァァァァァ!!何やってんだぁぁぁぁぁ!!」

 

そしてコユキは、アスナがゴールデンフリース号にいることに気が付く。素子とネルはコユキの逃走を恐れて、急いで彼女を確保に向かった。

 

「大人しくしろ、白兎!!」

 

「ゲェッ!?ネル先輩ィ!?」

 

ネルはコユキの背後に立つと、銃を彼女に向ける。光学迷彩を解いていきなり現れたネルに、コユキは驚いていた。

 

「アナタが黒崎コユキね?」

 

「うわキツ…!!誰ですかこの人?」

 

「シャーレの草薙素子先生だ。相変わらず怖い物無しだなお前…」

 

「えぇぇぇぇ!?あの人がC&Cをボコボコにしたっていうシャーレの先生ですか!?」

 

「テメェ表出ろゴルラァ!!」

 

ネルを追って素子もコユキの元を訪れ、彼女と対面する。C&Cが素子1人に負けたことはミレニアムでも広がっているようである。

 

「何だ何だ?」 「ケンカか?」

 

「不味いわね。人が集まってきた」

 

「オラッ!!さっさとこっちに来やがれ!!」

 

コユキが騒ぎ声を聞いた警備員たちが、気になって彼女たちの元へ近付きつつあった。

 

「侵入者!!皆さんこの2人は不法に船内に侵入した違反者ですよーーーーー!!」

 

「何ッ!?侵入者だと!?」

 

「テメェ!?」

 

「チッ…やられたわね」

 

するとコユキは警備員たちに聞こえるように大声で、侵入者だと騒ぎ始める。それを聞いた警備員たちはネルと素子を囲み始め銃を突きつけた。

 

「クソッ…!!コイツら全員ぶっ倒すしかねぇか」

 

「待て」

 

「あぁん!?」

 

警備員に囲まれたネルは、彼女たちを倒すべく銃の引き金を引こうとする。だが、その前に素子から待てが入った。

 

「にーはっはっはっ!!ここの警備員たちは今は私の配下のようなものです。無駄な抵抗は止めたほうがいいですよ?」

 

『一之瀬、Sランクに到達するまで後どれくらいかかる?』

 

『うーん、あと1,2ゲームくらいかな?』

 

『分かった。そのままゲームを続けろ。Sランクになるまで、我々が時間を稼ぐ』

 

『OK~』

 

形勢逆転したコユキは、ネルと素子を見下して勝ち誇った態度をとる。その裏で素子はアスナに通信を繋ぎ、Sランクを取るよう指示していた。

 

「いやー!!C&C最強のネル先輩をこうやって見下すのは気分がいいですねー!!」

 

「このクソガキッ…!!」

 

『角楯と室笠は至急こちらに来い。スマートにというオーダーだったが、こうなっては仕方がない』

 

『ラジャー』 『了解しました』

 

さらに素子は別行動を取っている、カリンとアカネをこちらに集結するよう指示した。

 

「美甘」

 

「何だよ?」

 

「好きに暴れなさい。責任は私が取るわ」

 

「へへッ…そうこなくちゃなぁ!!」

 

そして最後に素子はネルに、好きに暴れるよう指示する。それを聞いたネルは今までの不機嫌が直り、犬歯をむき出しにして笑った。

 

「警備員さん、やっちゃってください!!」

 

「覚悟しやがれ!!」

 

ネルとゴールデンフリース号の警備員たちが、激突した。

 

 

 

 

 

「オラオラオラァ!!テメェらの実力はそんなもんかよ!?」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ネルは100を超える警備員を相手に、大立ち回りを演じていた。警備員たちは宙を舞い、床にめり込む者もいた。

 

「ソイツもひっとらえろ!!撃てぇぇぇぇぇ!!」

 

『アロナ!!』

 

『はい少佐!!』

 

「バカな!?何故この距離と数で当たらない!?」

 

警備員は素子を捕縛するべく、彼女に向けて銃を撃つ。しかし、「シッテムの箱」の力を発動したことにより、彼女に銃弾が当たることは無かった。

 

「こ、こうなったら戦闘用アンドロイドを出すしかない…!!」

 

「なんでもいいですから、さっさとあの2人を何とかしてください!!」

 

中々捕まらない彼女たちに痺れを切らした警備員は、戦闘用アンドロイドの使用を検討し始めていた。

 

「よし!ヘラクレス、発進!!」

 

「ウガァァァァァァァァァァ!!!!」

 

警備員が起動したアンドロイドの名はオデュッセイアの古の英雄の異名を取った、ヘラクレス。背丈は2mを優に超え、筋骨隆々の人工筋肉を備えた大男であった。

 

「先生!?」

 

「コイツの相手は私がする。お前は警備の相手を続けろ!!」

 

「了解だ!!」

 

素子の元へ向かって来るヘラクレスを見て、ネルは彼女のことを心配する。だが素子はヘラクレスは自分が相手をするといって、警備を倒すことに集中させた。

 

「ガァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

「んぐっ…!!」

 

ヘラクレスは振り上げた拳を、素子目掛けて振り落とす。彼女は両腕を頭上に上げて、それを受け止める姿勢を取った。ヘラクレスのパワーはすさまじく、素子の身体が床に一部めり込むほどであった。

 

「目標…捉えた!ファイア!!」

 

「グロォォォォォォォォォ…!!!」

 

「先生、助けに来た!!」

 

「遅い!!」

 

