GHOST IN THE SHELL Blue Archive   作:H2O(hojo)

6 / 24
RABBIT小隊が少佐にボコボコにされる話です。


ウサギ狩り

子ウサギ公園ではSRT特殊学園の1年生が廃校を不服として抵抗しており、ヴァルキューレ警察学校の生徒と衝突を続けていた。

 

「ここね…」

 

「あ、先生じゃん」

 

「お久しぶりです、先生!!」

 

素子はリンにSRTの生徒たちを説得を頼まれ、彼女たちが立て籠もる子ウサギ公園へと訪れていた。先生の姿を見て反応したのは、ヴァルキューレ警察学校の中務キリノと合歓垣フブキである。

 

「こ、これは…連邦捜査部シャーレのく、草薙素子先生…!!お会いできて光栄であります!!」

 

「始めましてね。貴女がこの部隊の指揮官?」

 

「は、はい!!ヴァルキューレ警察学校公安局長の尾刃カンナであります!!先生のご噂はかねがね聞いております…!!」

 

そして素子の声を聞いたヴァルキューレの生徒が、振り返り彼女の元へ駆けつける。彼女の名は尾刃カンナ。ヴァルキューレ警察学校の公安局長を務めている。

 

「カンナ局長ガチガチに緊張してんじゃ〜ん」

 

「黙れ!!このお方はな、お前たち生活安全局が担当するような事件とは次元が違う任務を担当してきたんだ!!」

 

「『公安』といっても、公安9課は総理大臣…こちらで言う連邦生徒会長直属の組織だったから、どちらかと言うと籠城戦やってるアッチのほうがその性質は近いわよ?」

 

「い、いえ…!!同じ社会正義を実現を志す者として、組織の性質は関係ありません!!」

 

「だとしたら生活安全局だって一緒じゃないの…?」

 

素子を前に緊張するカンナをフブキはからかう。どうやら彼女は公安9課として様々な事件を解決した素子のことを尊敬しているのである。

 

「それで、状況は?」

 

「現在子ウサギ公園に立て籠もっている生徒は4名。SRT特殊学園の1年生で、RABBIT小隊と呼ばれています」

 

「ルーキーが4人か…」

 

「彼女たちはSRTで使用していた重火器を用いて抵抗しており、誠にお恥ずかしながら我々の装備では手が出ない状況です」

 

「そうか。まぁ、こんなものだろう」

 

カンナは素子に状況を聞かれて、子ウサギ公園に立て籠もっているRABBIT小隊について説明する。彼女たちは連邦生徒会長直属の特殊部隊であり、先日彼女の命により廃校が決定したため、こうやって抗議しているのである。

 

「いいわ。後は私1人で何とかしてあげる」

 

「ひ、1人で彼女たちと戦うのですか…!?いくら先生が強いと言っても流石にそれは…」

 

「私はその方が助かるかな〜なんて…」

 

「フブキ…それは流石にどうかと思います」

 

RABBIT小隊のデータを閲覧した素子は、自分1人で彼女たちの相手をすると言い、3人を驚かせる。

 

「でも、流石にこの格好じゃマズいから着替えてくるわね。後サブマシンガン位は装備させてもらおうかしら」

 

そう言って素子は一度その場を離れていった。

 

 

 

 

 

「待たせたな」

 

「うわっ!?ザ・特殊部隊って感じだね」

 

「未熟な相手とはいえ、向こうだって一応は特殊部隊なんだ。多少の用心はしておかないとな」

 

「多少でいいんですか…?」

 

十数分後、素子は黒装束の隊服を着てその場に現れる。フブキとキリノはその姿を見て、威圧感を感じていた。

 

 

 

 

 

一方その頃

 

「ん…?何か知らないヤツが来たな」

 

『どうしたモエ?何かあったか?』

 

「ドローンで周囲の状況を監視してたんだけど、ヴァルキューレでも他校の生徒でもないヤツが現れてさぁ。それがちょっと気になって」

 

『今さら人員が1人増えたところで、私達には大した問題じゃない』

 

「そだね~」

 

子ウサギ公園でヴァルキューレの動きを監視していたRABBIT小隊の風倉モエは、素子が公園に現れたことに気が付く。通信相手の空井サキは、人員が1人増えたところで問題無いと言い、モエはそれに同意した。

 

 

 

 

 

「先生の実力を疑っているわけではありませんが、本当にお一人で戦うのですか…?」

 

「えぇ。そこの2人にはわざわざ来てもらったところ悪いけど」

 

