GHOST IN THE SHELL Blue Archive 作:H2O(hojo)
知能犯は勿論カスミのこと。
あと久しぶりの感想ありがとうございます!!めちゃめちゃ嬉しいです!!
トリニティ自治区の外れより、初代ティーパーティーが使用したというティーカップを本校まで持って来るよう指令を受けた仲正イチカであったが、間違えて3時間早い列車にその荷物を積んでしまった。彼女は草薙素子先生と共に慌てて電車に飛び乗ったのだが…
15:10
“発車いたします”
「ふぃ~何とか間に合ったっす…」
「危うく荷物だけ持っていかれるところだったわね」
無事電車に乗ることができたイチカと素子は、その場で一息つく。この列車にはトリニティの校宝になるほどの遺物が積まれており、彼女たちはそれを回収してトリニティへ帰還しなければならない。
“この電車は特急ゲヘナ行きです。途中停車駅は…”
「えっ…!?ゲヘナ行き…?」
だがイチカは自分たちが乗車した電車がゲヘナ行きだという事実をアナウンスで知らされ、その細い目を見開いた。
「そう慌てる必要はないわ。途中下車して折り返せばいい」
「そ、そうっすよね。あはは…」
「「「「「・・・・・・」」」」」
(うわぁ…乗客がめっちゃこっち見てくるぅ…さっさと降りてー)
一方で素子は至って冷静で、途中下車して折り返す算段までしていた。その横でイチカは、ゲヘナ行きに乗るトリニティ生ということで、乗客たちから懐疑の目で見られており、気まずそうに縮こまっていた。
(さっきからやけに乗務員や警備員が車両をうろついているな…)
「交代の時間です」 「あぁ頼んだ」
(護衛をしているのはこの後ろの車両か。車両の構造から見るに…貴重品や要人ではなく危険物や凶悪犯罪者を載せているように感じるな)
素子は列車内にハイランダーの乗務員や、それ以外の警備兵が通常よりも多く配置されていることに気付く。そしてそれが、自分のいる車両の後ろにある護衛車両の中に存在する何かであると結論付けた。
(カチ…カチ…カチ…カチ…)
「ん?何の音っすかね、コレ?」
すると、隣の護衛車両から何か規則性のある音が鳴っているのに、イチカが気が付く。
「…ッ!?全員伏せろ!!」
「えっ?」
そして素子はいち早くその音の正体に気が付くと、大声でその場にいる者たちに伏せろと叫んだ。イチカは素子に頭を押さえられ、何も分からないまま地面に伏せる。
「「「「「うわぁぁぁぁぁ!!!」」」」」
「チッ…車両を爆破して鉄の隔壁をブチ破ったな」
次の瞬間、護衛車両の壁が爆発し、その近くにいた警備員たちは車両の前方へ吹き飛ぶ。その間素子は伏せながらも、冷静に状況を観察していた。
「うーむ、火薬の分量を間違えたかな?本来ならここで護衛車両が切り離され横転するはずだったんだが…」
「な、何が起こってるんすか…?」
「なるほど、ヤツの仕業か」
その爆発の中から一人の少女の声が聞こえてくる。彼女はこの爆発を引き起こした存在のようで、素子は彼女の正体に気がついていた。
「おやおやぁ?そこにいるのはシャーレの先生じゃあないかぁ!!奇遇だなぁ」
「やはりお前か鬼怒川カスミ、あの時以来だな」
爆発の煙の中から現れたのは、温泉開発部部長の鬼怒川カスミであった。彼女は以前素子の作戦に協力したことがあり、素子に興味を抱いていた。
「知り合いっすか?」
「温泉開発部部長。ゲヘナの有名なテロリストだ」
「なぁッ!?」
イチカは素子にカスミが何者なのか尋ねる。素子の回答にイチカはその細い目を見開いていた。
「先生の隣にいるのはトリニティの…正義実現委員会のお嬢ちゃんじゃあないか?しかし何故ゲヘナ行きなんかに?」
「こちらにもこちらの事情があるのよ。用が済んだらさっさとこの列車から退散させてもらうわ」
「そうかいそうかい…だが、もう終点まで降りれないかもしれんぞ?」
「なに?」
カスミは素子の隣にトリニティの正義実現委員会の生徒がいることに気付き、ゲヘナ行きの電車に乗っていることを怪しむ。事情を聞いたカスミは彼女たちが途中下車することはできないかもしれないと伝えると、素子は眉を顰めた。
(ピンポンパンポーン)
