天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
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「起...起きよ...」
...私を呼ぶ声?私が目を閉じて...再び夢のようなものを見たんだ。確か私は博士に取引を持ちかけて...っ!?
「.....っあぁ....」
とそうまとまらない思考で考えていると急に頭に激痛が走る。っぅ...だがしかし、これでようやくまともな思考ができそうですね。とそう考えた後私は閉じていた瞼を開く。見たところ目を元いた場所と場所は移動していないらしく私は椅子に座らされており、目の前には博士が立っていた。私が目を開けたのを確認した博士は、
「ふむ、ようやくお目覚めか。状況を理解したいであろうお前に簡潔に状況を説明してやるとするならば、実験は成功した。お前の体の情報を採取し、それを断片の元とした。だがお前の体は普通の人間とは違うようだ。体内からは未知のエネルギーが検知された。これがお前や女皇陛下の言う『魔力』と言うものなのかは断言は出来んが状況証拠からしてそうだと仮定して話を進めるとしよう。お前から採取した情報や肉体は既に保管済みでいつでも実験は始められる。お前の体からはとても多くのエネルギーが溢れていた、その総量から考えれば私が抜き取ったものなど微々たる量でしたない、そこは安心するといい。それと今はそのエネルギーを研究するよりもお前の依頼であった断片を作成することを優先した。出来た断片の数は3つ、その内2つはまだ精神が断片にうまく融合できておらず動き出すまでには少し時間がかかるだろうな。そしてもう一つだが...既に次の断片を作り出そうと素材を採取しに出かけたよ。」
とそう矢継ぎ早に話して来る。...要するに、私の断片は完成したと言うことか。それなら第一段階はクリアと見ていいだろう。見たところ私の体に外傷はないし体の調子も悪くはない。もちろん博士が何かしていないとも限らないですけど。
「そうですか。では一応確認のために見せてもらえないでしょうか、その出来上がった断片と言うものを。」
とそう思考しながら私は椅子から立ち上がり博士に向き合いながら言う。やはり博士の証言だけでは少し不安ですし私の目でも確認しておきたいですね。と私がそう考えていると、
「構わん。隣の部屋に座らせてあるものが出来上がったものだ。ああ、そうだ。最初の一つ目はお前の要望通りの性格に作りはしたが残り二つはどのような性格になっているはわからんぞ。」
と最後にそのようなことを喋っていた博士の横を通り過ぎ、私は部屋から出て隣の部屋に入る。そして私はその二つの私の断片であろう物を目に収める。片方は私の面影がほんの少しある程度の少年のようなもの、そしてもう一つは女性の姿をしたものであった。その二つを見た私は、
「これが...私の断片...」
と感嘆の声を漏らす。これだけ違う姿形の断片を作れるのなら私の考えていたことも実行可能になる。そうすれば私はこれから起きることについてある程度の制御ができるようになる。そこまで出来たのなら...後はもういつか来るであろう大聖杯の顕現を待つだけだ。
「...根拠はありませんが断片たちは俺の思うように動いてくれるだろう。後準備するべきことは...私の力を上げていくのが最優先ですね。」
と一人で興奮気味にそう呟いていると、
「随分と興奮しているようだな。つまりそれはそれだけこの断片を作ることがお前にとって重要なことだったと言うこと、或いは未知の技術への好奇心か...まぁ私としてはどちらでも構わないがな。それより依頼は完了した、お前はこれからどうするつもりだ?お前の同行人の二人、やつらと離れて経った時間はそろそろ6日目だ。後1日もあればお前はスメールまで辿り着けるか?妨害が何もないとも限らないのに?」
と博士がそのようなことを言って来る。まるで博士は私が何者かの攻撃を受けることを知っているかのような口ぶりだ...しかしそもそも誰が私を攻撃して来ると言うんだ?天理は沈黙を破ることはないだろうし執政はそう簡単に動いていい立場でもないだろう...
「....どう言う意味かは知りませんが貴方のところにいたところで早く合流できるわけでもありません。ならば私は合流のために動かせてもらいます。貴方もそれは承知の上での取引だったはず、まさか私を止めるおつもりですか?ならば私は貴方と戦わなければならないことになる。」
とそう言いながら私は博士に向かい合う。その私の言葉に博士は首を左右に少し振った後、
「ふむ、それは避けたいことだな。お前をこの場で殺してしまうとお前の体がこの世界から消えてしまう可能性がある。そして仮に死体が残ったところで今は解剖するよりも生きている時の情報の方を集めておきたい。しかしお前をここに...いや、スネージナヤに連れて行きたいのには理由があるのだ。」
とそう言って来る。....私を、スネージナヤに?どういうつもりなのでしょうか...いえ、どう言うつもりであろうとも今は付き合っている暇はない。急いでティレルさんと合流しお互いの状況を確認し合わなければ....
「とは言え、そう言ってもお前は私の言葉を無視しあの女の元へ戻るつもりなのだろうな。それもよかろう。だがその前に一つ言っておこう。私がお前に次やって欲しいことはスネージナヤで行われるある議論の場に私と共に参加して欲しいのだ。なに、私の立場を使えばお前が参加するのもそう難しい話でもないだろう。」
と私がそのようなことを考えていると博士はそのようなことを言って来る。...スネージナヤで行われる議論?それはつまり政治家達の政治競争のようなものか...?いえ、思考するよりもまずは、
「....どういうことです、博士。」
と博士にそう問いを投げる。その私の様子を見た博士はにぃと口を歪ませた後、
「興味は持ったようだな。たが今からから話すことは他言無用、無論同行人のあの二人にも、だ。この話を聞けばお前はその議論で行われる情報を無視は出来ない...何故ならそれは『厳冬計画』について話す議論でもあるからだ。」
とそう答えるのであった....