GHOST IN THE SHELL Blue Archive 作:H2O(hojo)
今回の目玉は少佐vsアバンギャルド君です。
本編とキャラの配置を変更しまして、ネルを除いたC&Cと少佐がアバンギャルド君と対決します。
要塞都市エリドゥ・監禁室
「リオ。貴女は本当にそれでいいのですか」
「えぇ。私の出した結論が最も合理的よ。皆には賛同を得られなかったけれど、それでもミレニアムを、キヴォトスを守るためにはこうするのが最適解だわ」
「はぁ…やはり貴女とは致命的に噛み合わないですね」
リオの凶行を止めるべく彼女に会いに行ったヒマリであったが、逆に彼女に捕縛され、現在はリオが作った要塞都市エリドゥに監禁されていた。ヒマリの問いに対し、リオは自分の選択こそが最適解だと答え、そんな彼女にヒマリは呆れていた。
「ですが、そんな嚙み合わない私と貴女でも先生の評価は一致していたはずです。アリスちゃんを攫う際にも、彼女との接触を避けていたようですが、あの方は必ずこの場所を突き止め乗り込んで来ますよ?」
「…分かっているわ」
「正気ですか?」
ヒマリは素子が必ずアリスを取り返しにエリドゥまでやって来ると考えており、リオに彼女に勝つ算段があるのかと尋ねる。しかしリオは目を逸らし、ただ分かっていると答えたのでヒマリは彼女の正気を疑った。
「貴女とトキだけで、本当に彼女に挑むのですか?ハッキング能力だけでも我々を遙かに凌駕するあの人に?」
「そのつもりよ。そのための対策も既に立ててあるわ」
「リオ…まさか貴女がそこまで夢想家とは思いませんでした」
ヒマリはリオとトキの2人だけで素子に勝つことは不可能だと考えていた。しかし、リオは勝つつもりであると知ったヒマリは、彼女のことを夢想家だと揶揄するのであった。
「もう好きになさい」
「えぇ、元よりそうするつもりよ」
ミレニアム・某所
「あれが要塞都市エリドゥ…」
「おっきい…!!」
「私たち、今からあそこに行くんだよね」
モモイ、ミドリ、ユズの3人は貨物列車の窓からエリドゥを眺めていた。彼女たちは要塞都市と言われるほどの都市の大きさに驚いていた。
「ボクたちが全機出撃するのって何気に初めてじゃない?」
「例の里帰りの時も6機だったしね」
「初めての共同作業!!」
「あんまり喋ると少佐に怒られるよ…」
一方貨物列車にはシャーレに配備されているタチコマ9機全てが載っており、彼らはそのことについて話していた。実は彼らが全機揃って出撃したことは9課時代でも一度もなく、今回が初めてであった。
「そんで、どうすんだよ?あの壁ぶっ壊して侵入すんのか?」
「フフフ…爆発でドカーンとですか。いいですね」
「確かに登るのは非効率だし」
「私は皆でクライミングもいいんだけどなぁ~」
タチコマが騒いでいる横では、C&Cの4人が各々の武器を手入れしながらどうやって潜入するかについて話し合っていた。彼女たちはエリドゥの外縁に聳え立つ壁を破壊して、侵入を試みようとしていた。
「はぁ…お前たちは二言目にはすぐそれだな」
「じゃあどうすんだよ!?」
「わざわざそんなことする必要ない。堂々と正面から入ればいい」
壁を破壊するという結論を出したC&Cに対し、素子はため息をついていた。彼女たちの結論と違い、素子は正面からエリドゥへ入ると述べた。
「正面から入るって…正面の扉は見張りのドローンや迎撃用の砲台が満載だって言ったのは先生じゃねぇかよ」
「それを何とかしてやるって言ってんのよ」