「い、いえ…私たちでは正直足手まといですので…」

 

「ぜーんぜん問題無いよ先生!!あはははは…」

 

カンナは素子にもう一度1人で戦うのかと確認すると、素子は迷いなくそうだと答える。せっかく来たキリノは残念そうだったが、フブキにいたっては嬉しそうであった。

 

「さて、では奴らに年季の違いというものを『教えて』やるか」

 

素子は熱光学迷彩をオンにして子ウサギ公園の中へ入っていった。

 

 

 

 

 

『あの大人、まさか1人でウチらと戦うつもり?』

 

『モエ、どうしました?状況を説明してください』

 

『よく分からない大人が1人子ウサギ公園に侵入した。アイツ、最近流行りの光学迷彩なんか使ってるよ』

 

『サーマルカメラの前では無駄だってのに…バカなのかもな』

 

素子たちの様子を監視していたモエは、彼女の行動に信じられないといった反応を見せる。RABBIT小隊の隊長である月雪ミヤコの説明要求に対し、モエは彼女のことを小馬鹿にしながら報告する。

サキが光学迷彩に対し、サーマルカメラの前では無意味だという発言はある意味正解である。エンジニア部が実用化し、カイザーPMCにも導入が進んでいる「キヴォトス」の光学迷彩は熱を誤魔化すことはできない。しかし、素子の使用する3302式熱光学迷彩にはサーマルカメラすらも欺くことができるのである。

 

(フッ…バカとは言ってくれるわね)

 

『まぁいいです。ともかく油断しないように』

 

『私たちはSRTのエリートだぞ?たかだか大人1人に負けるだなんて有り得ない』

 

『そうそう!むしろ偉そうな大人の鼻を明かしてやろうじゃないの!!』

 

(はぁ…その自惚れは早々に叩き折る必要がありそうね)

 

素子は既にRABBIT小隊の通信に枝を付けており、自分を舐めてかかる彼女たちの通信を呆れながら聞いていた。

 

『あ、あれ…?どうして…?サーマルカメラでも見えない…見失っちゃった!?』

 

『オイオイ、どうしたんだよミユ』

 

『・・・・・・』

 

『ミユ?ミユどうしました?応答してください』

 

だがメンバーの霞沢ミユが動揺しはじめたところでその場の空気が一気に変わる。その直後ミユの通信が途絶えてしまった。

 

 

 

 

 

(さてと…まずはスナイパーからね)

 

「ふえぇ…ミヤコちゃん、サキちゃん、モエちゃん…応答してよぉ~」

 

(仲間と通信が途絶えて動揺を通り越して泣き出す始末か…。児童虐待で訴えられないか心配になってきたわ)

 

ミユと他のメンバーの通信を絶ったのも勿論彼女である。ミユはメンバーと連絡が取れず涙目になっており、素子はその様子に困惑していた。

 

(だがスナイパーだけあって気配遮断能力は秀でているな。それに「鷹の眼」を使用していないところを見るに、この場所から私が尾刃たちと会話していたのも見えていたな)

 

「うぅ…もう終わりだぁ…きっとあの悪い大人に捕まって…どこかに売り飛ばされちゃうんだぁ~!!」

 

(随分悲観的な子ね。正直、特殊部隊には向いてないように見えるけど…)

 

だが素子は泣きべそをかいているミユの実力を正確に分析する。ミユが素子に売り飛ばされるという悲観的な妄想をしているのを見て、何故SRTに入ったのかという疑問を抱いていた。

 

「もうダメだぁ…おしまいだぁ…」

 

「武器を捨てて両手を上げなさい。抵抗すると撃つわよ」

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!許してくださいぃぃぃぃ!!」

 

「はぁ…そこで大人しくしていろ」

 

「わ、分かりました…」

 

悲嘆に暮れるミユに、素子は姿を現して投降するよう促す。するとミユは即座に武器を捨て両手を上げて命乞いをしだしたため、素子はため息をついて大人しくするよう命じるのであった。

 

 

 

 

 

「ミユのやつ、ドジって通信機壊したんじゃないだろうね?」

 

『『・・・・・・』』

 

「あれ?おーい、応答しろー?」

 

(さて、次はオペレーターだな)

 

モエがミユのことを彼女なりに心配していると、モエの通信も不通になる。その元凶は当然素子であり、モエの使用しているシステムをハッキングして使用不能にしていた。

 

「あ、あれ…マジ?動かないんだけど…!?」

 

「武器を置いて両手を上げなさい」

 

