GHOST IN THE SHELL Blue Archive   作:H2O(hojo)

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明けましておめでとうございます。
この作品初の4話に渡って続く話になります。

あらすじ
いつものようにクーデターによって失脚したチェリノであったが、今回はいつもと様子が違った。彼女たちはレッドウィンターからの亡命を余儀されなくされ、シャーレへと逃げ込む。
草薙素子は生徒たちを招集し、その真相を追う。

原作でもSACでもあった、択捉島に行く回のやつです。


混迷のレッドウィンター①

シャーレ部室

 

「うえぇぇぇぇぇん!!カムラットォォォォ!!」

 

「「・・・・・・」」

 

シャーレの部室に駆け込んできたのは、レッドウィンター連邦学園の書記長であった、連河チェリノと佐城トモエ、池倉マリナの3人である。彼女たちは服装もボロボロであり、悲壮感が漂っていた。

 

「なに?アンタたち、またクーデター起こされて逃げてきたの?」

 

「はい。ですが…」

 

「どうやらいつもとは違うようね…」

 

チェリノがクーデターを起こされて失脚するのは、いつもの事である。だが彼女たちの表情を見て、素子はいつもとは違うということを感じていた。

 

「実は、今回のクーデターはレッドウィンターに大規模な工場があるサガワ電子が引き起こしたんです」

 

「アイツら今まで一度もレッドウィンターの政治には関わって来なかったくせに、何で今になって…」

 

「今まで互いのやる事に干渉せずにやって来たのですが、何故いきなりこのようなことに…」

 

今回のクーデターを起こしたのは、生徒ではなくサガワ重工というキヴォトスの大企業のグループ会社のサガワ電子である。レッドウィンターにはサガワ電子の大きな工場があり、レッドウィンターも少なからずその恩恵を受けている。レッドウィンターとサガワは互いに不干渉であったが、ここに来てレッドウィンターにクーデターを仕掛けたのである。

 

『アロナ。今の聞いてた?』

 

『はい少佐。2日前レッドウィンター連邦学園はサガワ電子によって完全掌握。現在サガワ電子からレッドウィンター連邦学園の廃校手続きが出されていますが、現状レッドウィンター側の承認者がいないため連邦生徒会は承認していません』

 

『大元のサガワ重工の対応は?』

 

『子会社の暴走として、遺憾の意を示す声明を出しただけです』

 

『子会社とは関わりないと言ってダンマリ決め込むつもりか…』

 

トモエとマリナが話したレッドウィンターの現状について、素子はアロナに状況を尋ねる。サガワ電子はレッドウィンターを掌握後、廃校手続きを連邦生徒会に申請したものの却下されている。さらには、大元のサガワ重工からは関係ないと切り離されていた。

 

「今はまだ連邦生徒会が廃校の承認をしていないが、サガワ電子による実効支配が続けば、レッドウィンターは廃校を余儀なくされるだろう」

 

「そ、それは困る!!オイラたちの学校が無くなったら一体どうすれば…。うぇぇぇぇぇん!!助けてカムラットォ!!」

 

「頼む、先生…!!」

 

「私からもお願いします」

 

現状レッドウィンターの廃校は承認されていないものの、この状態が続けば廃校は時間の問題である。レッドウィンターの3人は自分たちの学校を取り戻してほしいと、素子に切実に訴えた。

 

「いいだろう」

 

レッドウィンター奪還作戦が始まった。

 

 

 

 

 

トリニティ総合学園・ティーパーティー執務室

 

「先生、お呼びでしょうか?」

 

『先日のレッドウィンターの件は耳に入っているな?』

 

「えぇ。まさかサガワがあのような暴挙に出るとは思いもしませんでした」

 

素子が最初に連絡したのは、ナギサであった。サガワの件はティーパーティーのホストである彼女の耳にも当然届いていた。

 

『その件でについて調べて欲しいことがある』

 

「我々は特にサガワと取引を行なってはおりませんが…何でしょうか?」

 

『欲しいのは同業他社のケンビシからの情報だ。カイザーでもサガワでもない彼らは、他社の後ろ暗い噂には敏感だ』

 