だが当然正面の扉には厳重な警備が敷かれており、C&Cたちであっても返り討ちにされる可能性が高い。しかし素子は何とかすると言って、シッテムの箱を起動させた。
エリドゥ・モニター室
“緊急事態発生。緊急事態発生”
「…!?」
エリドゥの中心部にある高層タワーの中で、リオは素子たちの襲撃に備えていた。だがここで緊急事態発生のサイレンが室内に鳴り響き、リオは椅子から立ち上がった。
「侵入者?」
“防壁にウイルス侵入。感染拡大中”
“抗体に機能衝突。敵、操作外壁を突破”
モニターには侵入者を表すアイコンが表示されており、アナウンスがエリドゥのシステムがウイルスに侵されはじめていることを伝える。
「最終防衛ラインへの割り当てを増強。感染部をデコイに対応させて廃棄」
“ウイルス解析状況、共食いが進行中。14種中和。2種進行中。1種未特定”
「未特定とはどういうこと?確認しなさい」
“初見では不活性無反応。囮かと思われます”
「抗体のバージョンを変えて解析。敵に対応方法を見せないで」
リオは防壁の割り当てを変えるよう指示を出すが、ウイルスを全て中和することができずにいた。だがそれでもリオは冷静さを失わず、ウイルスの攻撃に対処しようとしていた。
“敵が中継器を制圧し始めました。回線の物理的切断不能。侵入したウイルスが増殖”
「これが先生の力だと言うの…」
“第一防衛ライン60%消失”
「エリドゥの演算機能でバックアップしなさい…!!」
しかしリオが方法を変えても、ウイルスによる侵攻は止まらない。そうして遂に、リオはエリドゥ本体の演算機能を解禁するのであった。
ミレニアム・エリドゥ付近
『白石、こちらの仕込みは終わった。始めていいぞ』
『了解』
素子はエリドゥのシステムにウイルスを送った後、ウタハたちエンジニア部に指示を出した。リオがウイルスの対処に気を取られているうちに、彼女たちに何かやらせようとしているのである。
「先生からの指示が来た。私たちも仕事にかかろう」
「はい!!」 「うん」
ウタハたちは素子たちとは別のルートでエリドゥに潜入しており、現在配線の通る地下通路にいた。彼女たちは自前で開発した光学迷彩をオンにして通路を進むのであった。
「何とかするって言ってたけどよぉ。呑気に電車に揺られてていいのかよ?」
「アンタには何もしてないように見えてるでしょうけど、既にエリドゥのシステムにウイルスを送ってるし、白石たちに正面の防衛システムの配線を切断するように指示してるわ」
「ちょっ!?オイ、そういうことは早く言えよ!!」
ネルはただその場に座っている素子に、不満を感じていた。しかし電脳化をしていない彼女からはそう見えるだけで、素子はエリドゥ攻略のために着々と動いており、ネルはそれを伝えない素子に抗議した。
「そろそろ次の段階へ進むとするか…」
エリドゥ・モニター室
“敵の攻性防壁512種、レベル1に展開中” “合体型ウイルス侵攻中。現在修復中”
“防衛ライン70%回復。22%が交戦中。8%が…”
“413が破壊移動型、82が合体部品、27は爆弾と誘惑物”
エリドゥのモニター室ではAI音声が素子からの攻撃の状況を代わる代わるアナウンスしていた。
“エリドゥからの支援防壁、機能値最大97%まで到達”
“敵の攻性防壁512種、レベル2に侵攻中”
「何とか持ち直したわね…」
要塞都市の防衛システムは、エリドゥの演算機能をバックアップに回したことにより何とか侵攻を抑えることに成功する。それを見てリオは安堵していた。
“エリドゥ正面の防衛システム、物理的切断の可能性あり”
「なッ…!?」
(こっちの攻撃は囮だったというの…!?)