「は…?」

 

モエが動かなくなっているPCをポチポチしていると、彼女の背後に素子が熱光学迷彩を解いて現れる。後ろを振り向いたモエは、いきなり現れた彼女に驚いて呆然としていた。

 

「嘘でしょ?まさかこの短時間でSRTのセキュリティをかいくぐってハッキングしたっていうの?」

 

「そうよ。『バカ』にはできないでしょ?」

 

「あっ…私たちの会話も聞いてたのね…」

 

モエは武器を置いて両手を上げながら、彼女のハッキング技術に驚愕する。さらに先ほど通信でバカと言ったことを暗に指摘され、彼女は項垂れてしまった。

 

 

 

 

 

「モエ…?おい、モエ!?ったく…まさかあの変な大人にやられたんじゃないだろうな…?」

 

「そのまさかよ」

 

「誰だ!!」

 

通信が途絶したモエに、サキは何度も連絡しようとする。だが素子によってハッキングされた後では、その問いかけも無意味である。そして素子はサキの元に熱光学迷彩で潜んで、現れた。

 

「こっちにはサーマルカメラがあるんだ。お前の光学迷彩もコイツの前じゃ無意味だ!!」

 

「あらそう。じゃあ試してみたら?」

 

「バカにしやがって…」

 

サキはこちらにはサーマルカメラがあると言って、素子にある種の脅しをかける。だが自身の使用している熱光学迷彩の性能を把握している彼女は、サキを挑発するのであった。

 

「なっ…!?見えない!!どうして!?」

 

「隙だらけだ!!」

 

「ごふっ!!」

 

サキはサーマルカメラをオンにするが、当然熱光学迷彩を作動しているため映らない。そして彼女が動揺しているうちに、素子は腹に一撃を入れ、サキはたまらずうずくまってしまった。

 

「ぐっ…うっ…ゲホッゲホッ!!」

 

「もう終わり?特殊部隊と言ってもルーキーじゃその程度かしらね?」

 

「クソッ!舐めるなぁ!!」

 

素子に腹を殴られたサキは、涙目になりながらも彼女を睨みつける。そんな彼女に素子はさらに火に油を注ぐようなことを言うと、彼女は怒りで立ち上がり素子に立ち向かってきた。だが…

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

素子はこちらに向かって来るサキに、冷静にサブマシンガンで対処する。正面から銃撃を受けたサキは、ひとたまりも無くその場に倒れ伏すのであった。

 

「自分の実力に自惚れて、状況判断を誤るとこうやって痛い目を見るのよ」

 

「く、クソッ…!!」

 

「アンタ、このままだとそのうち大怪我どころじゃ済まなくなるわよ?」

 

「・・・・・・」

 

サキは地面に突っ伏しながら素子の指摘を聞かされる。素子の忠告をサキは黙って聞いていた。

 

 

 

 

 

「ミユ、サキ、モエとの通信が途絶えてしまいました…。やはり私がちゃんと隊長の務めを果たしていなかったから…」

 

「そうね。全部貴女の責任というわけではないけれど、今回の敗因の一端は隊長である貴女の統率力不足にあるわ」

 

「3人を倒したのは貴女ですか…」

 

「えぇそうよ」

 

3人との通信が途絶え残り1人だけとなってしまったミヤコは、自身の能力不足に責任を感じていた。そこに素子が姿を現す。ミヤコは素子の姿を見て、警戒心を露わにした。

 

「まさか、ヘイローのない人間に私たちRABBIT小隊の3人がやられるとは思いませんでした」

 

「あらそう?今のあなたたちの実力じゃ、優秀な指揮官が向こうにいるだけで敗北は時間の問題だったと思うけど」

 

「貴女…一体何者ですか?」

 

「連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの草薙素子よ」

 

ミヤコは自分たちの仲間がヘイローのない素子1人にやられるとは思っていなかったと述べる。だが素子は自分だけじゃなくても、敵に優秀な指揮官1人いれば彼女たちは敗北していたと分析していた。

 

「噂に聞くシャーレの先生ですか…」

 

「最近は私の前職も噂で出回っているそうだけど、貴女は知ってるかしら?」

 

「公安9課。攻殻機動隊。私たちと同じ、凶悪な犯罪に対処する特殊部隊…」

 

「その通りよ」

 

ミヤコは素子がシャーレの先生だと明かすと、さらに警戒心を強める。何故ならミヤコは彼女の前職についてある程度噂で聞いており、甘く見ていい相手ではないと認識していたからである。