素子はケンビシから武器を買い、上層部とも顔の利くナギサに、彼らが持つ情報を引き出して欲しいと頼んだ。

 

『ゲヘナがサガワから武器を買っている以上、直接聞き出すことは難しい。頼んだぞ』

 

「なるほど。承知いたしました、先生。私にお任せを」

 

 

 

 

 

ミレニアムサイエンススクール・特異現象捜査部部室

 

「はい。こちらミレニアム最高の叡智にして、超清楚系清水美少女ハッカーの明星ヒマリです」

 

『・・・。依頼内容だけ伝えるぞ』

 

「全然乗って来てくれませんねぇ、先生は」

 

次に連絡を取ったのは、超清楚系清水美少女ハッカーことヒマリであった。彼女は毎度素子にこういった名乗りをするが、相手をしてくれない彼女に不満そうである。

 

『お前のことだ、先日のサガワの一件についてはある程度調べはついているだろう』

 

「えぇ、勿論」

 

素子は早速、ヒマリにサガワ電子がレッドウィンターでクーデターを起こした件について話し始めた。

 

『サガワ電子とサガワ重工内部情報を洗え。手に余るようであれば元部員たちと協力しても構わない』

 

「先生なら私に頼むと思っていましたよ。ですが、私1人で問題ありません。何せ私は超天才清楚系病弱美少女ハッカーですので」

 

『アンタの自信過剰はいつ直るのかしらね…』

 

素子はヒマリにサガワ電子及び、その親会社のサガワ重工にハッキングを仕掛け、内部情報を抜き取るよう依頼する。彼女の依頼に、ヒマリは自信満々であった。

 

 

 

 

 

レッドウィンター連邦学園

 

『間宵、レッドウィンターの状況はどうだ?』

 

「真っ昼間だってのに静かだよ。広場のほうはサガワの武器を持った兵隊がうじゃうじゃいるし」

 

素子は今のレッドウィンターの状況をシグレに尋ねる。いつもクーデターで賑わっていた広場は、サガワの兵士らしき存在に占領されていた。

 

『サガワにPMCは無かったような記憶だけど?』

 

「ところがどっこい、いつの間にか作ってたみたい」

 

『突発的に事を起こしたわけではないようだな』

 

2人はサガワはカイザーのような民間軍事会社を設立したという話は聞いていなかった。しかしどうやら、クーデターを起こすために以前から計画を練っていたようだ。

 

『安守はどうしてる?』

 

「クーデターを起こそうとして捕まったよ」

 

『でしょうね。まぁいいわ、こちらも事態の解決に向けて動き出している所よ。少し待ってなさい』

 

「助かるよ、先生」

 

素子はミノリのことをシグレに尋ねる。彼女はすでにクーデターを起こして捕まっており、2人とも予想通りといった反応であった。

 

 

 

 

 

連邦捜査部シャーレ・部室

 

「奥空アヤネです。ただ今より、先生の支援を担当します」

 

アビドス高等学校1年生廃校対策委員会所属書記奥空アヤネ。

 

「鬼方カヨコ。先生に呼ばれてここに来た…」

 

ゲヘナ学園3年便利屋68所属課長鬼方カヨコ。

 

「室笠アカネ。最高のご奉仕をお約束し、ご主人様へのご挨拶と致します」

 

ミレニアムサイエンススクール2年C&C所属コールサイン「ゼロスリー」室笠アカネ。

 

「SRT特殊学園、RABBIT小隊の霞沢ミユ、です……。あの、もう帰……っちゃ、だめですよね……」

 

SRT特殊学園1年RABBIT小隊所属コールサイン「RABBIT4」霞沢ミユ。

 

「トリニティ総合学園、正義実現委員会のイチカっす。よろしくっす!」

 

トリニティ総合学園2年正義実現委員会所属仲裁担当仲正イチカ。

 

「風紀委員長のヒナ。私の名前は知ってると思うけど…。よろしく」

 

ゲヘナ学園3年風紀委員会委員長空崎ヒナ。

 

以上が、素子が今回の作戦のために招集したメンバーである。

 

さらに…

 

