GHOST IN THE SHELL Blue Archive 作:H2O(hojo)
エデン条約編の補習授業部初対面あたりの話です。
“というわけで、先生には愛の足りない生徒を導いていただきたいのです”
ナギサに補習授業部なる部活の顧問を頼まれた草薙素子は、少々困っていた。
(参ったわね。ここにきて本来の教師としての職務をやらなきゃいけなくなるなんて…)
彼女の半生は謎に包まれているが、少なくとも15の頃にはメキシコで戦場を駆け抜けていた。つまり、他人に勉強を教えられるような人間ではないのである。
(とはいえ、こんな事をわざわざ私に頼む以上何か他の目的があるわね…)
「先生、どうかしましたか?」
「少し考え事してただけよ」
さらに素子はナギサには他の目的があり、それを知る必要があると感じていた。彼女は補習授業部の生徒に会いに行くためにヒフミと一緒にトリニティの敷地内を歩いていた。
「で、アンタは何で補習授業部なんかに入れられてるわけ?」
「えっ!?いやぁ…その…えっとぉ…」
そして素子と共にいるヒフミも補習授業部のメンバーにリストアップされていた。素子はヒフミに何故補習授業部に入ることになったのか聞くと、彼女は気まずそうにもじもじし始めた。
「実はペロロ様のライブを優先して試験をすっぽかしてしまいまして、こんなことに…。あはははは…」
「つまり試験すら受けていないってこと?アンタ何やってるの?」
「す、すみません…」
そしてヒフミが補習授業部入りの真相を明かすと、素子は彼女の愚かな行動に呆れていた。
「それで、先生は今からどちらに…?」
「正義実現委員会の宿舎よ。そこにアンタのお仲間がいるわ」
「あのエリート組織にですか…!?」
素子たちが向かう先は正義実現委員会の宿舎であった。メンバーのリストには正義実現委員会の生徒が入っており、ヒフミはトリニティでもエリート組織として有名な正実から、補習授業部に入る人間がいることに驚いていた。
正義実現委員会宿舎前
「先生お待ちしておりました」
「久しぶりね」
宿舎の前に立っていたのは正義実現委員会の副委員長であるハスミであった。
「それで、例の補習授業部に入ることになった生徒は?」
「はい。宿舎の中に…」
素子たちは宿舎の中で待つ、補習授業部のメンバーに会うべく建物の中へ入った。
「コハル。お待たせしました」
「ハスミ先輩…」
部屋の中で1人待っていたのは、ピンク髪の小柄な少女であった。彼女は正義実現委員会に所属する1年生の下江コハルである。
「こちら、シャーレの草薙素子先生です」
「連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの草薙素子よ」
ハスミがコハルに素子のことを紹介すると、彼女はコハルに手を差し出す。
「えっ…え、えええ…!!」
「どうしましたコハル…?」
「エッチなのは駄目!!死刑!!!」
だがコハルは素子の姿を見た瞬間わなわなと震えはじめる。そして彼女は素子の恰好を見て、大声でそう叫んだ。
「そ、そんな食い込みで外を歩くなんてどういう事!?変態!!変態だわ!!」
「こ、コハル!?先生に対して失礼ですよ?」
「あっ…すみません。ハスミ先輩」
コハルが着目したのは、素子が着用しているハイレグである。彼女に言わせれば、その食い込みで街中を歩いているのは変態らしい。そして興奮するコハルは、ハスミに窘められようやく落ち着きを取り戻した。
「そ、それで…シャーレの先生がこの私に一体何の用なの?私は正義実現委員会の仕事で忙しいんだけど?」
「話してないのか?」
「はい…本人の心情に配慮して」
素子はコハルに補習授業部の生徒として会いに来たが、当の本人はまだその事を知らない様子であった。どうやら、ハスミが気を効かせて今まで黙っていたようである。
「アナタには補習授業部への入部が義務付けられているわ。私がその補習授業部の顧問よ」
「はぁ!?何で私が正義実現委員会じゃなくて他の部活に入らなきゃいけないわけ?」
「成績不振よ。心当たりがあるんじゃないかしら?」
「アッ…ハイ。スミマセン…」
何も知らないコハルに、素子は彼女が補習授業部への入部を通告する。正義実現委員会のメンバーとしてのプライドがあるコハルは、補習授業部への入部を嫌がるが、素子がその理由を説明すると、すぐに先ほどまでの勢いは消え失せてしまった。
