天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
「えっと確か....聖杯大戦を始めるまで話しましたね。そこからはティレルさんの知っての通り7騎対7騎の戦いが始まった...のですが、早々にイレギュラーが起きましてね。それは、ルーラーのサーヴァントがもう一人呼ばれたことと一人のホムンクルスがサーヴァントの心臓を移植した事でした。」
と気を取り直す様にそう解説を再開する。解説を再開させた私にティレルさんは少しムスッとした表情を浮かべたが直ぐに元の様子に戻り、
「もう一人のルーラー?ルーラーは二人いるのが普通なんですか?」
と一つ目のイレギュラーについて聞いてくる。その質問に私は、
「いえ、いくらイレギュラーな聖杯戦争だと言っても原則ルーラーは1人ですよ。ただ、私が呼ばれたのが第三次聖杯戦争で次に呼ばれたルーラー....『ジャンヌ・ダルク』は聖杯大戦を裁定するために呼ばれたのではないでしょうか。これは憶測ですけどね。」
とそう答える。そこははっきりとした理由は私にも分からない....私が分かるのは彼女がルーマニアに入ってからの動向からです。それ以前彼女が何をしていたかは定かではありませんが....まぁ今思えば人理側から私を止めるために召喚されたのかもしれませんね。とそう考えていると、
「なるほど....それで、そのサーヴァントの心臓を移植したって出来事は一体.....?」
とほうティレルさんは聞いてくる。その質問に私は、
「....私も全てを知っていると言うわけではありませんが、黒陣営のキャスターに一度話は聞きました。彼が言うには黒陣営のセイバーが一人のホムンクルスに随分と入れ込んだ様で瀕死の状態のホムンクルスに自分から心臓を渡したのだとか。」
とそう答える。天草四郎の記憶でなくていいのなら正確に教えることも出来ますが....あり得ないでしょうが仮に『彼』がテイワットに来る事があったら面倒になりそうですしやめておきましょうか。と私が考えていると、
「黒陣営のキャスターって....シロウさんは赤陣営のマスターだったんですよね?ならその人って敵なんじゃないんですか?」
とそう聞いてくる。その質問に私は、
「それは話の続きで話します。とにかくセミラミスの宝具に加えてサーヴァントの質自体はこちらの方が上手だったこともあり戦場は拮抗した状態でした。その状況下で私は戦場に出て撹乱等をしながらセミラミスにある事を指示していました。それは、『ダーニックの拠点にある大聖杯を奪取する』と言うものです。セミラミスの宝具なら護衛がいない状況なら大聖杯を奪取することなど容易ですからね。そして目的通り大聖杯を奪取したところまではよかったのですが....そこで一つ問題が起きました。それは、黒のセイバーの心臓を譲り受けたホムンクルスが黒のセイバーに変身したことです。ただその変身は無理のあるもので持って数分、さらには元々短い寿命まで削る物でした。それなら相手にする必要などないと考えた私は、大聖杯を取り返しにくるであろう黒のサーヴァント達をセミラミスの空中庭園内で赤のサーヴァント達と共に待ち構えました。それから再びサーヴァント戦が始まったのですが....そこで再び状況が動きました。それは、ダーニックが自身のサーヴァントであるランサーに無理やり宝具を使わせ吸血鬼と化させた後、自身の魂をそのサーヴァントに刻みつけると言う馬鹿げた事をしたのです。」
と最後は本当に忌々しげな声で話す。ダーニックめ....今思い出すだけでも忌々しい。あいつの願い自体に何か言う気はないが英霊の尊厳をああも踏み躙るとは....と内心私がイラついていると、
「あの....話すのが嫌なら話さなくても...」
とその私の内心に気付いたのかそうティレルさんが言ってくる。その言葉に私は、
「ああ、心配させてしまいましたね。ですが問題はないので続けましょうか。それからその名もなき吸血鬼は黒と赤両方の陣営から敵と見なされさらにはジャンヌ・ダルクまでもがその吸血鬼を倒そうと協力し始めました。それほどダーニックがやった事は英霊からしたら許し難い事だったのです。しかしその両陣営の攻撃を受けてもその名もなき吸血鬼は倒れず逃走を始めました。そして、それを確認した私はダーニックが向かう場所で待ち伏せをしました。やつとの因縁に自分自身の手で決着をつけるためにね。その待ち伏せをした場所とは、庭園内にある教会でした。そこで私はその吸血鬼に相対し、倒しました。」
とそう説明を再開させる。その説明を聞いたティレルさんは、
「え?黒の陣営と赤の陣営の総攻撃でも倒せなかった様な人をシロウさん一人で倒し切れたんですか?」
と問いを投げかけてくる。ふむ....まぁ確かにパワーバランスが崩れている様に感じますよね。ですけど....
「そこはまぁ、相性という事ですよ。何事にも相性があって、吸血鬼を相手にしている時は私だって一流の働きだってできます。」
とそう答える。型月は相性ゲーですからね....慢心王と士郎然りドラゴン相手のすまないさんしかりね....とそう内心考えていると、
—とんとん
と扉がノックされる。それを聞いた私は、
「おや、来ましたか。では今日はここまでにしましょう。続きはまた次の機会にと言うことで。」
とそうティレルさんに言う。その言葉にティレルさんは、
「はい。じゃあ....いってらっしゃい、シロウさん。頑張ってくださいね。」
とまるで夫を送り出す妻の様な言葉を言うのであった.....