「ごきげんよう。トリニティ総合学園、ティーパーティーのホストを務めております桐藤ナギサと申します。微力ながら皆さんのお役に立てるよう尽力してまいります」

 

トリニティ総合学園3年ティーパーティーホスト桐藤ナギサ。

 

「ヴェリタスの部長兼、特異現象捜査部の部長…ミレニアム最高の天才清楚系病弱美少女ハッカーの明星ヒマリと申します。ふふっ、よろしくお願いしますね、皆さん」

 

ミレニアムサイエンススクール3年特異現象捜査部部長、元ヴェリタス部長、ミレニアム最高の天才清楚系病弱美少女ハッカー明星ヒマリ。

 

その他エンジニア部、ティーパーティー、風紀委員会、セミナーなどの人員が作戦の補助や情報収集に参加。

 

そして…

 

「連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの草薙素子だ。全員集まったようだな」

 

元内務省公安9課「攻殻機動隊」通称少佐。現連邦捜査部S.C.H.A.L.E教員草薙素子。本作戦の指揮を執る。

 

 

 

 

 

「お前たちに集まってもらったのは他でもない。サガワ重工の子会社であるサガワ電子がレッドウィンターでクーデターを起こし、実効支配を続けている事態を収束させるためだ」

 

「今まで特にそれといった動きを見せていなかったにも関わらず、突然の実力行使。同じくサガワから武器を買っている私たちも他人事じゃないわ」

 

「親会社のサガワ重工は無関係を装っているようだが、連邦生徒会がレッドウィンターの廃校を承認すれば本性を現すだろう」

 

素子は早速今回の作戦の目的を語る。レッドウィンターと同じくサガワから武器を買っていると言うゲヘナは、その衝撃が大きいとヒナは明かしていた。

 

「それで、私たちは何をするっすか?」

 

「それでは皆さん、こちらをご覧ください」

 

イチカが自分たちが何をするのか確認しようとすると、ヒマリは部屋のモニターに何かの地図を映す。

 

「これは…?」

 

「レッドウィンターにあるサガワ電子の本部の地図です」

 

「工場とオフィス…なんだよね?」

 

「何だか随分と下に続いておりますね」

 

ヒマリが映し出したのは、レッドウィンターにあるサガワ電子の本部である。だがカヨコとアカネは、その地図を見て違和感を覚える。なぜなら工場だというのに地下に大規模な構造体が存在していたからである。

 

「こちら以前はカイザーPMCの潜水艦基地が存在していたようです。ですが、レッドウィンターとの抗争の後接収され、今はサガワの物となっていたようです」

 

「それは私も知ってる。でもゲヘナの公式の記録では基地は埋めたって書かれていたけど?」

 

サガワ電子の工場ができる以前、あの場所はカイザーがレッドウィンターを占領するために作った秘密の潜水艦基地が存在していた。しかしその後レッドウィンターがそれを発見し、カイザーをレッドウィンターから追い出したのである。だがヒナはその時にカイザーの基地はレッドウィンターの手によって埋め立てられたはずだと答えた。

 

「そちらについては私からご説明させていただきます」

 

「ナギサ様…?」

 

「まずカイザーの基地を埋め立てたこと、これは事実です。ですがその後サガワ電子がその上に工場を建てた際に、秘密裏に掘り返して工場を拡張していたようです。廃棄する土の量が明らかに多かったとか」

 

ヒナの疑問に対し、ナギサがケンビシから聞き出した情報を伝える。

 

「それは何処からの情報かしら?」

 

「同業他社…とだけお答えいたします」

 

(ケンビシの重役あたりね…。それならライバル企業の情報もある程度の信憑性はあるわね)

 

ヒナの疑問にナギサはそう答える。聞いた相手をボカすナギサであったが、聡いヒナにはその相手が誰だか察することができた。

 

「そしてそろそろ、サガワの拡張工事が地下のカイザー基地に到達する頃合いだとか」

 

「ですが、そのカイザーの遺産を再び掘り出したところでレッドウィンターにクーデターを起こす理由にはならないと思うのですが…」

 