「コハル…頑張ってください。私は正義実現委員会に復帰できると信じていますから」
「はい…」
『次の生徒は浦和ハナコ…コイツか』
素子はナギサから渡された名簿を見て、彼女の情報を調べていた。
『アロナ。浦和のテストの成績を出してちょうだい』
『はい、少佐!』
素子はハナコの成績を閲覧することにした。
『・・・・・・』
『どうかしましたか?』
『この成績の振れ幅…明らかに不自然だな』
そしてハナコの成績を見た、素子は顎に手を当てて考え込む。彼女の1年生の成績と2年生の今の成績の振れ幅が明らかに違っていたのである。
『アロナ、浦和ハナコに関する情報を洗え。恐らくコイツは阿慈谷や下江と違って訳アリだ』
『了解!!』
素子はハナコには何かあると感じ、アロナに彼女に関する情報を収集するよう命じた。
その後
『情報解析完了しました。ただ、トリニティの書き込み寺からの情報も混じっているので信憑性はそこまで高くないかもしれません』
『仕方ないわ。所詮一生徒の情報だもの』
アロナは素子に集めた情報を共有する。ただ一生徒の情報のため、噂に尾ひれがついている可能性があるとアロナは付け加えた。
『トリニティ総合学園2年生浦和ハナコさん。所属している部活はなし。トリニティの中では問題児として有名だそうです…』
『問題児ねぇ…』
アロナは集めてきた情報を読み上げる。そこには「問題児」と表示されており、素子の興味を誘った。
『ハナコさんは校内を水着で徘徊したり、礼拝に水着で参加したりと問題行動が多く、学園内では変わり者として認識されているようです』
『それはいつからの話?』
『少なくとも2年生になった頃からかと。1年生の頃のハナコさんは今とは全く違う人物です』
アロナはハナコの奇行を紹介すると、素子はいつからその行動を取っているのかと尋ねる。それにアロナは2年生になってからだと答えた。
『それは何故?』
『それは分かりません。ですが1年生の頃はご覧の通り全教科100点の成績を収めていました』
『そのようね』
素子はハナコが変わってしまった理由が知りたいようである。1年生の頃のハナコは天才と言ってもいい成績を収めていたのである。
『1年生の頃は「トリニティの才媛」と呼ばれ、ティーパーティーやシスターフッドに勧誘されていたのを目撃したという書き込みが複数存在します』
『なるほど。そういう政治的なアレコレが嫌になってああいった奇行に及び、赤点を取って人を遠ざけるようになったわけか』
アロナはハナコの1年生の頃の噂を素子に報告する。それを聞いて彼女はハナコの奇行の原因を察した。
トリニティ総合学園・空き教室
「・・・・・・」
「うふふ♡」
トリニティの空き教室の1つで、素子とハナコが対峙していた。なおハナコはというとスクール水着で、彼女の前に現れていた。
「アナタが浦和ハナコ?」
「はい♡私が浦和ハナコです♡」
「そう」
素子は目の前の人物が浦和ハナコであるか確認する。それに彼女は煽情的な声で返答するが、素子は意に介さない。
「別に私の前で道化を演じなくてもいいわよ。それが趣味だって言うなら止めないけど」
「はて?一体何のことでしょうか?」
(あくまでもしらばっくれるつもりか…)
いつものふざけた態度でいるハナコに、素子は自分の前でそうする必要はないと述べる。しかし、彼女は首を傾げて分からないフリをする。
「知っていると思うが、お前には今から補習授業部に入ってもらう」
「はい♡手取り足取り、ご教授お願いいたします♡」
「・・・・・・」
素子はハナコに補習授業部への入りを通達する。だがハナコは素子の言葉にこれといって反応せず、思わせぶりな態度を取り続ける。そんな彼女にいい加減素子もうんざりし始めてきていた。
「ところで…先生の身体は肉と骨ではなく機械によって構成されているという噂を聞いたのですが、その噂は本当ですか?」
「えぇ、その通りよ」
「ふむふむ。なるほど♡その恰好も均衡のとれた体躯ゆえですか」
「そんなんじゃないわよ」
そして今度はハナコが素子に、彼女の身体の真相について尋ねる。ハナコは彼女が際どい格好をしているのは、そのナイスバディを見せつけるためだと解釈するが、本人にそんな気は一切なかった。
