GHOST IN THE SHELL Blue Archive 作:H2O(hojo)
シッテムの箱って催眠スプレーは無効化できないんですかね?
まぁ今回の少佐には関係ないっすけど...。
あとマジで1.5、もしくは2やるのか!?(公式X参照)
D.U. 子ウサギ公園近辺
「もし、そこの貴女」
「・・・・・・」
素子が子ウサギ公園へ向かっている途中に何者かに声をかけられる。彼女が振り返えった先には、ボロ布を纏ったロボ市民の男性が立っていた。
「私の名前はデカルト。『所有せずとも確かな幸せを探す集い』、『所確幸』にてリーダーを務めています。貴女はシャーレの草薙素子先生でお間違いないでしょうか?」
「えぇ」
彼はデカルトと名乗り、所確幸なる組織のリーダーを務めていると、素子に語る。
「先生と少しお話をしたいのですが…ぐっ!!」
「催眠スプレーで私を眠らせてか?」
「な、何故バレたぁ!?」
デカルトは素子と話したいと言いつつ懐から何かを出そうとする素振りを見せたため、即座に彼女に腕を掴まれる。彼の手には催眠スプレーが握られており、素子を眠らせて拉致しようとしていたのである。
「クソッ!!シャーレの先生はヘイローが無くて女性だからひ弱で、生徒がいなければ誰でも倒せるって話じゃなかったのか!?とんだメスゴリラじゃないか!!」
「目的は何だ?」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」
デカルトはどこからか聞いた素子の噂を真に受けて彼女を襲ったらしい。しかし、噂の内容はとんだデタラメだったため素子にあっさりと制圧され、額に銃を突き付けられて怯えていた。
「お、お前が子ウサギ公園で飼っているあのウサギたちがいるだろう!!ヤツらがコンビニの廃棄弁当を我々から奪ったんだ!!あれは元々我々『所確幸』が手にする権利を有していたんだ!!」
「はぁ?」
「あっ、すみません…」
素子が目的を聞くと、デカルトはRABBIT小隊にコンビニの廃棄弁当を奪われたと訴える。そのあまりに間抜けた理由に素子は呆れていた。
「浮浪者共の縄張り争いか…まったく」
「ふ、浮浪者とは何だ!! 『所有せずとも確かな幸せを探す集い』、『所確幸』は信念を持って活動しているんだ!!」
「訂正。労働を拒否したクソ野郎共だったわね」
素子に浮浪者と言われたデカルトは、その言葉に憤る。なお、当人からは浮浪者からクソ野郎に下方修正された。
「まあいいわ。あの娘たち最近衣食住が揃ってきて緊張感が欠けているから、少しアナタたちに協力してあげる」
「えぇっ!?」
「アジトに案内してもらおう」
「は、はい…」
だが意外にも素子はデカルトに協力的な態度を取る。まさか自分に協力してくれるとは思わなかったデカルトは、意味が分からず驚いていた。
子ウサギ公園
「少佐、遅いですね…」
「どっかで遊んでんじゃないだろうな…」
「少佐に限ってそれは無いでしょ。そもそもあの人何して遊ぶの?酒盛り?」
「見捨てられたとか…?」
一方、来るはずの素子が来ないことにRABBIT小隊の4人はソワソワしていた。サキは遊んでいるのだと思い、ミユは見捨てられたのだと考えていた。
「あっ、噂をすれば少佐から通信です」
「ビデオ通話…?珍しいね」
そんなことを話していると、丁度素子からの通信が入る。だが今回は珍しくビデオ通話だったため、モエは首を傾げていた。
『ら、RABBIT小隊の諸君!!しゃ、シャーレの先生は我々「所有せずとも確かな幸せを探す集い」、「所確幸」が預かった!!開放して欲しければ、所定の場所に今すぐ来い!!』
『・・・・・・』
「「「「は?」」」」
ミヤコが映像回線を開くと、そこにはデカルトに銃を突き付けられている素子が映っていた。なお、デカルトは素子に怯えた様子であり、彼女は人質であるにも関わらず、ソファにゆったりと座り、腕と足を組んでいる始末である。その頓珍漢な映像を見たRABBIT小隊の4人は、間の抜けた声が出てしまった。
『わ、我々はお前たちRABBIT小隊に奪われたエンジェル24シャーレ店の廃棄弁当を貰う権利の即時返還を要求する!!』
「そもそも奪ったつもりは無いのですが…」
