天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
その私の言葉の一瞬後、ランサーは私の心臓部に目掛けて槍を突き刺そうと速い突きを私に繰り出してくる。その攻撃に私はギリギリの回避をするがランサーは続けて何度も槍を突き刺そうと乱れ打ってくる。その攻撃をギリギリで回避、当たりそうな攻撃は黒鍵の刀身をわざとぶつけ壊させることで軌道をずらすなどをして攻撃をしのぎなら私はどうこれを倒すべきか考えていた。今の私にランサーを殺し切るような火力はほとんどない。有効打になりそうなものは黒鍵による心臓の貫きでしょう。問題はどうやってそれを実行するかですが....
「少々攻撃が激しすぎます、よ!」
とそう思考しながらも片手しか使えない状態で攻撃を受け流すのに限界のきた私はランサーの攻撃の懐に入いり込んだ後黒鍵をランサーに目掛けて4本ほど投擲するが、ランサーは地面を蹴りその蹴りの勢いで後ろに下がりながら槍で黒鍵を真上あたりに弾く。やはりただ投げるだけでは意味はありませんか...だが、
「セット。」
と私はそう言い弾かれた黒鍵を空中で魔法陣を発射装置のような形にしながら私とランサーの真上あたりに設置する。これは天草がやっていた戦法です。こういう理性のない者に対しては理性のある者より絡め手が通じやすいでしょう。しかし流石はクーフーリン、理性を無くしているとは言え慢心も隙もない。今セットした黒鍵を発射したところで全て弾かれるでしょう。対して私は右手が使えない状態、刺し殺そうにも難しい。スキルの真名裁決(偽)の麻痺を使おうとも考えましたがランサーの対魔力はC、確実に成功する保証もない。ならば...とそのようなことを私は考えていたがランサーがいつまでも棒立ちなわけもなく私を刺し殺そうとしてくる。その攻撃に私は回避行動を取ろうと一瞬考えた後、左手で右手を投げる勢いで動かし、その制御できない右手がランサーの槍に突き刺さる。それを確認したランサーは先ほどと同じように私を持ち上げようとする。
「そうくるだろうと思っていましたよ!」
とその動きを確認した私は体が空中に浮いたと同時に左手で2本の黒鍵を取り出しランサーに向かって投げつける。その攻撃にランサーは私ごと槍を動かし私を肉壁にしようと動かす。その行動に私は体が激痛に支配されながらも口角を上げ、
「それも想定内ですよ、ランサー。」
とそう呟くと同時に黒鍵が突然何もない空中で弾かれるように飛ばされ、さらに先ほどと同じように魔法陣により空中で黒鍵は静止する。勝負を決めるなら今、ここでやり切るしかない!とそう考えながら私は左手で黒鍵を握りしめランサーの心臓部に目掛けて刺しに行く。その私の攻撃にランサーは当然避けようとし、私の右手から槍を抜く。その瞬間に私は、
「我が奇跡よ!」
とそう叫び真名裁決(偽)を発動させる。それを受けたランサーは完全に静止するとまではいかずとも動きが鈍くなり、何とか私の心臓部に向かって槍を動かすが次の瞬間先ほど空中に静止さられた黒鍵が3本槍に向けて発射され、体の自由が効かなかったこともありランサーは体制を大きくずらしてしまう。そこからさらに私は2本黒鍵を射出しランサーの足に刺し、完全にその場から動けなくさせる。そして、
「はぁ!」
とそう叫びながら左手でランサーの心臓部に黒鍵を突き刺した。よし、これで....!と私が勝利を確信したその瞬間に、
「がぁぁぁ!」
とランサーは本能のままに叫び声を上げ両足に突き刺さっていた黒鍵を足を大きく上げることで無理やり地面から引き抜き足に黒鍵が刺さったままランサーは心臓部に黒鍵を突き刺したままの状態の私に向かって槍をすさまじい速さで構える。それに気づいた私は、
「なっ...!?」
と声を出しながら黒鍵から左手を離し後ろに下がろうとするが右手が機能していないことによる体の違和感か、それとも身体中を支配する痛みのせいか、少し後ろに下がったあたりで転んでしまう。その隙をランサーが見逃すわけもなく槍が赤い光を纏い始める。な、そのような状態から宝具だと!?と私は驚愕しながらなんとか後ろに下がろうと転んだ状態のまま左手で体を動かすがランサーの宝具発動までに立つことなどできそうになかった。それどころか立ったところで宝具『刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルク)』が発動した時点で私の負けは確定する。そのような状況の中ランサーが私に向かって宝具を発動しようとしたその瞬間、
—グサ...
と言う音がその場に鳴る。しかし私には槍は突き刺さってなどいない、つまり...
「はぁ...はぁ...最後の一本、最後まで発射せずにいて正解でした...」
先ほどの刺さった音はランサーの頭部に黒鍵が刺さった音であった。それを受け、流石のクーフーリンといえどもう動かなくなりゆっくりと横方向へ倒れ、徐々に体がなくなっていく。それを確認した私はようやく生き残ったという実感を得ることが出来た。しかしそれ以上に、
「..これが本気の殺し合い...」
自身が命のやり取りをしたと言う事実に恐怖していた。この体の本来の持ち主であるのならいざ知らず、今のこの体の持ち主は少し前までは命のやり取りをするなどと言う経験をしたことのない、平和な時代に生まれた男であった。いくら天草四郎の精神が混じっているとはいえ初めて味わう恐怖に私は戦慄した。しかし戦慄すると同時に...安心感も感じていた。相反する感情ではあったが決して同居できない感情ではない。そして安心感を感じた理由は生き残ったからではなかった。
「ランサー...クーフーリンをシャドウサーヴァントとはいえ殺すことが出来た...あれが本来の彼であったのなら勝つことは不可能なのはそうですが彼を打倒できたと言うことは私の力は通用すると言うこと...怖いのは変わりませんがこの事実を知れただけよしとしますか...」
とそう呟いた後私は視界がぼやけるのを感じなら右腕を軽く応急処置した後スメールシティに向かうのであった...