だがその直後、すぐにエリドゥ正面の防衛システムが切断されたという報告が入る。それを聞いたリオの表情は安堵から焦りに変わっていた。
『何でもかんでもAI任せにすると、ネズミやネコにも出し抜かれるわよ?』
「…ッ!!」
そしてモニター室では素子からのメッセージが再生されていた。リオはそのメッセージに悔しさを滲ませていた。
エリドゥ正面
「おぉ~本当に何もしてこない」
「エリドゥの防衛システムが完全に止まってる…」
「これが先生の力…」
エリドゥの外縁の正面に辿り着いた一同は、防衛システムが完全に沈黙していることに驚いていた。
「室笠。ここに爆弾を仕掛けろ。程々の威力でいい」
「承知いたしました」
素子はアカネにエリドゥに入る扉のタッチパネルやモニターが設置されている部分の破壊を命じる。アカネの性格を鑑みて、素子は爆弾の威力は程々でいいと釘を刺していた。
「終わりました」
「よし。では中に入るぞ」
「「「「「はーい!!」」」」」
素子を先頭に、一同はエリドゥの内部へ易々と侵入した。
「やぁ、先生にみんな。無事中へ入れたようだね」
「お待ちしてましたよ!!」
「良かった…」
エリドゥの中に入ると、エンジニア部の3人が待っていた。彼女たちは地下からエリドゥの内部へと侵入し、ここまで辿り着いたのである。
「ここからは3手に別れるぞ。一之瀬、角楯、室笠の3人は私について来い。恐らく調月は私に対し、何かしら対策をしているはずだ」
「は~い♪」 「了解」 「承知しました」
「美甘は、才羽姉妹と花岡を率いて真っ先に中央のタワーへ向かえ」
「おう!!」 「「はい!!」」 「はい…」
「白石、豊見、猫塚の3人はエリドゥのシステムの無力化を続けろ」
素子はC&C、ゲーム開発部、エンジニア部を3つのチームに分け、それぞれ指示を出す。素子たちはリオのまだ見ぬ秘策を受け持ち、ネルとゲーム開発部は本命のエリドゥ攻略、ウタハたちエンジニア部は引き続き配線の切断してエリドゥの防衛システムの無力化をする。
『通信チェック。先生、聞こえてる?』
『問題無い』
『先生の組んだ暗号変換コードだから大丈夫だと思うけど、会長に枝を付けられないように注意してね』
そして彼女たちをバックアップするためにヴェリタスの副部長であるチヒロが通信を繋げる。
「しょうさー!!ボクたちはどうすればいいですかー?」
「私たちに4、美甘たちに4、白石たち1付け」
「「「「はーい!!」」」」」
素子が生徒たちを割り振ったところで、今度はタチコマからどうすればいいかと問い合わせが来る。彼女はタチコマをそれぞれのチームに割り振り、彼らはそれぞれのチームに別れた。
「ご主人様と一緒の任務なんて久しぶりだな~♪」
「そうですね。気を引き締めて参りましょう」
「うん。私も頑張らないと…」
「「「「・・・・・・」」」」
C&Cの3人が素子と共に任務に参加するのは、ゴールデンフリース号の1件以来である。3人が集まってそのことを話している横で、ネルやゲーム開発部の4人は、彼女たちのことをじっと見つめていた。
「やっぱそういう人選なのかな…?」
「えっ!?何々?どういうこと?」
「自分とあっちを見比べてみたら、お姉ちゃん?」
「あっ…」
彼女たちが気にしているのは向こうのチームと自分たちのチームとの体格の差である。モモイはミドリに指摘され、自分とアスナたちの身体を比較してしょんぼりしていた。