『だ、黙れ!!コイツがどうなってもいいのかぁ!?』
((((どうにかしてよ…))))
デカルトはRABBIT小隊に廃棄弁当を貰う権利を渡すよう迫るが、ミヤコはそもそも奪ったつもりはないと答える。彼女の回答にデカルトは痺れを切らして脅しをかけるが、人質が人質なのでまったく脅威にすら思われていないのである。
『と、ともかくコイツを返して欲しければ、私達のアジトへ来い!!武器は…武器は何でしたかね?』
『手持ちの武器は一つのみ。パソコンは一台。ドローン1機。通信はSRT仕様の暗号回線。それ以外の武装の使用を禁ずる』
『だ、そうだ!!廃棄弁当を賭けて我々と勝負だ、RABBIT小隊!!』
そしてデカルトはRABBIT小隊が持ち込む武器を指定しようとして、言葉が詰まる。彼はセリフを忘れた役者のように、監督である素子にそのセリフを言わせる。そして最後に気を取り直して、彼女たちに宣戦布告をして通信を切った。
「な、何なんだこれ…新手のコントか?」
「だとしたらダダ滑りだよ。お笑いのセンスが欠片もない」
「狂言誘拐というやつでしょうか…?」
映像を見た彼女たちの反応は困惑一色であった。
「ど、どうする?みんな…」
「「「行くしかないでしょ…」」」
「だ、だよね…」
だがその後のミユの問いに対しては、全員同じ回答をする。彼女たちは所確幸のアジトへ行くしかないのだ。
「これで彼女たちはここに来るだろう」
「ど、どうもありがとうございます」
RABBIT小隊が所確幸のアジトへ向かったのと同時刻、映像を切った素子はソファから立ち上がる。そして彼女はデカルトがその場で突っ立っているのを余所に、モニター室へと消えていった。
『アロナ。タチコマを1機こちらへ向かわせろ』
『了解しました』
「少しは成長したところを見せてくれよ?バトーに教官の才能がないと笑われたくないからな」
『こちらRABBIT2。正面口クリア』
「了解。RABBIT3、RABBIT4、前進します。ついてきてください」
「「了解」」
所確幸のアジトについた4人は周囲を警戒しながら、中へ進み始める。素人相手にも関わらず手にはしっかりと銃を握り、緊張した面持ちであった。
「まったく…何でアタシらが浮浪者ごときにこんなにビクビクしなきゃいけないんだか…」
「気を抜かないでください、RABBIT2。向こうには少佐がいるんですから」
「あの時と同じような失態をやらかしたら、ホントに見捨てられるかもね~」
「やだよぉ…」
なお内心では浮浪者の集団相手にここまで警戒しなければならないことに、一同は不満気であった。しかし相手が素子であることと、食料の安定的な調達ができなくなるという危機を前にしては、緊張感を持って挑まなければならなかった。
「そもそも『所確幸』って何なんだ?」
「『所有せずとも確かな幸せを探す集い』、『所確幸』…字面だけだとミニマリストや清貧を志す集団に見えるけど、ネットでの評判を見るに、武装した迷惑な社会不適合者だね」
「そんな連中さっさとムショに送れっての。所轄は何をやっているんだ?」
「私らの対応で忙しかったんじゃない?」
「身から出た錆ってことですか…」
サキはモエにこれから相手をする所確幸について尋ねると、彼女は迷惑な社会不適合者というあんまりな評価を下す。だがそんな者たちを野放している責任の一端が自分たちであるかもしれないことに気づいたミヤコは、眉をひそめた。
「うおぉぉぉぉ!!弁当寄越せぇぇぇぇ!!」
「うわ来た…どんだけ必死なんだよ」
「浮浪者のくせしていい武器持ってるなぁ~」
RABBIT小隊が建物の中へ侵入すると、所確幸のメンバーが銃を片手に必死に突撃してくる。その姿を見たサキとモエは呆れていた。
「RABBIT4。迎撃してください」
『…うん』
「突げッ…グハァ!?」
しかし彼の突撃は、一発の銃弾であっさりと停止する。ミユによって頭を撃たれた彼は、その場に倒れて気絶してしまった。
「食べ物の恨みぃぃぃ…ウガァ!!」
「働きたくないでござる!!絶対に働きたくないで…ゴハァ!!」
「これではただの作業ですね」
「少佐はこんなヤツらの相手を私たちにさせてどうしたいんだろうな」