するとここでようやくカリンが到着し、ヘラクレスの腕を狙撃で吹き飛ばす。本人は颯爽と助けに来たつもりであったが、素子に言わせれば来るのが遅かったようである。

 

「この恰好じゃ動きにくくて…」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ゲーム機が爆発した!!?」

 

「ふぅ…これで少しは、お役に立てておりますでしょうか?」

 

カリンがバニー服のことを気にしていると、プレイラウンジで突如爆発が起こる。今度はアカネがゲームの筐体に爆弾を仕掛けており、それが爆発した形となった。

 

「グォォォォォォォォ!!!」

 

「外さない」

 

片腕を吹っ飛ばされても素子に襲い掛かるヘラクレスを、カリンは再び狙撃する。

 

「ガッ…!!アァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

「ふんっっっ!!」

 

「ゴハァ…!!」

 

両腕を吹き飛ばされ、ヘラクレスは悶絶する。その隙を突いて、素子は彼の頭部に飛び蹴りを喰らわせる。頭部を破壊されたヘラクレスは、これにて完全沈黙となった。

 

「応援を呼んだ!!そこまでだ!!」

 

「・・・・・・」

 

「次から次へと出て来やがって…」

 

「何人いるんだ?」

 

「確か…乗客も合わせて数千人だとか」

 

だが、ここで警備員はより多くの増援をプレイラウンジに呼び寄せる。さらに数の増えた敵に、一同はうんざりしていた。

 

「にーはっはっはぁ!!作戦失敗ですね皆さん!!」

 

「やっほー♪」

 

「うわぁぁ!?あ、アスナ先輩!?」

 

コユキが彼女たちを見て勝ち誇っていると、背後からアスナが声をかける。

 

「ちょ、ちょっと警備員さん?この人も侵入者です!!早く捕まえて…」

 

「これなーんだ?」

 

「こ、これは…Sランクの称号!?噓でしょぉぉぉぉぉぉ!!?」

 

野放しにされているアスナに、コユキは警備員に彼女捕まえるよう指示する。だがアスナはコユキにスマホの画面を見せると、画面にはSランクの称号が映っていた。

 

「Sランク達成おめでとうございます、アスナ様。我々は今から貴女の指示に従います」

 

「わーい。やったぁー!!」

 

「あの娘の『ゴーストの囁き』は末恐ろしいわね」

 

「アタシもたまに思うわ…」

 

Sランクの称号を見た警備員たちは、先ほどの態度とは打って変わってアスナの指示に従う姿勢を見せる。彼女の神がかった直感に素子とネルは舌を巻いていた。

 

「そういうわけだ、黒崎コユキ。大人しく来てもらおうか?」

 

「はっちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「逃げた!!」

 

「それじゃあ警備員さん、あの白兎さんを追いかけてー」

 

「「「「「ラジャー」」」」」

 

形勢逆転されたコユキは、一目散に逃げだす。アスナは警備員にコユキを追うように指示した。

 

 

 

 

 

ゴールデンフリース号・屋上

 

「往生際の悪い娘ね。さっさと捕まれば楽になるわよ?」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!なんでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

コユキは警備員やC&Cの攻撃を躱して、ボロボロになりながらも何とか屋上へとたどり着く。素子も彼女の往生際の悪さには呆れていた。

 

「でもここまで来れば…」

 

「今さら何をするつもりだ、オラァ!?」

 

「にーはっはっはっ!!脱出用ドローンです!!」

 

コユキが屋上に向かっていた理由は、そこに脱出用ドローンが置いていたからである。彼女は脱出用ドローンに乗り込み、船から飛び立とうとしていた。

 

「それでは皆さん、ばいちゃ!!」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

「カリン」

 

「ラジャー」

 

一同はコユキの脱出用ドローンが浮上して行くのをただ眺めていた。ネルはカリンの名を呼ぶと、彼女はスナイパーライフルを構える。

 

「あーれー!!」

 

「あ、プールに落ちた」

 

「がぼぼぼぼぼぼ!!助けて!!私泳げないんですぅぅぅぅ!!」

 

カリンは脱出用ドローンに命中させると、ドローンは船のプール目掛けて真っ逆さまに墜ちていく。プールに着水したコユキは、泳げないため今にも溺れそうであった。

 

「はぁ…あの娘をプールから引きずり出してちょうだい」

 

「ったくしょうがねぇなぁ」

 

黒崎コユキ、これにてお縄である。

 

 

 

 

 

その後

 

「・・・・・・」

 

「何が不満なの?ちゃんと穏便に済ませたでしょう?」

 

素子は事の顛末をユウカに報告する。その報告を聞いて、ユウカは不満気であった。

 

「それはアスナ先輩がゲームでSランクを取ったからで、それがなかったら全然穏便じゃないですよね!?」

 

「仕方ないじゃない。こっちだって最大限努力はしたんだから」

 

「本当ですかぁ?」

 

本人は穏便に済ませたというが、それはアスナがあの船でSランクを獲得したお陰であり、それが無ければ危なかったとユウカは指摘する。それに素子は最大限努力したと答えたが、ユウカにはあまり信じてもらえなかった。

 

「はぁ、もういいです。それでC&Cのメンバーたちは?」

 

「あの船に仕事着を忘れたから取りに行ってるわよ?」

 

「はぁ?」

 

 

 

 

 

船上のバニーチェイサー 完




少佐なら必要とあらばバニーのつけ耳も付けるでしょ、多分。

それでは良いお年を。
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