「先生の身体が生身ではないという噂を聞いてから、私気になって気になって仕方ないことがありまして…♡」
「何だ?」
素子の身体が義体であるという事実を確認したハナコは、彼女について気になって仕方がないことがあるようだ。
「先生の義体は『そういう事』が可能なのでしょうか?『する』とすればどうやって『する』のでしょうか…?私それが気になって気になって…♡」
ハナコが気になるのは素子の義体でそういうこと、すなわち性行為が可能かどうかということである。彼女は直接的な明言は避けつつも、素子に分かるような言い回しでそう尋ねた。
「・・・・・・」
素子は席を立ち、黙ってハナコの元へと近づく。
「あら…?あらあらあら?これは教えていただけるということでしょうか?私、期待で胸が弾けてしまいそう♡」
一方ハナコの反応はというと、素子の義体の秘密を知れるという事実に胸を高鳴らせていた。
「・・・」
「…ッ!!せ、先生…?」
素子はハナコを抱き寄せて、顔を彼女の耳元へ近付ける。素子の突然の行動に流石のハナコも同様しており、今までの態度とはうってかわり顔を真っ赤に染めていた。
「試してみる…?」
「あっ…はっ…??」
素子はハナコの耳元でそう囁く。彼女の挑発的な態度のお返しとばかりに行われた素子の行動に、ハナコは顔を耳まで赤くし目を泳がせていた。
「アナタ…ここで私と一緒に『ブッ飛ぶ』覚悟はある?私は別に何処であろうと、女同士だろうと構わないけど…どうする?」
「ふぇぇぇ…!?」
さらに素子はハナコに畳み掛ける。彼女の言葉を耳元で聞いたハナコは腰砕けになり、緊張と焦りの汗をかいていた。
「冗談よ」
「はぁ…はぁ…えっ?」
素子はハナコが動揺したのを見て、彼女の身体から離れる。あっさり離れた彼女を見て、ハナコは呆気に取られていた。
「別にアンタがどこで水着になろうが構わないけど、あまりそうやって人を揶揄うのは止めることね」
「す、すみませんでしたぁ…」
その後
(残るは最後の1人か…)
素子は補習授業部の生徒としてリストアップされている最後の1人に会うために、目的の場所へと向かっていた。
(白洲アズサ。学年は2年。所属部活なし。別の学園から転校しており、トリニティの授業のレベルについていけていない…)
素子は歩きながらアロナが集めた、アズサの情報に目を通す。
(問題はその前の経歴だな。私とアロナの2人で探しても、何一つ彼女に関する情報が出なかった…。あの娘、一体何者だ?)
トリニティでのアズサの様子を調べたまではいいが、素子はその前の情報を知れずにいた。自身とシッテム箱の性能を持ってしても知れない彼女の過去は、素子の興味を誘った。
「本人に会って探ってみるのが早いかしらね…」
「あっ!いらっしゃいました!!先生!!」
まだ見ぬアズサのことを考えながら彼女の元へ向かっていると、シスターフッドの若葉ヒナタが彼女を見つけてこちらへ走ってきた。
「アナタは確か…」
「はぁ…はぁ…シスターフッドの、若葉ヒナタです」
現状素子はシスターフッドとの関りは薄い。ヒナタともトリニティを訪れた際に偶然挨拶をした程度に過ぎない。
「随分と慌てているようだけど…私に何か用かしら?」
「あっ…はい!実は…」
ヒナタは素子に事情を話し始めた。
「つまり、アナタの後輩が生徒同士のケンカを止めようとしたところ、人質にされて目の前の礼拝堂に拘束されていると…」
「はい。事の発端は今礼拝堂で立てこもっている生徒がいじめを発見したことです。彼女はいじめられっ子を庇ったのですが、反発したいじめっ子が銃撃戦を始めてしまいました」
「そしてそれを止めようとしたアナタの後輩が何故かあそこへ連れ去られ人質にされていると…」
「立てこもった生徒はいじめられっ子への謝罪を求めており、謝罪を行うまで人質を解放しないと言っていてですね…」
「頭が痛くなってきたわ…」
ヒナタから状況を聞いた素子は眉間を指で抑える。彼女は改めてキヴォトスの人間たちの引き金の軽さを実感していた。
「それで、礼拝堂にいる2人の生徒の名前は?」
「拘束されている生徒はシスターフッドの1年生の伊落マリーさんです。そして立てこもっている生徒は、2年生の白洲アズサさんです」
(白洲アズサ…!!)
