天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
—翌日の朝7時
「...っ!頭痛てぇ...」
と頭痛に苛まれながらも私は体を起こす。すると体全体がなんだか重い様な感覚を覚える。そして強烈な吐き気にも襲われた私は一度テントから出て近くの日陰で一度嘔吐する。
「おぇ....げほげほ...」
と数秒の間吐いた後吐き気もだいぶおさまり一度頭の中を整理し始める。昨日の夢は過去の私の記憶と見て間違いないでしょう。しかしレリルですか...五大罪人の中にその様な名前があった様な、なかった様な...まぁともかくレリルと言う方に面識があるのは間違いないと見ていいでしょう。サーヴァントが見る夢は自分本人の過去の出来事か、あるいはマスターの記憶か。しかしあの夢には私目線で見せられていたので私の記憶で間違いないでしょう。考えてみればナタでも無茶を続けてましたしこうなるのも必然と言ったところでしょうか....とそこまで思考した後、
「あのランサー...間違いない、カルナさんでしょう。」
と最後に見たサーヴァントの名を呼ぶ。あの声にあの喋り方、そしてちらっと見えた姿から見てあのランサーはカルナさんと見て間違いないでしょう。しかし、
「ティレルさんの話だとカーンルイア側のサーヴァントにはアストルフォがいたはず。私はその時聖杯大戦と同じサーヴァントたちが同じ様に分かれていたと考えましたが...それは違う様です。Apocryphaの知識も役立つかもと少しは考えましたがそう甘くはないみたいですね。」
とそう私は考えた後一度深呼吸をする。
「...気分はよろしくありませんが休みが必要かと言われたらそうでもない。休みを取るにしても砂漠を抜ける、最低でもアルル村には到着しておかなければ。」
とそう目的を明確化させた後、朝食の準備をするためにテントまで戻ってくる。そこにはすでに起きたらしいティレルさんがおり、
「あの...シロウさん。」
と少し気まずそうにしながらそう私の名を呼ぶ。その呼びかけに私は、
「なんでしょうか?」
とまずはそう聞き返しておく。私は何か彼女にやってしまっただろうか...と少し自身の記憶を遡ろうとしたところで、
「あの...気分が悪いんですよね?」
とそうティレルさんは聞いてくる。その言葉に私は、
「...聞こえていたのですね。」
とほとんど肯定の意味の言葉を返す。しまった...ティレルさんは地獄耳でした。吐くにしてももう少し遠くにいかないと聞かれるのは必然...寝起きで油断していました...とそう少し私が後悔していると、
「....よし。」
とティレルさんは決心した様に頷いた後、両手を左右に広げる。それを見た私は、
「ティレルさん、何をしているのですか?」
と少し嫌な予感を感じてそう聞くと、
「...シロウさんがお疲れみたいだったので私が出来そうな甘やかしをしようかと。」
とその姿のままそう返す。つまり抱きついて癒されてください、って事ですか...まったく、
「一体誰からそのような方法を聞いたのやら...」
と私がそう嘆息しながら言うと、
「情報提供主はシトラリさんと昨日の盗賊のお姉さんです!」
とそう答える。...片方は恋愛小説での知識、もう片方は経験豊富な人の経験談と言ったところでしょうか。まったく、純粋なティレルさんになんてこと教えてるんですか...と少し2人を咎めたい気持ちを覚えていると、
「ですから、どうぞ。」
と少し背伸びしながらそう促してくる。それを聞いた私は、
「...ティレルさん、あまりそう言う事は男性の人にしない方がいい。男性は誠実な方ばかりではないですからね。もしかしたら私も皮をかぶっているだけなのかもしれないでしょう?ですから...おわっ!」
とそう説得しようとしている途中でティレルさんは無理やり私を抱きしめそして、
「シロウさんはそんなことする人じゃないのは知っています。シロウさんが私を見る目にそんな感情は混ざっていませんでしたし...それにシロウさんになら...私の全部を渡してもいいかなって思えるんです。」
と私の頭を愛おしそうな手つきで撫でながらそう言う。その言葉に私は、
「年頃の女の子がそう言うことを言うものじゃありませんよ。」
とそう返しながらも正直満更でもなかった。なるほど...確かにこれは悪い気はしませんね。天草もセミラミスに膝枕をされている時はこのような気分だったのでしょうか....とそう私が考えていると、
「子供扱いしないでくださいよ。これでも私、500歳超えてるの忘れてます?」
と少し不服そうにしながら膝枕の体制になり私の頭を自分の膝に置く。それに私はティレルさんの顔を見える様な体制になった後、
「私からしたらまだ貴方は少女ですよ。貴方が生きた500年はたった1人で過ごした日々でしたでしょう。その日々は同じ日の繰り返しとほぼ同義ですからね。」
とそう言った後私は少し後ろめたさを感じてしまう。考えてみれば過去の私がティレルさんに呪いを与えなければティレルさんが苦しむ必要はなかった...アビスの呪いでヒルチャールにならないために必要な事だったのでしょうが、もっといい方法があったかもしれないのに....とそう私が考えていると、
「そういうものですかね?」
ときょとんとした様子でそう聞いてくる。その質問に私は、
「ええ、そう言うものですよ。ですから貴方はこの世界をよく楽しむといい。今までの孤独なんて忘れるくらいにね。」
と思考を読み取られない様に笑顔を作りそう答えるのであった...