“この列車は緊急事態につき、当初の予定を変更いたします。終点、ゲヘナ自治区32-1番街まで停車いたしません。また、車両間の移動を禁止いたします。その他不審な行動があった場合は速やかに客室乗務員と警備員が対処いたします”
すると車掌からのアナウンスが流れ、彼女たちが乗っていた電車が終点のゲヘナまで停車しないことと、車両間の移動を禁止すると述べる。
「どういうことだ?」
「私の護送をハイランダーに依頼したのは、アランチーノ・ファミリー…つまりマフィアさ。ヤツら、マフィアから賄賂を貰ってるってわけ」
「なるほど。その事実が世間にバレてもマズい、無事護送できなければ報復も怖い。だからノンストップで終点にお前を運ぼうというわけか」
「その通り。いやはや…話が早くて助かるよ」
素子はカスミにこうなった理由を尋ねると、彼女はハイランダーがマフィアと癒着している事実を明かす。それを聞いて素子はすぐに事態を理解し、その理解力にカスミの舌を巻いた。
「さてどうするね?むざむざ終点まで行って捕まってやるつもりもないし、私はとりあえず先頭車両へ向かおうと思うが…」
「そうね。同行させてもらうわ」
「ちょっ!?」
カスミはこれから先頭車両に向かうと言って、2人にどうするか選択を迫る。素子は即座に同行すると答え、イチカは困惑していた。
「相手はゲヘナのテロリストっすよ!?」
「そうも言ってられないでしょ?」
「そうっすけどぉ!!」
イチカは慌てて素子の元へ詰め寄り、ゲヘナのテロリストと同行するのかと訴える。しかし彼女の訴えも虚しく、素子はカスミと共に前の車両に移動し始めていた。
「アハハハハハハッ!!さぁ行こう!!」
「・・・・・・」
(と、とんでもねぇことなってしまったっす…)
イチカは頭を抱えながら、カスミたちについて行く他なかった。
4号車
「ところで先生たちは何故この列車に乗っているのかな?」
「元々はトリニティに荷物を運ぶ予定だったが、手違いでその荷物をゲヘナ行きの列車に載せてしまったのよ」
「ほうほう…で、その荷物とは?」
「『ゲヘナ』のテロリスト相手に言うと思う?」
車両を移動したところで、カスミは改めて何故素子たちがゲヘナ行きの列車に乗っているのかを尋ねる。しかし、素子はその理由を全て明かすことはしなかった。
「傷つくなぁ。私も先生にとっては大切な生徒だと思うのだが…」
「残念だったな。私は贔屓もするし、素行が悪ければ実力も行使する。特にお前のようなテロリスト相手には容赦しないつもりだ」
「おー怖い怖い。気を付けなければいけないねぇ~」
(聞いてる私が一番こえぇっすよ…)
カスミは自らが警戒されていることを知って、わざとらしく悲しむフリをする。だが素子にその手は通用せず、容赦しないと宣告される。それでもカスミは態度を変えることなく、笑顔を絶やさなかった。なお、その横ではイチカが2人がいつ撃ち合いを始めないかと戦々恐々していた。
「なっ!?お前たち、何故勝手に車両を移動しているんだ!?止まれ!!」
「私たちは先頭車両に用がある。そこを退け」
「アンタ…放送を聞いてなかったのか?」
「聞いていたわ。そのうえでお前たちの指示に従うつもりはないと言っている」
乗組員の1人が、素子たちが車両を自由に歩いていることに気付くと、制圧用の小銃を構えて制止を促す。しかし素子はそれを無視して、退けと命令する。その命知らずの行動に、乗組員は彼女の正気を疑っていた。
「そらそら、君たちだって席から動きたいだろう?このまま彼女だけに任せてもいいのかい?」
「へへへへへ…コイツの言う通りだな」
「ちょうどコイツにはムカついてたところだ」
「き、貴様らぁ…!!」
素子と乗組員が睨み合いを続ける横で、カスミは苛立ちが募る乗客たちを煽り、火をつける。彼女に乗せられた乗客の不良やチンピラたちは一斉に立ち上がり、乗組員に反逆し始めた。
「さぁ、目指すは先頭車両だ!!進めぇ!!ハッハッハァ!!」
「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
「クソッ…撤退する!!」
乗客たちが自分に殺到し始めたため、乗組員は急いでドアをロックし3号車へと移った。
「あんにゃろ!鍵かけやがった!!」
「開けろオラァ!!」
