天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
「え....?」
と私のその吐露した言葉にティレルさんはそう疑問の声を漏らす。その様子を見た私は、
「....テントを組み立てれましたし、話の続きはテントの中でしましょうか。」
と言いながら組み立ての最後の仕上げをし終える。よし、これなら少なくとも風などで崩れる事はないでしょう。などと私が考えながら私はテントの中に入り、ある程度快適に過ごせるようにクッションを置いていると、
「あの....それでさっきの言葉の意味は一体....?」
とテントに入ってきたティレルさんがそう聞いてくる。その質問に私は、
「....立っている状態はきついでしょうし座ってくれて構いませんよ。そんなに大事な話でもないですしね。」
と出来るだけ明るい声色を作りながらそうティレルさんに言う。その言葉を聞いたティレルさんはクッションに座りながらも姿勢を正した状態を崩す気はないようだ。その様子に私は少し感心しながらも、
「それでさっきの言葉の意味を聞かせてほしいのでしたね。」
とそうティレルさんに確認するとティレルさんは首を縦に振り肯定する。.....はぁ、なんだか私ティレルさんとは暗い話しかしてないような気がしますね。とこの話が終わったら次からは出来るだけ明るい話題を振ることにしようと考えた後、
「私が自身を臆病だと言う理由....それは私の目的を別の見方をすればそれがそのままその理由となります。」
とそうティレルさんに言う。その私の言葉にティレルさんは、
「シロウさんの目的って....確か全ての人を助けるみたいなやつでしたよね?」
とそう私に確認する。おや、覚えていたのですか..,と私は思いながらも、
「ええ、そうです。私の目的は傷つく人や困っている人に手を差し伸べ、出来るだけの多くの人間が幸せに暮らせるようにすることです。」
とそのティレルさんの言葉を肯定する。しかしティレルさんは、
「でもそれがどうしてシロウさんが臆病な理由として見れるんですか?私からしてみればとても立派な目標だと思いますけど....」
とまだ合点があってないようでそう私に言う。その言葉に私は、
「誰も傷ついた者を助けて癒し、困っている者に手を差し伸べる。確かにこれらはとても綺麗な目標でしょう。....しかし、私がこの考え方をする理由は、『誰かが傷つくのが怖い、困っている人なんて出て欲しくない。』と言う考えから来ています。....そう、私がこの考えに至ったのはその程度の理由なんですよ。」
とそう疑問に答える。その答えにティレルさんは、
「それの何処が臆病だと言うんですか?」
とそう反論してくる。その反論に私は、
「つまり私は誰にも苦しんで欲しくはないのですよ。目の前に苦しんでいる人がいたらその人がどのような人物でも助けてしまいます。まぁもちろん今生きている全ての人間を救えるとは思っていませんせど....せめて今は私の手の届く範囲は助けたくなる。その悪癖のせいで少々痛い目もみましたけどね。」
とそう答える。その答えを聞いたティレルさんは、
「悪癖なんかじゃないじゃないですか。そもそも人を助けたいと思うのは臆病でもなんでもない、むしろ誇るべきことでしょう?」
とさらにそう反論してくる。まぁ本来の天草四郎時貞なら私もそう思うのですけどね....とそう思いながら、
「....ええ、私もそう思います。それは私自身を除いた場合の話ですけど。」
とそう言いながら一度姿勢を正した後、
「今の私は蘇った代償かはわかりませんがとても歪な精神状態をしているんですよ。今の私でも必要とあればそれがどれだけ善人だろうと悪人だろうと変わらない精神状態でその人物を殺せるでしょう。しかしその後はおそらくしばらく嘔吐と自己嫌悪に陥るのが目に見えています。それどころか目の前にいる人を助ける事ができなくても私は同じような状態になるでしょう。まぁ要するに...今の私は過去の私ほど完璧に振る舞う事は無理だと言う事です。」
とそう言葉を続ける。その私の言葉にティレルさんは、
「そう...ですか....」
と何を言えばいいのかわからないと言った様子でそう言う。....何をしているのでしょうか私は。こんな話をして一体何のメリットがあると言うのか、むしろティレルさんを落ち込ませてしまうだけでしょうに。と少し後悔しながらも、
「...つまらない話を聞かせてしまいましたね。とは言え心配しないでください。この弱さからいつまでも逃げ続けるつもりはありませんので。ただ...もう少し時間はかかりそうですけど。」
とそう安心させるように笑いかける。その笑顔にティレルさんは、
「....シロウさん、私はシロウさんが何を考えているのかとか、どう言った気持ちでみんなを助けているのかなんて知りません。でも、私はシロウさんが何をしようと側にいます。ですから1人でなんでもかんでも背負い込まないでください。愚痴を聞くでも何かストレス発散に付き合うとかでも私の出来る事ならなんでとしますから。」
とそう私の手を握りながらそう言う。...優しいですね、ティレルさんは。こんな情けない男にそう言ってくれるなんて。ですけど....頼るのはダメだ。私は天草ほど精神は強くない。そんな私が頼ってしまってはおそらく彼女に依存してしまう。それは避けなければ....と私はそう考えながらも、
「ありがとうございます。」
とそうティレルさんに返しておくのであった...