天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
—それから
あれから私は精神的に疲れたため一度睡眠を取った。天草と精神が混ざり合ったとは言え今の私はどうやらまだ常人の感覚が残っている様で正直に言えば、「もうしんどくなってきた」って感じである。とは言え一度決めたことをやめるわけにもいかず、とは言え無理をしたらぶっ倒れそうなので一度寝ることにしたのだ。そして私の意識は落ちていくのであった....
—どこかの教会
「おや、レリルではないですか。貴方が来るとは珍しいですね。」
と夜の教会で掃除をしていた私は突然の来訪者にそう話しかける。そしてその来訪者は、
「ああ...すまない、迷惑だっただろうか?」
と少し申し訳なさそうにしている。....大方何をしに来たのかは分かりますが、一応彼の用事を聞いておいたほうがいいでしょうね。とそう私は考えながらも、
「いえ、大丈夫ですよ。それで一体どの様なご用件でしょうか?」
とそう彼に聞く。その質問に彼は、
「....以前話した俺の恋人のことは覚えているだろうか?」
とそうレリルは質問する。その質問に私は、
「ええ、確かソリンディスと言う人でしたよね?」
とそう確認する。その確認にレリルは、
「ああ、そうだ。それで彼女のことなんだが...ヴェズルフェニルが彼女と別れなければ俺は一生の後悔をすることになると言ってきたんだ....この言葉に君も嘘はないと思うか?」
とそう肯定しながら私に聞く。やはりその事ですか....彼の予言と私の啓示には差異があるので私は彼のことを完全に理解しているとは言えませんが、
「彼は意味もなく嘘つく人ではないでしょう。ましてや彼が嘘の預言を言うのは少し考えにくい。故にその言葉は真実と見ていいでしょう。」
と掃除道具を片付けた後そう答える。その答えにレリルは、
「だが、俺はソリンディス以外を愛せない!俺には彼女が必要なんだ...!彼女がいなければ俺は....!」
と精神状態が不安定な様でそう取り乱した様に言う。やはりレリルは焦っていますね。無理もないですけど...とそう私は考えながらも、
「落ち着いてください。貴方がここで取り乱したところでその予言の結果が変わるわけでもない。」
とそう冷静に言う。その自身と私との様子の差にレリルは、
「なら俺はどうしたらいい!?教えてくれ、天草!俺はどうしたら彼女を救えるんだ!?」
とより取り乱してしまいそう私に問う。その問いに私は、
「...私から言えることはそう多くはありませんが、一番確実な方法は貴方が『月の狩人』と言う事を明かす事でしょう。」
とそう答える。少なくともお互いの秘密を明かす事が出来るなら悲惨な結末にはならないでしょうが...とそう思っていると、
「...それは無理だ。」
と彼はそう言う。ま、そうでしょうね。レリルは普通の人ですからその秘密を明かすのはとても怖い事でしょう。とそう私は思いながらも、
「なら誰にも負けないくらい力をつけるといいでしょう。それも無理だと切り捨てるのであれば貴方はソリンディスさんと別れたほうがお互いのためですよ。」
とそう言う。その言葉にレリルは、
「ソリンディスと別れるなんて嫌だ!俺には彼女が必要なんだよ!」
とそう声を荒げる。その様子を見た私は微笑を浮かべた後、
「...では、力をつけるといい。お互いどれだけ離れていたとしてもすぐに守りに駆けつける事が出来るほどの力をつける事が出来たなら、貴方はソリンディスさんを守り切れるでしょう。」
とそう言う。その私の言葉にレリルは、
「...すまない、急に声を荒げてしまって。それと助言に感謝する。次に来る時は何かお礼と謝礼を兼ねた品を持ってくるよ。」
とそう頭を下げた後教会から出ていく。それを見送った私は、
「...すみません、レリル。」
とそう彼の姿が見えなくなった頃にそう呟く。そう、私には彼がどれだけ力をつけようと後一歩のところでソリンディスさんと別れることになるのを知っていたのだ。しかし私はその事をレリルに伝えることはしなかった。その理由は、
「...貴方が五大罪人にならなければ未来で詰んでしまう。恨まれても仕方ありませんね....」
と言うものだった。啓示によると既にカーンルイアが滅びるのはほぼ確定してしまっている。そしてレリル含めた5人が五大罪人となってしまうことも...出来るなら滅びるのが確定してしまう前にカーンルイアテイワットの戦争を和平で終わらせなければならなかった。しかしここまで戦争が激化した時点でもうカーンルイアを救う道はほとんど閉ざさされてしまった。もちろん最後まで足掻くつもりではいるが、ダメだった時に向けての準備も必要だった。その一つが彼が五大罪人に堕ちる様に仕向けること。なぜ仕向けないといけないのかは啓示の内容の一つにレリルを五大罪人と言うものに堕とす必要があるというものがあったからだ。啓示の意味は理解できなかったが、啓示が降りてきたと言うことは彼を堕とす必要があるのは確実、故に私は彼に真実を伝えることはしなかった。
「...レリル、貴方が最後までソリンディスさんと共にいたいと言うのであれば貴方は彼女をつれて逃げるべきでした。そうすれば裏切り者として断罪されようが不死の呪いを受けようがその命尽きる最後まで彼女と共にいることが出来たでしょう。」
と最後にそう呟くと、
「ルーラー。我がマスターから一つ伝言を受けた。『一度城の方まで顔を出してくれ、そこで大事な話がある。』との事だ。」
とそう後ろから話しかけられる。その言葉に私は、
「ランサーですか。了解したという旨を貴方のマスターに伝えてください。すぐに向かいますから。」
とそう返すのであった....