閉じ込められた不良たちは、鍵を開けろと言って列車の扉をドンドン叩く。しかし、キヴォトスの銃撃戦にも耐えられるよう設計された扉は、拳を叩きつけた程度ではビクともしなかった。
「さぁどいたどいた!!ここは私に任せたまえ」
「な、何するつもりっすか?」
「そんなもの決まっているだろう。さっきやってみせたように、コイツでドカーンさ」
「ま、マジすか…」
苛立つ不良たちを掻き分け、カスミはドアの前に立つ。彼女は手持ちの小型爆弾を使って、先ほどのようにドアごと爆破させるつもりである。カスミの思惑を聞いたイチカは、ゲヘナのテロリストの思考にドン引きしていた。
「それ、ドッカァァァン!!」
「「「「「Fooooooooo!!!!」」」」」
カスミが扉に爆弾を仕掛け爆発させると、乗客から歓声が沸き上がった。
「それ、突入だぁ!!」
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
こうして一行は3号車へと殺到した。
3号車
「ヤツらを行かせるなぁ!!」
「行け行け行けぇぇ!!」
3号車にて、護送と警備のために配備していたハイランダーの人員とカスミを筆頭とした不良たちが激突する。その影響で窓は割れ、座席は銃弾で穴だらけになっていた。
そして、そこに第三の勢力が現れる。
「風紀委員会だ!!全員銃を置いて両手を挙げろ!!」
銀鏡イオリ率いる風紀委員会である。彼女たちは猛スピードで途中停車もせず疾走する列車がいるとの通報を受け、バギーで並走しながらこの列車に飛び乗ってきたのである。
「チッ…ゲヘナの風紀委員会に嗅ぎ付けられたか」
「おうおう風紀委員会がなんぼのもんじゃい!!」
(げ、ゲヘナの風紀委員会まで来るなんて…今日は厄日だぁ!!)
イオリたちを見て、ハイランダーの生徒たちは嫌な顔をし、不良たちはさらに興奮する。そして、イチカはさらなるアクシデントに頭を抱えていた。
「やぁやぁ、イオリちゅわぁ〜んじゃないかぁ!こんな所で会うだなんて奇遇だねぇ」
「お、お前は…カスミ!?」
カスミは乗り込んできたイオリに声を掛けると、彼女は心底嫌そうな顔をする。イオリはカスミにしてやられることが多く、苦手意識を持っていた。
「それに先生!!と…トリニティの人?」
「こちらのトリニティの生徒は…何て言ったっけ?ヨンカちゃん?ロッカちゃん?」
「イチカっす」
「あぁ、そうだった。正義実現委員会のイチカちゃんだ」
さらにイオリは先生とその隣に立つイチカを見つけるが、彼女はイチカとの面識はないため、少し戸惑っていた。一方カスミはイチカの名前をわざと間違え、彼女を苛立たせていた。
「先生は一体何でこんな場所にいるんだ?どうして温泉開発部のカスミと一緒にいるんだよ?」
「もう説明するのは飽きたわ。自分で勝手に想像してちょうだい」
「何だよその態度は!?何かやましいことでもあるのか?私に何か隠してるんじゃないだろうな?」
どうやらイオリは素子が自分が取り締まる対象であるカスミと一緒にいることがショックなようで、その理由を問いただそうとする。しかし、素子は再度の説明が面倒くさくなったのかイオリを突き放すと、彼女はさらに狼狽えだした。
「私たちは先頭車両に用がある。そこをどいてもらおうか」
「なっ!?まさか本当にカスミと一緒に…?そんな…!!」
「その通りだ、カスミちゅわぁ~ん。今の私は草薙素子先生とは目的を同じくする仲間なのさ」
「アンタの仲間になった憶えはないわ」
「寂しいこと言わないでくれたまえよぉ~」
素子はイオリにその場からどくように促す。その隣でカスミは素子の肩に乗り上げ、自分と彼女が目的を同じくする仲間であるとアピールしていた。
「お前たちもゲヘナの風紀委員会もそこまでだ!!」
「「「「「…!?」」」」」
「コイツはお前たちのような不届き者たちを制圧するためのキャノン砲だ!!」
彼女たちが言い争っている間に、ハイランダーは暴動制圧用のキャノン砲を用意して、3号車へ配備する。その砲口はイオリたちの元へ向いていた。
「発射!!」
「痛ったッッッッッッッッ!!」
そしてハイランダーの砲手がキャノン砲を発射すると、イオリの頭部にそれが直撃し、イオリは悶絶しながら床へ倒れこむ。