「手っ取り早く理想の身体を手に入れたければ義体化をオススメするわよ?元の身体とのギャップを埋めるためのリハビリは結構大変だけど」
「特注の義体の開発なら私たちに任せてくれ!!」
「余計なお世話だよ!!」
そんな彼女たちに素子は義体化をオススメする。さらにウタハもそれに乗っかったため、ネルが痺れを切らして怒りだした。
『まさかこんな大勢で乗り込んでくるとは思わなかったわ…』
「あぁん!?テメェ喧嘩売ってんのか!?」
『・・・・・・』
「あっ、ワリィ…」
彼女たちがそんなことを続けていると、リオから通信が入る。先ほどまで体型の話をしていたため、ネルは反射的に彼女の身体を見て逆ギレしてしまう。いきなりキレられたリオは、その場で黙り込んでしまったため、ネルは咄嗟に謝った。
「こうやって直接会話するのは初めてだな、調月リオ」
『そうね』
「私の前に姿を現すのを避けているようだけど、そんなに私が怖いか?」
『そ、そういうわけではないわ…』
(((((怖いんだろうなぁ…)))))
通信越しとはいえ、素子とリオは今回が初めての顔合わせとなる。会えるチャンスは今までいくらでもあったはずなのに、悉く接触を避けてきたリオに対し、素子は自分のことが怖いからと尋ねる。本人はそれを否定していたが、周囲の者は彼女が怖いのだろうと察していた。
『流石は先生ね。電脳戦は私の完敗だったわ』
「私はそっち方面は詳しくないけどよぉ、リオがそう言うってことはアンタ相当なんだな…」
「先生って凄いんだね」
「お姉ちゃん今更…?」
リオは先ほどの素子のエリドゥの防衛システムのハッキングに対し、素直に負けを認める。彼女が電脳戦で負けたという事実を知り、ネルは素子が卓越したハッキング能力を持っていることを理解した。
『けれど、ここからはそうはいかないわ』
「いいだろう。お前の全てを賭けてかかってこい」
「これじゃあどっちがラスボスか分かんないね」
「しっ…!余計なこと言わないの!!」
リオはこれまでのようにはいかないと述べると、素子はそれを歓迎するような発言をする。2人の会話を聞いてモモイがどちらがラスボスが分からないと言うと、ミドリは必死に彼女の口元を押さえた。
『アリスはキヴォトスを滅ぼす可能性を持つ危険な存在よ。先生も皆も何故彼女に固執するの?全世界の危機なのよ?』
「危険な存在じゃない!!アリスは私たちの大切な仲間だもん!!」
リオはアリスを世界を滅ぼす存在と捉え、それに固執する一同のことを理解できない様子である。だがモモイたちにとっては彼女は大切な仲間であり、彼女たちの意見は交わることはない。
「天童が世界を滅ぼす存在かどうかという話は、今はどうでもいい」
『どうでもいいですって…!?』
「天童を人扱いしようが物扱いしようが、彼女はゲーム開発部に所属、もとい所有している存在だ。それを無理矢理連れて行ったお前は誘拐もとい強盗の現行犯。私は単にそれを処理しに来たに過ぎない」
だが素子は今は彼女が危険かどうかを論じるのは無意味だと言う。彼女はただ無理矢理アリスをゲーム開発部から連れて行ったリオの強引な行動を処断するためにエリドゥへ乗り込んだのだ。
「現時点で天童がどういう存在かは結論が出ていないんだ。だから、お前の好きにするといい。私たちも好きにする」
『そう…分かったわ』
素子はリオの考えを肯定するでも否定するでもなく、ただ自分の好きなようにしてみろと返した。
『アバンギャルド君、発進…!!』
(((((アバンギャルド君…?)))))
