天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
—研究所の一室にて
「さて...まだ深夜というわけではないので出てくれるとは思いますが...」
とそう呟きながら私はドドコ通信機を起動する。寝ていたら申し訳ないですがその時は謝るとしましょう。とだけ私が施工した瞬間、
「シロウさん...ですか?」
とおそるおそる確認するような声色でティレルさんの声が聞こえてくる。ちゃんと出てくれましたね。よかったよかった、では手早く私の状況の説明を...
(あら、やっぱりシロウだった?)
と私が状況を語ろうとしたその瞬間、彼女の声が聞こえてきた私はフリーズする。...は?...は?...は?
「....は?」
とロクに思考できないままそう声を溢してしまう。いや...え?この声とは言えない声は確実にニコの物だ...だが今の口ぶりからして今ティレルさんはニコと一緒に居ると言うのか...?いや...なんで?と本気の困惑を私がしていると、
(あはは、予想外の私の声まで聞こえてきてびっくりしてるわね。ティレルさん、説明してあげたら?このままじゃ彼ロク喋れなそうよ?)
と少し楽しそうな様子でニコはティレルさんに言う。...状況はあまり飲み込めていませんがとりあえず説明を聞くしかなさそうですね。と私は一旦状況を理解するためにティレルさんの説明に耳を傾けるのであった...
—少女説明後
「なるほど...つまり今ティレルさんとニコさんが共にいる理由はニコさんの個人的な興味でティレルさんと接触したと、そう言うわけでしょうか?」
とそう確認をとる。しかし...魔女会は私が生命的危機に陥った場合は把握されると言うことか。メリットもあるようなデメリットもあるような...下手に私が危ない橋を渡るとティレルさんに報告されて後でこってり怒られませんかこれ?などと少し面倒に思っていると、
(まぁ今一緒にいる理由はそうね。ただティレルさんは勘が鋭いみたいで貴方が危機に陥ったらすぐに感じ取っちゃうみたいなの。だから私たちが安心させるために報告してあげたんだけど...やっぱり貴方からしたら面倒に感じちゃうのね。)
とそうニコが言ってくる。バレましたか。しかしティレルさんが私の危機を感じ取るみたい、ですか。確かに以前ティレルさんの呪い...ではなく祝福の実験でそのようなメリットもある、と言う会話もしたような気もしますが過去の私はいったいどれだけその祝福を効果もりもりにしたら気が済むのでしょう。不老不死だけでも十分過ぎるほどの祝福...いや、それだけだと呪いですが、十分な効力だと思うのですがいったい何を考えて...などと私が過去の天草がやったことについて疑問を感じていると、
「あの、シロウさん。話がそれちゃったから私から聞きますけど...どうして私に連絡を入れてきたんですか?私からシロウさんに、ならともかくシロウさんから私に、ってなると多分何かあったってことですよね?ニコさんの話曰く今シロウさんはどうしようもない状況、と言うわけでもないのはわかりますけど...もしかして何か危ないことをしようとしてますか?」
と途中までは普通の声色で、しかし最後の一言は少し怒っているような声色で私に聞いてくる。...ばれて〜ら。勘が鋭いって言っても限度があるでしょう限度が!私今マインドスキャンされた気分ですよ!...と、まぁふざけるのはここまでにしておいてどうしましょうか。今この状況のティレルさんに「実験の手伝いをしてきます。」なんて言ったら私自身が実験台になることを察されそうですし何よりニコがいるのであまり下手なことは言えない...そうなると、
「心配せずとも私は帰ってきますよ。ただ少し不思議な場所を見つけまして、それを探索することにしたのです。そこは廃棄された研究所のような場所なのですがかなり広く数日はかかりそうでそして何が出るかもわからないので連絡も安心して取れそうにない、と言う旨を伝えにきただけです。ティレルさんには申し訳なく思っていますが何か大切な情報が眠っているのかもしれないので...」
と適当な言い訳を考えてそう言う。確か世界任務の一つにそんな話があったようななかったような...どちらにせよ、今咄嗟に思いついたのはこれだけだったので仕方ありませんか。ニコにこの嘘がバレなければよいのですが...
「なるほど...確かにどんな場所に情報が眠っているかなんてわかりませんよね。カーンルイアが滅んでもう何百年も経つんですから色々なところに情報が散らばっていてもおかしくはない...うん、わかりました!でも無事に戻ってきてくださいね?」
と私がそのような心配をしているとティレルさんは納得してくれたようでそう私にいってくる。よし、とりあえずティレルさんは納得させることができましたか。後はニコですが...
(廃棄された研究所...そんなところあったようななかったような...だめ、あんまりそう言うのに興味がなかったから覚えてないわ。)
とそう考えているとニコのそのような声が聞こえてくる。よし、嘘だとバレる前にさっさと切ってしまいましょう。
「では報告も出来たので私はこれで。ではティレルさん、そしてニコさんもまた。」
と面倒くさい事態になる前にさっとドドコ通信機の通話を切るのであった...