その後も彼女たちは向かってくる所確幸のメンバーたちを難なく倒していく。作戦も陣形もなく、ただただ突っ込んで来る彼らなど、彼女たちの相手ではなかった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?と、止めてくれぇぇぇぇ!!」
「RABBIT2!!」
「何だコイツ!?」
だがその中で、1人だけ動きの違う男が隊列の一番前にいたサキに襲い掛かってくる。彼女は銃を両手で掴んで、彼のチョップを正面から受けた。
「た、助けてくれ!!身体が勝手に…に、ににににに…」
「な…何だ?」
「ここからは私が相手になってやる」
「「「「少佐!?」」」」
さらにその直後、彼の動きがおかしくなったかと思うと、突如素子の声が彼から発せられる。彼女は所確幸のメンバーの一人をゴーストハックして、サキに襲い掛かってきたのである。
「明日から雑草集めに勤しみたくなかったら、精々気張ることね」
「うおあっ!?マジかよ!!」
「これが世界屈指の義体使いの動き…」
「全然当たらないよぉ〜!!」
素子に操られた彼は、猛烈な勢いでサキを投げ飛ばし、ミヤコたちに近づいてくる。ミユの狙撃も回避し、手が付けられない状態であった。
「ここは私が何とかするから、アンタたちは何とか少佐を抑えて!!」
「イテテ…何とかってどうするつもりだよ?」
「バカッ!!無駄口叩いてる暇があったら、さっさとソイツを取り押さえる!!」
そんななかモエは自前のPCを開いて必死にタイピングしながら、他の3人にそう叫ぶ。普段ヘラヘラしている彼女であったが、今は必死の表情を浮かべていた。
(少佐との実力差が天と地ほどあるってのは分かってるけど、私だってハッカーの端くれ、一矢報いないと小隊での立場がないんでね…!!)
「クソッ…!!止まれ!!」
「全然止まらない…!!」
「も、もう無理かも…」
モエが必死になるのは、実力が大きく離れている素子に少しでも抵抗するためであった。そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、他の3人も必死で素子にゴーストハックされた男を取り押さえようとしていた。
「・・・・・・」
「クソッ!!銃で撃たれてもゴーストハックされてるから痛みを感じてないのか!?」
「ひぃぃぃぃ!!こっち見たぁ…」
しかし、男は無表情で彼女たちに襲い掛かる。彼はゴーストハックされており、意識がないため痛みを感じることがないのである。
「ゴーストハックの解除は無理でも、視覚素子を取り戻すくらいは…できた!!」
「・・・・・・?」
「今だ!!銃身でソイツの頭をぶっ叩け!!」
彼女たちが男を必死に抑えているなか、モエはようやく彼の視覚だけを取り戻すことに成功する。そしてその際にできた隙を見計らって、彼女はサキに銃身で彼を気絶させろと叫んだ。
「うおりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ゴハァァァァァ!!!」
「はぁ…はぁ…倒したぞ…」
「「「はぁ~」」」
サキはモエの言う通り、手持ちの銃を逆手に持ち、おおきく振りかぶって、男の後頭部を殴打する。それでようやく彼は止まり、4人は安堵するのであった。
「「「「・・・・・・」」」」
その後、彼女たちはより慎重になりながら所確幸のアジトの内部へ進んでいく。
「み、みんな…」
「RABBIT4どうしました?」
「だ、誰かがいる気がする…」
そんななか、ミユのゴーストが危険信号を発する。この近くに誰かが潜んでいると。
「誰かって誰だよ?」
「わ、分からない…」
「心配なのは分かるけど、流石に気にしすぎなんじゃないの?」
だがミユの予感には確たる証拠がないため、サキとモエは彼女の警告を気にしすぎだと一蹴した。
「そりゃぁぁぁ!!」
「総員!!伏せて!!」
しかし、ミユの予感は的中する。突如として虚空から銃弾が飛んできたのである。
「光学迷彩!?少佐本人が来たのか?」
「いいえ…今敵の撃った弾は少佐の使っているセブロよりも大きいです。約7.5mmくらいかと」
サキは素子が直接自分たちを倒しにきたものと考えるが、ミヤコは銃弾の大きさでそれは間違いだと判断する。
「ということは…」