素子は礼拝堂にいる2人の生徒の名前をヒナタに確認する。そして、人質を取って立てこもっている生徒が、補習授業部に所属予定であるアズサであると聞き驚いていた。
「というわけで、お力を貸していただきたいのですが…」
「そうね。いじめっ子は謝罪させるとして…白洲にまた再び同じような事件を起こされても面倒だ。彼女の対処は私がする」
「ありがとうございます!!」
そういうわけでヒナタは今素子がトリニティを訪れているという噂を聞き、急いで彼女を探していたのである。素子はアズサが再び同じことを起こすことを防ぐために、彼女の対処をすることを決めた。
トリニティ某礼拝堂・礼拝所
「あ、あの…アズサさん?もうやめましょうこんなこと。私も一緒に皆さんに謝りますから、ねっ?」
「いいや。私は諦めるわけにはいかない」
(どうしましょう…この状況)
礼拝堂の中では連れ去られたマリーが縄で縛られ椅子に座らされていた。彼女は何度もアズサに説得を試みたが、悉く拒否されていた。
「あ、電話が…」
「私が出る」
するとマリーのスマホから着信音が鳴る。マリーは手を縛られているため、アズサが彼女のスマホを手に取る。
「もしもし…」
『白洲アズサだな』
「なっ…!?」
マリーのスマホに掛けてきたのは、素子であった。マリーのスマホであるにも関わらず、自分の名前を呼ばれたアズサは動揺して辺りを見渡した。
「お前は誰だ…!?」
『私は連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの草薙素子だ。これからお前が入部する予定の部活の顧問よ』
「部活…?顧問…?」
(一体誰と何のお話をしているのでしょうか…?)
アズサに誰かと聞かれた素子は、自身の名前や所属を名乗る。だがアズサはシャーレのことも補習授業部のことも知らないため、困惑していた。自身のスマホを耳に当てながら首を傾げているアズサを見て、マリーは電話の相手が誰なのか気になっていた。
『白洲アズサ。お前は成績不振により補習授業部入りが決定している』
「補習授業部…?」
『そうだ。同じく成績不振の生徒を集めて、成績向上を図るのが補習授業部の目的よ。成績不振に関しては心当たりがあると思うけど?』
「・・・」
素子はアズサに補習授業部入りを通達する。アズサは素子に成績不振を指摘され、電話越しで黙ってしまった。
『補習授業部の顧問としてお前に一つ課題を出す』
「か、課題…?」
『今から私がそこにいる人質を救出する。お前は私を無力化してみせろ』
「一体何を言って…?」
そして素子はアズサに自分を無力化するようにとの課題を出す。いきなり課題を言い渡されたアズサは困惑していた。
『それじゃあ、精々頑張りなさい』
「ちょっと…!切れた…」
素子はそう言って通信を切った。
「ど、どういたしました…?」
「よく分からない。シャーレの草薙素子って人が、アナタを助けに来るらしいけど…。でも私にそれを阻止しろとも言ってて…」
通話が終わり途方に暮れているアズサに、マリーは声をかける。アズサは素子に言われた事をマリーに説明した。
「シャーレの先生がいらっしゃるのですか?」
「知ってるの?」
「一度挨拶に伺った程度ですが…その活躍は私も聞き及んでいます」
素子の名前を聞き、マリーは彼女がのことを思い出す。マリーもヒナタ同様挨拶を交わした程度であるが、シャーレとしての素子の活躍は耳に入っていた。
「聞くところによると、アビドスを廃校に追い込もうとしたカイザーコーポレーションと戦い、見事廃校を阻止したとか…」
「カイザーコーポレーション…?良く知らないけど、どこかの軍隊の話?」
「か、カイザーコーポレーションのことを知らないのですか…?」
「…?」
マリーは素子のアビドスでの活躍をアズサに話す。しかしアズサはキヴォトス有数の大企業であるカイザーコーポレーションのことを知らず、マリーはその事実に驚いていた。