「よくもやってくれたな!!」
「次発装填次第撃て!!撃って、撃って、撃ちまくれぇ!!」
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」
「もうどうにでもなれぇぇぇぇぇぇ!!!」
しかしイオリは気絶するまでには至らず、即座に立ち上がり乗務員に反撃を開始する。3つの勢力が入り乱れる混戦の最中、イチカはどうにでもなれと絶叫していた。
「ホラ、興奮してないでさっさと前へ行くわよ」
「えっ?」
「周りを見たまえ。皆目の前の敵を倒すのに夢中で、誰も我々の動向を気にする者はいない。この隙に前の車両に移ろうじゃないか」
「あ、はいっす…」
(先生はともかく、コイツはどこまで考えてっるすか?)
冷静さを失って突っ込もうとするイチカを、素子は袖を引っ張って制止する。素子とカスミはこの隙に密かに先頭車両を目指そうと考えていた。カスミのその周到さに、イチカは若干の恐怖を抱き始めていた。
2号車
「ふぅ…3号車へ人員を全て動員しているようだな。ラッキーラッキー」
「そのようね」
2号車へ侵入した3人だったが、そこはもぬけの殻であった。どうやら暴動が起こっている3号車に行っているようである。
「さて、私はコイツを使って先頭車両の扉を開けてくる。先生とキュウカちゃんはそこで、彼女たちが入ってこないか見ていてくれたまえ」
「イチカっす!!わざと言ってんすかぁ!?」
「いやぁ~すまないねぇ。爆発の衝撃で記憶力が悪くなったのかもしれないな」
(コイツ…!!)
カスミは先ほどの乱戦で乗務員からくすねたICカードを持って、ロックのかかった先頭車両の扉を開けると言って、2人に後ろを見張るよう依頼する。相変わらず名前を間違える彼女に対し、イチカはそろそろ我慢の限界を迎えていた。
「ついでに君たちの荷物も取って来てやろう。どんな姿かね?」
「トリニティの校章が入っているトランクケースっす」
「分かった。さっさと回収して退散するとしよう」
「・・・・・・」
そこでカスミは彼女の怒りを抑えようと思ったのか、ご親切に目的の荷物を取って来ると言い始める。イチカは彼女の厚意に甘える形で、素子が教えなかった鞄の詳細を口にしてしまった。
「いやー見つけるのに中々手こずってしまったが、何とか探し出せたよ」
5分後、カスミが校宝の入った鞄を2人の元へ持ってくる。
「ご苦労様っす」
「おっと…そう簡単に渡すわけにはいかないねぇ」
「いい加減に…!!」
「いいのかね?コレがどうなっても…」
イチカが鞄を受け取ろうとすると、カスミは腕を引いて彼女の手は空を切る。ここまでこの鞄のために数々の無礼を我慢してきたイチカであったが、これには流石の彼女も我慢の限界のようで、声を荒げる。しかし、カスミは鞄を人質に取り、彼女の実力行使を防いだ。
「コレは私が列車を降りるまでは預からせてもらうよ。先生が私の身柄を風紀委員会に渡すようなことのないようにね」
「チッ…お前を少しでも信じた私がバカだったっすよ!!」
「そう興奮することはないじゃあないか。後でちゃんと返すよ」
「ぐぅぅぅぅぅぅ…!!!!」
カスミは先ほどの素子の発言から、用が済んだらテロリストである自分をテロリストに引き渡す可能性があるのではないかと考えていた。そのため自らの身の安全の保証をするために、このような手段に出たわけである。イチカはカスミを撃ってやろうと考えていたが、目の前に大事な鞄を掲げられたことによって、何とか踏みとどまっていた。
「はぁ…さっさとソレをこちらに渡せ」
「オイオイ、いいのかい?こっちは君たちが大事に運んでいた荷物があるんだぞ。少しでも私に近づこうものなら、こちらもそれなりの手段を取らざるを得ないな」
「なッ!?それは…」
「そうだ、爆弾だとも。この鞄がどれだけ頑丈かは知らんが、コレを使えば中身は粉々だ」
蛮行に出るカスミに対し、素子は呆れながら銃を取り出し、彼女に向ける。一方カスミもそっちがその気ならと爆弾を取り出し、イチカは顔を青ざめた。
「今なら痛い目に遭わずに済むぞ?」
「そうかいそうかい…そっちがその気ならッ!!」
(嘘でしょ!?マジでぶっ壊すつもりっすかぁ!?)