「ありゃりゃ…もうバレちゃったかぁ〜」
「「「「タチコマ!!」」」」
ミヤコの話を聞いて、彼女たちを撃った者が熱光学迷彩を切って現れる。その正体は、素子がアロナに呼ばせたタチコマであった。
「何でお前がここにいるんだよ!?」
「ごめんね〜サキちゃん。少佐の命令なんだ〜」
サキはタチコマが敵に回ったことに驚いていた。そんな彼女にタチコマは、素子の命令だから仕方ないと両手を合わせて謝罪した。
『タチコマ、遠慮はいらん。全力で制圧しろ』
『りょーかいです!!』
そしてタチコマは少佐の命令を聞き、敬礼のポーズを取り再びRABBIT小隊の4人のほうへ向き直った。
「それじゃあ遠慮なく」
「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」」」
4人に向かって7.62mmチェーンガンが発射されると、彼女たちは慌てて物陰へ退避した。
「もぉ~逃げないでよぉ!!当たらないじゃないかぁ!!」
「ふざけるな!!いくら私らが頑丈だからって自ら弾に当たりにいくバカがいるかよ!!」
「えへ…えへへへへ…あれをまともに喰らったら…!!」
「「「うわっ、いた…」」」
タチコマは逃げる4人に対し、地団駄を踏んで不満を漏らす。なお、そんななかで1人タチコマの7.62mmチェーンガンの威力に興奮していたモエを見て、他の3人はドン引きしていた。
「そもそも手持ちの武器だけでどうやってアイツに勝てってんだよ…」
「実はそれが狙いなんじゃ…?少佐は私たちがダメダメだからタチコマを使って始末しようとしてるんだ…もうおしまいだぁ…」
(確かに少佐から指定された武装だけではタチコマに勝つことは不可能に近い。勝てない…?)
素子が武器の持ち込みを制限したため、RABBIT小隊は手持ちの武装のみでタチコマに立ち向かわねばならず、それでタチコマに勝つのは不可能であると彼女たちは思っていた。しかし、ミヤコはサキやミユの言葉を聞いて、何かに気付いたようだ。
「ねぇ~?みんないつまでコソコソ隠れてるの?」
「皆さん、私達の本来の目的を思い出してください」
「目的ぃ?そんなの…アレ?私たちの目的って何だっけ?」
「少佐に言われるがままにここに来たからなぁ」
タチコマはいつまで経っても戦おうとしないRABBIT小隊に、不満を露わにするなか、ミヤコはこの作戦の本来の目的をメンバーに尋ねる。しかし、咄嗟に所確幸のアジトに向かったため、サキもモエもその目的をはっきりと答えられなかった。
「我々の目的は少佐を『所確幸』から救出することです」
「その必要性があるのかは甚だ疑問だが…」
「とはいえそれこそが少佐が私たちに与えられた課題であり、ゴールでもあります」
ミヤコは自分たちの目的について一同に話す。ビデオ通話でデカルトから伝えられた通り、制限された武装で捕らえられている彼女を救えば作戦は成功である。
「つまり…別にタチコマを倒す必要はないってこと?」
「えぇ、その通りです」
モエの言う通り、最悪タチコマのことは無視して構わないのである。
「というわけで、私に良い考えがあります」
そう言ってミヤコは他の3人に作戦を伝えた。
モニター室
「流石に気づいたか」
同時刻。モニター室の椅子に腰かけた素子は、ミヤコがこの作戦の目的に気付いたのを、監視カメラのモニター越しに眺めていた。
「あ、あのぉ~これから我々はどうすれば…?」
「働いたらどう?」
「え、えぇ…」
一方RABBIT小隊に所確幸のメンバーを全て倒されてしまったデカルトは途方に暮れていた。
「やっと出てきた…待ちくたびれちゃったよぉ~」
「悪かったな。話が立て込んでたもんでね」
「それじゃあ始めよっか!!」
作戦会議を終えたサキたちは、ようやく彼女たちの前に現れる。そして彼女たちと彼は互いに銃を構えた。
「そおりゃぁぁぁぁ!!」
「今です!!」
「あ、あれ…?」
「悪いね、タチコマ!!私たち今は鬼ごっこの気分なんだ!!」
だがタチコマが7.62mmチェーンガンを発射したと同時に、4人はバラバラの方向へ後退する。てっきり撃ち合いが発生すると思っていたタチコマは、この状況に呆気に取られていた。
「まったくしょうがないなぁ~」
(よしっ…乗ってきた!!)