「その先生の実力がどの程度か知らないけど、私がこの礼拝堂に仕掛けたブービートラップに一つも引っ掛からずにこの場所に辿り着くのは不可能だ。それに辿り着いたとしても、ここには私の用意した武器がいっぱいある」
「そんな危険な物を仕掛けるのは止めましょう?」
アズサは自身仕掛けたブービートラップとゲリラ戦の能力に自信を持っていた。彼女は礼拝所に手榴弾やサバイバルナイフなどを持ち込んでおり、数日間でもここで籠城するつもりであった。
「先生って言うのは、生徒の指揮をする存在でしょ?白兵戦で私に勝てるとは思わない。返り討ちにしてみせる」
「あらそう。それは楽しみね」
「「…!?」」
アズサが白兵戦なら自分が負けるはずはないと口にすると、礼拝所に素子の声が響く。しかしその姿が見えないため、アズサとマリーは驚いて辺りを見渡した。
「どこにいる…!?」
「ここよ」
「なっ…!?」
素子は熱光学迷彩を切りアズサの目の前に現れる。彼女はハンドガンをアズサに向けていた。
「残念だけど。アナタの負けよ」
「まだ終わって…!」
銃を向けられたアズサは、自身も銃を素子に向ける。
「やれやれ…」
「きゅぅぅぅ…!!」
しかしアズサは銃を撃つ前に額に銃弾を撃ち込まれその場に倒れて気絶してしまった。
「無事みたいね。若葉が心配してたわよ?」
「あ、ありがとうございます…」
「くっ…うっ…」
アズサを倒した素子はマリーの縄をほどいた。気絶していたアズサであったが、すぐに目を覚まし額を手で抑えて悶絶していた。
「いつからいたの…?いや、私の仕掛けたブービートラップに一つも引っ掛からずにどうやってここまで来たの?」
「そこよ」
アズサは素子がいつ、どうやって礼拝堂に侵入したのか疑問だった。アズサの問いに素子は礼拝堂の天窓の格子を指さした。
「いつからという話なら、お前が私との通信に気を取られている隙にここへ忍び込んだ。まったく気づかなかったようだけどね」
「…ッ!!」
さらに素子はいつから礼拝所にいたのかという問いにも答える。それにまったく気づかなかったことに、アズサは苦い顔をしていた。
「いじめっ子には謝罪させるように取り計らった。これに懲りたら、もうこんな事をするのは止めることね」
「いいや。私はまだ…」
「もう一発欲しい?」
「ご、ごめんなさい」
素子はアズサに事件の発端となったいじめっ子に謝罪をさせることを伝える。それでもまだ自分と戦おうとするアズサに、素子は再び額に銃を突きつけると、ようやく彼女は諦めた。
「それと…私の行動を逐一監視するのは止めて貰えるかしら?」
「「…??」」
アズサを無力化した後、素子は礼拝所に取りつけてある監視カメラに向かってそう告げた。
ティーパーティー・テラス
((…ビクッ!!))
ティーパーティーのテラスにて監視カメラ越しに素子の様子を見ていたミカとナギサは、そのことが本人にバレていたことを知り驚いた。
「ちょっと!?バレてるじゃん!!」
「情報局の諜報員が尾行を何度も撒かれているという報告を聞いてはいましたが…まさかこれほどとは…」
ティーパーティーは素子がアビドスで活動をしていた時点から、彼女の行動を監視しており、その度に尾行を撒かれていた。
『あんまりしつこいと「宗旨替え」するわよ』
「宗旨替え…ってどういうこと?」
「シスターフッドを懇意にするという意味かと。トリニティの内情にもお詳しいようで…」
素子は2人に対し、「宗旨替え」という言葉を使って警告する。同じトリニティでもティーパーティーとシスターフッドの関係は微妙なものである。そんなトリニティの内情を理解していることも、素子は暗に伝えていた。
「思った以上に手ごわい相手ですね…」
「うん…」
ミカとナギサは互いに顔を見合わせて、困った顔をするのであった。
中の人は結構先生役とかやってるんですけどね...。
今週はヒヨリの中の人(cv中原麻衣)とナメクジ交尾してましたね、少佐。
それではまた来週。