素子の言葉を受け取ったリオは、アバンギャルド君なるものを呼び出す。その名称を聞いた一同は首を傾げていた。
『これが外敵の襲撃に備えて私が設計・建造した戦闘用ロボット、アバンギャルド君よ』
「うわあっ!?ダサ…」
「ちょっとお姉ちゃん、そんなこと言ったら失礼だよ。確かに、あんまり可愛いデザインじゃないけど…」
彼女たちの目の前に現れたアバンギャルド君は、4本腕盾とガトリング、バズーカ、ライフルを装備し、キャタピラーを備えた戦闘用ロボットであった。しかし、そのデザインはダサいの一言で、モモイたちからは不評であった。
「うわぁ…あれは無いよなぁ~」
「あんなボディに入れられたら恥ずかしくて外歩けないよぉ~」
「敵とはいえアレのAIには同情しちゃうな」
「正直同類だと思われたくないよね」
さらに、タチコマからは人間以上に非難轟々である。彼らはアバンギャルド君のAIに同情すらしていた。
『見た目は関係無いわ…』
「本音が漏れてるわよ」
アバンギャルド君をボロクソに言われたリオは思わず本音を漏らしてしまい、それを素子に聞かれるのであった。
「アレの相手は我々でやる。美甘と白石は他のメンバーを率いて各々の役目を果たせ」
「「了解」」
「あのタワーの下で会おう」
素子は自分たちでアバンギャルド君を引き受けると述べ、ネルとウタハを先に行かせる。彼女はエリドゥの中心にあるタワーの下での再開を約束し、彼女たちを送り出した。
『アバンギャルド君、攻撃開始!!』
「一見バカバカしい見た目だが、装備は強力で死角はない。気を引き締めてかからないと足元掬われるわよ」
「「「了解」」」
リオの命令により、アバンギャルド君は攻撃を開始する。素子はダサい見た目とは裏腹に、兵器としての能力は高いと分析していた。
「わわわわわ!!コイツ、あんな見た目のくせに攻撃速度がえげつないじゃん!!」
「あんなのに蜂の巣にされちゃたまんないよー」
「てったーい!!」
アバンギャルド君の攻撃速度を見たタチコマは、踵を返して一目散に後退を開始する。彼らの装甲では一瞬で蜂の巣にされてしまうのは、武装を見れば一目瞭然であった。
「これでどうだ!!」
『無駄よ、カリン。貴女の銃ではアバンギャルド君の盾は抜けないわ』
「チッ…!」
すかさずカリンが狙撃によってアバンギャルド君を止めようとする。しかし、狙撃を盾で防がれてしまい、彼女は舌打ちしていた。
「アバンギャルド君の通信に枝を付けられないのでしょうか?」
「無理だな。あの戦車擬きはスタンドアローンで独立したAIで動作している。ネットから切り離すことで、ハッキング対策しているようだ」
「残念~」
素子たちは建物の物陰に隠れて、アバンギャルド君の様子を伺っていた。アカネはアバンギャルド君をハッキングして掌握することを提案するが、アバンギャルド君はネットから切り離され独立しており、ハッキングを仕掛けることは不可能であった。
「ではどうしましょう?」
「アレを手早く片付けるためには、有線して直接AIを焼き切るほかないだろう。まったく…手間のかかる兵器を開発してくれたものね」
「何なりとご命令して下さい。我々C&Cはご主人様の命に従いますので」
「しょうさ~ボクたちも忘れないでくださいね~!!」
ネットを介してのハッキングができないと悟った素子は、アバンギャルド君に直接有線することを試みようとしていた。アカネたちとタチコマは彼女の言葉を信じ、どんな命令でも従う姿勢を見せた。
素子は一同に作戦を伝え、C&Cとタチコマは作戦を遂行するために行動を開始する。
「フフフ~♪」
『アスナ1人を前に出して一体何のつもりかしら、先生?』
『すぐに分かる。そこで見ていろ』
アスナはアバンギャルド君の目の前に1人で現れ、鼻歌を歌っていた。彼女1人を前に出した素子の判断を、リオは理解できない様子であった。
「よっ!はっ!やぁ!」
『そんな…!?アバンギャルド君の攻撃を避けるなんて…!!』