タチコマは彼女たちに銃口を向けるのを止め、素直にミヤコたちと鬼ごっこに興じることにした。彼が素直に乗ってきたことに、ミヤコは心の中でガッツポーズをしていた。
「でもさぁ~室内とはいえボク相手に鬼ごっこで勝つのは無理あるんじゃない?」
「それはどうかなッ!!」
「うおぁっ!?サキちゃんいつの間に…!?」
「チッ…やっぱ足元を狙い撃ちは厳しいか…」
タチコマは多少の段差や瓦礫などは片足立ちで避けたり、ジャンプすることができるため、障害にならない。そのため、彼はミヤコとの距離をどんどん詰めていく。だがそこで、回り込んだサキがタチコマの足に向けてマシンガンを発射した。
「何だよ~!!妨害するのはナシだろ~!!」
「そこ…ッ!!」
「うわっ!?今度はミユちゃん!?止めてよ~!!ボディに傷が付くじゃないかぁ!!」
タチコマは鬼ごっこを妨害されたことに腹を立てる。だがそんな彼をよそに、今度はミユがタチコマのボディを狙撃すると、彼は両手をバッテンにして止めろと訴えた。
「やめて欲しかったら私たちを捕まえてごらんなさい」
「ほらほらぁ、ここだぞぉ~」
「ムキッー!!もう怒ったぞぉー!!」
だがタチコマの懇願を無視して、ミヤコとモエは彼を煽る。2人の挑発に、単純なタチコマは乗っかってしまった。
「ぐぎぎぃぃぃ!!全ッ然捕まらないじゃないか!!悔しいぃぃぃぃ!!」
それから5分ほど鬼ごっこを続けたタチコマだったが、RABBIT小隊によるネチネチとした妨害に阻まれ、誰一人捕まえることができずにいた。
「さぁ、私はここにいますよ?」
「こんのぉぉぉぉぉ!!!」
ミヤコは壁を背にしながら、手招きをしてタチコマを誘う。度重なる挑発で感情を抑えられなくなったタチコマは、ミヤコのもとに一直線に突っ込んでいった。
「それっ!!」
「あれっ?」
ミヤコは飛び上がってタチコマの突進を華麗に回避する。そしてタチコマは壁に激突し一部を破壊した。
「ちょっ!?えっ!?あれぇ!?ぬ、抜けなくなっちゃったぁ!!?」
「ふぅ…作戦成功ですね」
壁を突き破ったタチコマはその場から動けず手足をジタバタさせる。ミヤコが考えた作戦は、タチコマを行動不能にすることであり、彼女の目論見は成功したと言える。
「誰かー!!誰か助けてぇー!!」
モニター室
「少佐、お迎えに上がりました」
「ご苦労」
タチコマを無力化したRABBIT小隊は、素子の待つモニター室へとたどり着く。
「あれ?あの『所確幸』のデカルトとか言うヤツは?」
「そこに隠れてるわ」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!?」
((((可哀想に…))))
サキはモニター室に所確幸のリーダーであるデカルトの姿が見えないのを見て、素子に彼女の居場所を尋ねる。彼はモニター室にある机の下に隠れており、彼女たちの存在に怯えていた。素子に巻き込まれた形である彼が机の下で震えているのを見て、4人は憐みの視線を向けた。
「少佐の手助けがあったとはいえ、私たちがこの場所に来たということは、私たちの勝利ということでよろしいでしょうか?」
「いい!!いいから!!もう帰ってくれ!!」
「廃棄弁当は貰うぞ?」
「やる!!だからもう二度と私たちの前に現れないでくれ!!」
ミヤコとサキはデカルトに自分たちの勝利と廃棄弁当を貰う権利について確認を取ると、彼は泣き叫びながらそれを了承する。デカルトは彼女たちを早く帰還させようと必死であった。
「少佐…一体何故このようなことを?」
「最近のお前たちは衣食住が揃ってたるんでいたからな。少し喝を入れてやったまでだ」
((((勘弁して欲しい…))))
ミヤコは何故素子がこのようなことをしたのか疑問だったようで、その理由を彼女に尋ねる。すると彼女は最近たるんでいるので喝を入れるためだと答え、4人はその言葉を聞いて困った顔をした。
「あの時から少しは成長したようだな。良くやった」
「あ、ありがとうございます…」
「ほ、褒められた…!!」
「いや~いくつになってもこういうのは嬉しいもんだね」
「うん…」
しかしその直後、素子は最初のときから成長した彼女たちを褒めた。普段褒めることのない彼女にそう言われた4人は、顔を赤らめて喜んでいた。
「もうここに用はない。タチコマを回収して帰投するぞ」
「「「「了解」」」」
彼女たちは所確幸のアジトから離れていった。
少佐がキヴォトスでメシ食える設定にしたのはコイツらの影響です。どの器官で廃棄弁当消化してんの?とかトイレに行くのかというツッコミは野暮。
それではまた来週。