天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
私が構えをとった後はしばらく2人の間に沈黙が流れる。お互いいつ攻めるのが最適解か探り合い、迂闊に攻めれば返り討ちに合うことを空くんは多くの戦闘経験から、私は天草の肉体が覚えている戦闘の感覚から理解していた。そしてそんな状況下で最初に攻撃を仕掛けたのは....空くんの方であった。空くんは最初に地面を蹴り上げてシンプルに剣を振るう事で私を攻撃してきた。その攻撃に私は地面を蹴り瞬時に距離を詰める事で剣を振るいにくい間合いまで接近する。それを見た空くんは咄嗟に剣を上に投げた後、私の脇あたりに狙いをつけ手刀で攻撃しようとするがその行動の隙を私は見逃さずそのまま膝で空くんの脇腹に思いっきり膝を入れる。それを受けた空くんは、
「ぐっ....!」
と少し声を出しながらも体勢を崩すさず私に手刀を入れる。その手刀を受けた私は、
「がっ....」
と空くんと同じく少し声を出しながら一度距離を取る。そして私はその勢いに任せて一度距離をとる。それを確認した空くんは上に投げていた剣を手で受け止めて、再び剣を構える。....今の手刀の威力から考えて空くんと私の肉体の実力関係は4:6で私が微有利。しかし空くんにはアビスの力があるのでそれを加味すると勝率は6:4で私が微不利になるでしょう。となれば、私のとるべき行動は....
「攻めを続ける!」
と熟考の末そう決断し私は再び空くんとの間合いを詰めようとする。しかし空くんも接近戦になったら不利なのは理解した様で近づかさせないようにアビスの力らしき物で私を遠距離から攻撃してくる。その攻撃に私は一瞬の思考の後、そのまま突き進む事に決め多少攻撃が掠りながらも再び距離を詰める事が出来た。しかしそこまでは空くんも予想していた様で、
「何度も同じ手は喰らわない!」
と言いなら剣にオーラの様なものを纏わせた後私に向けて振り払ってくる。その攻撃は、先ほどの攻撃より数段速くその速度を見た私は避けるのは無理だと判断し咄嗟に白刃どりをする。しかし剣に触れている箇所から痛みが走り始める。それに気づいた私は剣ごと空くんを左の方向に投げ、私は右方向に避難する。
「....やれやれ、どうしたものやら。」
とそう少し困った私は呟く。肉弾戦オンリーでは私が不利....かと言って本気を出そうにもその場合は3臨の状態になる必要があるしそうなれば剣の斬り合いになる。それは避けたい。私が負けるのならまだいいが仮に私が勝つ場合になると空くんを傷つけてしまう可能性が高いし、手加減して勝てる相手でもない。となれば....
「....ヒットアンドアウェイでいきましょう。」
と私はそう呟いた後手をかざし小さい魔法の玉を放ち始める。その威力は大したものではなくあくまでも距離を保つために私は放ち続ける。その攻撃を捌きながら空くんは私の意図に気づいた様で、
「なるほど、時間を稼いで誰かがこの戦闘音を聞いてやってこさせるのがお前の目的か。それなら、一気に決めさせてもらう!」
と言いながら剣に先ほどのオーラを纏わせ、私の玉を避けながら急接近する。その行動に私は、
「なるほど、確かに素手の私と剣を持つ貴方では多少なりとも貴方が有利でしょう。しかし....」
と言いながら自分から空くんに近づき剣をがっちりと握る。それを確認した空くんは、
「まず...!」
と私が何をするか理解した様でとっさに剣から手を離す。その次の瞬間私は手のひらに魔力を集めてその魔力をそのまま放出する。それにより空くんが使っていた剣は壊れてもう使い物にならなくなった。それを確認した私は空くんの方を向き、
「....これで近距離は私の方が有利になりましたね。」
とそう話しかける。その言葉に空くんは、
「....ふん、剣に依存いた戦い方はしてないからまだやれるさ。」
と負けじとそう返す。その言葉を聞いた私は、
「やれやれ....荒事は苦手なんですけどね。」
とそう嘆息しながら構えをとる。さて....ここからが本当の勝負です。先ほどまではお互いある程度実力を把握しようとしていただけにすぎない。そしてこれは私の推察ですけど....おそらく今の状態では私は彼に勝てないでしょう。この状況を変えるにはやはり再臨を変えるしかないか....とそう考えた私は本気を出すべく再臨を変えようとすると....
「....少し音を出しすぎたか。」
と空くんがそう呟く。その呟きを聞きた私も少し耳をすますと誰かの足音が聞こえてくる。それを聞いた私は、
「....潮時ですね。私が時間を稼ぐのでそのうちに帰るとよろしい。」
と言いながら空くんに背を向ける。その私の行動に空くんは、
「....なんで俺を庇うの?」
とそう聞いてくる。なんで庇うか....そんなの理由は一つしかないでしょう。
「簡単です。私の個人的な目的を達成するためにはここで貴方の姿をナタ人に見せるわけにはいかない、それだけです。」
とだけ返して私は洞窟内入り口の方へ向かうのであった....