『お前も知っているはずだ。一之瀬の能力は我々でも予測がつかないとな』
アバンギャルド君の攻撃をアスナは華麗に回避していく。これは彼女の直感と幸運によるもので、素子やリオにも予測することができない。
『よし、次の段階に移れ』
『『了解』』
アスナにアバンギャルド君の相手をさせている間に、素子はアカネとカリンを動かした。
「さあ、それでは始めましょうか。お掃除の時間です」
「目標を捉えた」
『爆発と狙撃…アカネとカリンね。けれど無駄よ。アバンギャルド君は貴女たちの武装では破壊できないわ』
「それはどうかな~?」
アカネとカリンは狙撃と爆破でアバンギャルド君の前進を阻止する。アカネはキャタピラー部分を、カリンは盾を重点的に狙うことで、アバンギャルド君は完全にその場に足止めされていた。
「会長。そんなことはないと思いますが、私たちを部長の『おまけ』だとお思いなら、その考えは改めていただければと…」
「私たちだけでもこれくらいのことはできる…!!」
「リーダーがいない分、私たちが頑張らないとね~」
アカネはリオがネルのいないC&Cは大したことないと考えているのなら、その考えを改めるようにと述べる。彼女の影に隠れがちではあるが、彼女たちは単体でも十分優秀なエージェントである。
『確かに貴女たちの能力を少し過小評価していたことは認めるわ。けれど、それでもアバンギャルド君を倒すことは不可能よ』
「そうですね、我々だけでは拮抗し続けるでしょう。ですがお忘れですか、会長?」
「戦ってるのは私たちだけじゃないよ~?」
彼女たちの奮戦に、リオは能力を過小評価していたことを認める。だがそれでもアバンギャルド君を倒すことはできないと言うリオに、アカネとアスナは自分たちの味方は3人だけじゃないと答えた。
(先生のハッキング能力はアバンギャルド君には使えない。タチコマの武装もカリンの対戦車ライフルには遠く及ばない。だと言うのに彼女たちの自信は一体どこから来るの?)
「タチコマ!!」
「「「「はーい!!」」」」
(来た…!!)
リオはアカネたちの言葉を聞いて、素子とタチコマのことを思い浮かべる。彼女は素子とタチコマの能力ではアバンギャルド君の脅威になるはずがないと結論付けていたが、それと同時に一抹の不安を感じていた。そして彼女たちがその場に現れると、リオはゴクリと唾を呑み込んだ。
「「「「それー!!」」」」
『…ッ!?』
「タチコマのワイヤーは壁を登るための補助だけに使うだけじゃない。こうやって使えば相手を拘束できる」
アバンギャルド君の横に並んだタチコマは、粘着性のワイヤーをそれぞれアバンギャルド君の腕に発射する。それによりアバンギャルド君の4本の腕は動かなくなり、攻撃が止まった。
「ふッ!!」
完全に動きを抑えられたアバンギャルド君に素子は跳躍して飛び乗る。
「終わりだ…!!」
そして彼女はアバンギャルド君にプラグを挿し込み、強力な攻性防壁を流し込んだ。
「おぉ~凄い凄い!!」
「あの厄介なメカが一瞬で機能停止ですか…」
「末恐ろしいな…」
攻性防壁を流し込まれたアバンギャルド君のAIは一瞬で意味消失する。AIを失ったアバンギャルド君はその場に力なく倒れるのであった。
「先へ進むぞ」
『・・・・・・』
アバンギャルド君をあっさりと倒されたリオは、モニター越しに呆然としていた。
先週もセイアの話でチラッと出ましたがキヴォトスに少佐にハッキングで勝てる相手は存在しません。シッテムの箱なんて持ってたらなおさらです。
実際少佐1人でエリドゥ潜入すれば、一応アリスは取り戻せます。
ケイとかトキの諸々があるので、それだとダメですが...
おまけ
角楯カリン(170cm)>草薙素子(168cm)>一之瀬アスナ(167cm)>室笠アカネ(164cm)
>花岡ユズ(150cm)>美甘ネル(146cm)>才羽モモイ、才羽ミドリ(143cm)
※天童アリス(152cm)
それではまた来週。