天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
— とある教会内にて
「久しぶりだな、ルーラー。」
と私がいつものように教会内を掃除していたらそのような声が聞こえてくる。おや、この声は...なんとも珍しい客人が来たものです。
「おや、貴方は...天理側のアサシン。貴方のような高貴なお方が一体何のご用件でしょう。一応ここはカーンルイア側の領土の近く、貴方ご本人が来るのは少々リスクがついてしまうような気がしますが...」
と私は天理側のアサシンにそう質問を投げかける。さて、彼女のような人物が自身の敷地内から出てここにいると言うこと自体がなかなか異例の事態ですが彼女の目的はなんなのでしょうか...
「何、噂を小耳に挟んだものでな。なんでも召喚されたルーラーは出来るだけ穏便に話を進めようとしていると。それでどんなサーヴァントなのかこの目で見ておこうと思ったのだ。」
とそのようなこと私が考えていると彼女は値踏みをするような目線を私に向けながらそう答える。もしや彼女にはかつての聖杯大戦時の記憶が......いえ、それは飛躍しすぎですね。そもそも仮にその時の記憶があったとしても彼女の性格からしてこのような行動にはでないでしょうし。となると彼女の性格からして今のマスターは気に入らない、或いは不満を抱いているから私に鞍替えしに来た....それもどうなのでしょう。仮にこの聖杯大戦で願いを叶えるつもりであるのなら天理側についていては仮に生き残ったとしても最後に自害させられるのはほぼ間違い無いとはいえ、かと言って私に鞍替えしたところで生存率が0.1%も上がるかどうかも怪しい。それならまだカーンルイア側に協力を何かしらの方法で仰いだ方がいい...
「おや、ちゃんとそちらにも話は届いているようで。しかしその様子ですと私の提言は両者共聞くつもりはなさそうですね。やはり聖杯大戦が起きるのは避けられませんか。」
とそのような思考をしながらそう言う。その私の言葉に彼女は目を細めながら片手を少し上げた後何か紙のような物を取り出す。...一体何をするつもりなのでしょうか。
「そう警戒せずとも良い、これはお前を害をなすものではないぞ?むしろお前の願いを叶えるための手助けになるやもしれんな。」
と私がその紙切れを警戒しているとそのようなことを彼女は言ってくる。...う〜む、どう受け取ったものか。紙を媒体にしていると言うことは契約のための紙と見てほぼ間違いないでしょうが...彼女が私に対して嘘をつく、と言うことは少し考えにくいですがそれはそれとして彼女の考えが見えない。いくらダブルサモンによってキャスターの側面も強いとは言えアサシンの彼女であるのなら私の後ろを取り、脅して屈服させるのも可能と思うのですが....直接戦闘では彼女は私より強い。私が他のサーヴァントに優っている部分はルーラーの特権の令呪のみですからね。しかし紙ですか...魔術が使える彼女にとってこれ一つで契約を結べるのは想像に難くありませんが...いったいどの様な契約内容なのでしょうか。
「そうですか、では一応大切に保管させてもらいますね。しかし先ほども言いましたがここはカーンルイア側の人間が目にする可能性も高い。お早めに帰った方がお互い余計な面倒をすることもなくなるのでその方がよいと思いますが。」
と後々面倒ごとを増やしたくないので私は彼女にそう言う。その言葉を聞いたアサシンはため息をついた後、
「...まぁ、仕方あるまいな。今の私は『一応』あやつのサーヴァントと言うことになっておる。故に今の立場でここに居続けるのはお前の言うように危険もある。今日はこれでよしとしよう。では、その紙をなくさぬことだなルーラー。」
と最後にそのような言葉を残して彼女は姿を消す。霊体化....まだいる可能性もありますがそれは考慮しても仕方ないことですね。しかし...彼女が私に協力を持ちかけてくるとは思わなかった。いえ、協力かどうかは定かではありませんが状況からしてそう見ていいでしょう。とは言え彼女が何を考えているのか、それが見えて来ませんね。サーヴァントはまだ全員は揃っていないとは言え一色触発な状況なのは確かです。そんな状況でわざわざ私のところまで来たと言うことはこの紙にはそれ相応の意味があると言うことでしょう。ですがやはり私と協力したところで彼女が生き残る道は...まさか、宝具を既に完成させているのか?確かにそれならほとんどのサーヴァントは脅威にはなはないでしょう。ですがあの庭園を作るためには彼女の故郷の土地の素材でなければ発動できないはず...私たちサーヴァント、そして聖杯の介入はカーンルイアと天理、どちらからしてもイレギュラーのもののはず。なら天理側が事前に仕掛けを用意していると言うのは考えられない....いえ、そもそも彼女が宝具を完成させていると言う前提が間違っている可能性もありますしここでそこまで考える必要もありませんか。
「...さて、思わぬ客人もいましたが掃除の続きをしましょうかね。」
と最後に私はそう呟いた後掃除を再開させるのであった...