そして丁度その拡張工事がカイザーの基地まで到達する時期だとナギサは述べる。しかしアヤネは拡張工事とクーデターとの関連性を見いだせずにいた。

 

「えぇその通りです。ですがもう一つ、皆様にお伝えすることがございます」

 

「これはナギサさんからいただいた情報を元に、サガワ電子の基地の内部をモニタリングした結果、発見した映像になります」

 

だがナギサがケンビシの重役から聞き出した事はこれだけではないようで、ヒマリは一同にある映像を見せる。

 

「これは…!!」 「そんな…!!」

 

その映像を見て咄嗟に反応を見せたのは、アヤネとミユの2人である。

 

「この男はかつてカイザーPMCでジェネラルと呼ばれていました」

 

「アビドスで理事が去った後に基地で指揮を執っていた人です…!!」

 

「私たちが防衛室長の部屋に突入した時にいた…あの怖い人…!!」

 

彼の名はカイザージェネラル。素子と生徒の前に何度か立ち塞がった男である。

 

「お前たちも知っての通り、先日のアビドスの一件でカイザーの影響力は急激に低下している」

 

「なるほど、例のカイザージェネラルはカイザーを見限ってサガワに転職したということね」

 

「そして彼がサガワ電子にクーデターを唆した…有り得る話です。あの人はアビドスを私たちから奪おうとしたカイザーの人間ですから」

 

カイザーコーポレーションは、雷帝の遺産を手に入れキヴォトス全域を掌握する計画が失敗したため影響力が低下していた。そんなカイザーをジェネラルは見限り、再起のためにサガワへと転職したのだろうとヒナは推測する。カイザーに被害を受けているアヤネも、彼女の考えに同意した。

 

「我々の任務は、コイツやサガワの目的を明らかにしそれを阻止する事だ。そのために我々はレッドウィンターにあるサガワの拠点へと潜入し、サガワ電子の社長及び元カイザージェネラルを逮捕する」

 

「「「「「了解」」」」」

 

「出発は明日明朝、それまでに準備を整えておけ」

 

草薙素子率いる6人は明日明朝シャーレ専用のヘリにてレッドウィンターへと飛び立った。

 

続く




まぁ導入なんでちょいと短め。
私が攻殻立ちをして欲しいメンバーを選びました。ポケモンのパーティー考えてるみたいで楽しかったです。

草薙素子 cv 田中敦子
元内務省公安9課職員にして、連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの教員。30歳。最近教師の仕事を続けてきて説教臭くなってきたことを気にしている。

バトー枠:空崎ヒナ cv 広橋涼
強くて優秀。ドンパチ以外もできるので少佐からの評価も高い。本人も自分を頼ってくれてとっても嬉しいと感じている。

トグサ枠:仲正イチカ cv 鷲見友美ジェナ
気さくな性格と誰にでも分け隔てなくコミュニケーションを取れるため採用。正義実現委員会としての活動も加味している。

イシカワ枠:奥空アヤネ cv 原田彩楓
現場にも出れるサポート役として採用。ネットに潜るのはヴェリタスとかがやるので、前線に出てヘリの操縦や現場での支援を行う。

サイトー枠:霞沢ミユ cv 後藤邑子
RABBIT小隊の中で少佐がその能力を最も評価している人物。その性格が難点だが、それでも採用した。

ボーマ枠:室笠アカネ cv 原由実
爆発物の取り扱いとC&Cとしての戦闘能力で採用。

パズ枠:鬼方カヨコ cv 藤井ゆきよ
元情報部であることと、現場での優れた判断力を持つため採用。

・後方支援役

荒牧課長枠:桐藤ナギサ cv 早見沙織
金とコネを持ってるのと、少佐と波長が合うためよく横車を押してもらっている。

イシカワ及びオペ子枠:明星ヒマリ cv ゆかな (他ヴェリタスの部員たち)
ネットに潜ったりするのはヴェリタスに任せている。任務に応じてヒマリやらチヒロやらを使う。

タチコマ枠:調月リオ cv Lynn・アロナ cv 小原好美
次回登場。リオと言うかリオの作った大型AMASのほう。アロナは言わずもがな。

それではまた来週。
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