 

「・・・・・・・」

 

「私を格上の相手と知ってなお、銃を向けるか…」

 

「当然です。私はSRT特殊学園の生徒です。例え最後の1人になろうと、相手が格上であろうと、退くわけにはいきません!!」

 

「立派な心意気だな。だが、私から言わせればその心意気に実力が追い付いていないわね」

 

だが素子が元特殊部隊出身と知っても、ミヤコは素子に銃を向け戦う姿勢を見せる。彼女の心意気を素子は評価するが、実力が追い付いていないと指摘した。

 

「・・・」

 

「…ッ!!」

 

素子はミヤコが銃を撃つよりも前に、彼女の手を狙って攻撃する。弾が手に当たった衝撃で彼女は銃を落としてしまった。

 

「ふっ…!!」

 

「あっ…いっ…!!」

 

そして一瞬の隙をついてミヤコ近づき、腕を掴んで背中に回す。

 

「うっ…!!くっ…抜けない!!」

 

「お前は他の連中よりは謙虚なようだが、やはり自身の能力を過信しているようだな」

 

「そんなこと…!!あります…」

 

ミヤコは何とか拘束を抜けようとするが、素子にガッチリ固められもがくことしかできない。素子はミヤコに能力を過信していることを指摘すると、彼女はそれを認めがっくりと項垂れた。

 

 

 

 

 

「お疲れ様です先生。まさか本当にお一人でRABBIT小隊を無力化するとは…」

 

「アンタ信じてなかったの?」

 

「いえ…そういうわけでは…!!」

 

「冗談よ」

 

RABBIT小隊全員を無力化した素子は、彼女たちをカンナへと引き渡す。カンナはその光景を信じられないものを見るように眺めていた。

 

「コイツらはどうなるの?」

 

「ヴァルキューレにて取り調べを行なった後、転入手続きになるかと」

 

「嫌です。断固拒否します」

 

「貴様…!!」

 

素子がRABBIT小隊の今後を尋ねると、カンナは取り調べの後ヴァルキューレ警察学校に転入予定だと答える。だがミヤコはそれを断固拒否し、カンナを睨みつけた。

 

「はぁ…まったくワガママな子ウサギ共だ」

 

「先生…?」

 

「いいだろう。取り調べ後はこの私がコイツらの身柄を預かる」

 

「せ、先生!!」

 

そのミヤコの姿勢に素子はため息をつく。そしてカンナに彼女たちの身柄を預かると言い、カンナを驚かせた。

 

「ひぃぃぃぃぃ!!やっぱり売り飛ばされちゃうんだー!!」

 

「はぁ!?何でお前に身柄を預けなきゃいけないんだよ!?」

 

「地獄に落ちろ!!このメスゴリラ!!」

 

「ふざけないでください。私はあなたたちのような大人が一番嫌いです…!!」

 

素子の言葉を聞いてRABBIT小隊はそれぞれ拒否反応を見せる。彼女たちの大人に対する警戒感は相当なものであった。

 

「黙れ」

 

「「「「・・・」」」」

 

「貴様ら、その体たらくでよく恥ずかしげもなく『特殊部隊』だなどと名乗れるな。まずはその舐め腐った性根から叩き直してやる!!」

 

「「「「はい…」」」」

 

(((((お、おっかねぇ〜!!)))))

 

素子に口答えするRABBIT小隊に対し、彼女は黙れと一喝する。そして舐め腐った性根を叩き直すと言われ、彼女たちは大人しく素子に従うのであった。それを見ていたヴァルキューレ警察学校の生徒たちは、彼女のことを恐れるのであった。

 

「今日から貴様らは生徒ではなく私の部下だ。さしあたって私のことは『少佐』と呼びなさい」

 

「「「「・・・?」」」」

 

「返事は!?」

 

「「「「はい!!少佐!!」」」」

 

「いいだろう」

 

RABBIT小隊は本日より、連邦捜査部S.C.H.A.L.E預かりとなった。




メスゴリラって言ってんのはモエです。
アロナ以外に少佐呼びできるとしたら同じ特殊部隊のRABBIT小隊くらいかな。なお、この後アロナは拗ねた。
4人+少佐で攻殻立ちをしてくれRABBIT小隊。

光学迷彩についてはまだまだ京レの新型のほうがエンジニア部が実用化したものより性能が良いという設定です。
みちうのお時間でエンジニア部が光学迷彩を開発したのが公式になったのはデカい。

それではまた来週。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。