イチカの気持ちなど露知らず、素子はカスミに近づき、カスミは爆弾のスイッチを押そうとしていた。
「それドッカー…うぐッ!?」
「あぁあ!?」
カスミが残虐な笑みを浮かべながらスイッチを押そうとする寸前で、素子は彼女の手の付け根を撃ち、爆破を阻止する。しかし、その衝撃で鞄は地面に落下し、その衝撃で中から陶器の割れる音が聞こえる。それを聞いたイチカの顔は絶望に染まっていた。
「うっ!?ぐっ!?がっ!?おっ!?げっ!?ぬっ!?」
「・・・・・・」
一方鞄が落ちたことなど気にせず、素子はカスミに容赦なく銃弾を頭から撃ち込んでいく。それにカスミは抵抗できず、ただただ痛みを味わうことしかできなかった。
「一つ教えておいてやる。私が一番嫌いなのは、お前のような他人を舐め腐ったクソガキだ」
「う、うぅぅぅ…」
そして銃弾を全て撃ち尽くした後素子はそう言うと、カスミはその場に倒れてしまった。
「仲正、コイツに手錠をかけておけ。それが済んだら、さっさとここから脱出するぞ」
「は、はいっす。でもどうやって?」
「既に列車の上にタチコマを2機待機させてある。それに乗ってトリニティへ帰るだけよ」
素子は気絶したカスミをイチカに拘束させる。さらに彼女は列車の上にタチコマを待機させており、それでこの列車から脱出を図ろうとしていた。
「でも、校宝が…」
「別にそんなに心配することはないわよ。桐藤はコイツで無傷で持って帰れとは言っていない。コイツは初代ティーパーティーが使用したという事実が重要であって、完全であることはさほど重要ではない。所詮は権威付けの道具として使用する程度のシロモノだ」
「そ、そうかもしれないっすけど…」
イチカは校宝が割れてしまったことを惜しむが、素子はティーカップが割れていても問題無いと答える。しかしイチカは、彼女の説明に納得していなかった。
「それに、修復のアテはあるわよ」
「修復のアテ…?まさか!!」
「ティーパーティーからの依頼なら断らんだろう」
「ま、まぁ…そうっすね」
(図書委員長、これから徹夜確定っすね。可哀想に…)
そんなイチカに素子は修復のアテがあると言うと、彼女は「古書館の魔術師」こと古関ウイの姿を思い浮かべる。彼女の修復能力はトリニティどころかキヴォトス随一であった。だがイチカが感じたのは喜びではなく、同じ苦労人としての彼女への同情であった。
「トリニティに帰還するぞ」
「はいっす」
その後2人は、タチコマに乗ってトリニティへと帰っていくのであった。
カスミとイオリの乗った列車はその後、橋を通りかかったところで温泉開発部に爆破される。これによりカスミは逃亡。イオリは1週間の救急医学部での生活を過ごすハメになった。
Trip-Trap-Train 完
少佐もヒナと同じく理不尽な強さを持ってる側なので、カスミはひぇぇします。
クソどうでもいい豆知識
カスミ役の上坂すみれさんはフラッシュアニメで少佐を演じたことがあります。
それではまた来週。