天草四郎になった私のテイワット旅行記   作:通りすがりの希望厨

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コロンビーナさんかイネファさんのどっちかは引いておくべきだったね...


博士と空中散歩

 「別れの挨拶は済んだようだな。」

 

と二人の影が完全に消えた後そのような声が私の耳に届く。その声を聞いた私は、

 

 「ええ。永遠の別れと言うわけではありませんがやはりいつも隣にいる人がいなくなるというのは少し寂しいですね。」

 

と言いながらその声の主の方を見る。そこには心底興味のなさそうな表情をしている博士がいた。まったく、相変わらず彼は共感性が消失していますね。まぁ彼に何か反応を求めていたわけではないのでいいのですが。とそう私は考えた後、

 

 「で?もう例の取引の件準備はできているのですか?」

 

とそう私が聞くと博士は、

 

 「当然だとも。しかしナドクライまで行くとなると少々時間がかかる。故に少々手荒な運び方となってしまうが速く到着できる手段を使うことにする。それを使うが構わないだろう?」

 

とそう私に確認をしてくる。ちゃんと確認をとってくるとは、実験対象に対しては案外丁寧に接するんですね...と少し意外な一面を見た後、

 

 「構いませんよ。それで?貴方は一体どのような手段でナドクライまで行くつもりですか?」

 

とそう聞き返すと、

 

 「簡単な手段だとも。」

 

と言いながら博士は指を鳴らす。すると私は服の中に何か入ってきたような感覚を覚えた後、いつのまにか自身が空に浮かんでいることに気づく。それを見た私は、

 

 「....あのですねぇ。」

 

と想像以上に雑な運び方をされているのに気づきそう文句の言葉が出そうになる。しかし無理もないでしょう?だって私今どうやって運ばれてるかっていうと博士の飛ばすあのファンネル的なやつを私の服の中に入れて服ごと引き上げる感じで運ばれているんですから。しかし引っ張られているのが内側の服でよかった...上着の方を雑に扱われていたら絶対キレてましたし。なとど私が考えていると、

 

 「お前が構わないと言ったのだからこれでも文句はないだろう?それに心配せずとも落ちる心配はないとも。それを私が考慮していないとは思っていないだろうがな。」

 

と博士の声が前から聞こえてくる。そして博士自身はと言うとどう言った原理かはわからないが普通に飛んで移動していた。こいつ...と私が文句の一つでも言ってやろうと考えていると、

 

 「しかし私からしてみれば意外としか言いようがない。何故お前のような特別な存在がわざわざ全ての人を救おうとするのだ?凡才の人間どもなどお前からしてみれば救うメリットも何もないだろうに。」

 

と本当に不思議に思ったらしくそう私に言う。その言葉を聞いた私は、

 

 「人を救うのに理由はいりませんよ。貴方には私は理解できないでしょうが、私は貴方を理解しているつもりです。」

 

とそう返しておく。博士がどのような思考回路で動いているのかは知りましたし、私個人としては納得も出来ました。もちろん、理解したからと言って博士の研究を容認できる理由にはなりませんが悪意なしにやらかす魔女会の連中よりはいくぶん信用できます。と私がその様に考えていると、

 

 「...お前が、私を理解していると?」

 

と少し博士の纏う雰囲気が変わるのを感じる。それを感じ取った私は、

 

 「少なくとも貴方の同僚のほとんどよりは貴方を理解していますよ。とは言え、貴方の研究による犠牲者までは容認できませんが。」

 

とそう返しておく。その返しに博士は、

 

 「まぁ、そうだろうな。でなければあの様な取引内容にするわけがない。あれがお前の取れる私の実験による死者を減らす方法だったと言うわけだ。自己犠牲もそこまでいくと狂気すら感じる。おっと、これは褒め言葉だぞ?」

 

とそう私を評価する。...どうも博士は私とも仲良くしようとしているようですね。博士からしてみれば私の様に接してくる人間は初めてでしょうから納得は出来ますが。ですけどこの人そんな喋り方で人と仲良くなるつもりは本当にあるのでしょうか...と博士のコミュ力がそこまで高くないことを理解しながら、

 

 「それはどうも。しかしその様な喋り方ですと人と距離を取られてしまいますよ。実際、コロンビーナさんには距離を取られたみたいですしね。」

 

とそうアドバイスをしておく。その言葉を聞いた私は本当に残念そうにしながら、

 

 「私は心の底から彼女を妹だと思って接していたのだがどうも彼女はそれがお気に召さなかったらしい。私よりお前の方があれとは仲良くできるだろうな。お前のあの取引内容を完済するつもりならあれとも仲良くしてやって欲しい。」

 

とそう言う。...博士、本当にコロンビーナさんの事を妹の様に思ってるんですね。確かな愛情を感じます。しかし....その中には打算的な気持ちも感じますね。やはり彼の考えはどこまでいっても人間同士の信頼関係とはお互いの利用価値が絶対な様ですね。そこはどこまでいっても私との違いですか....と、

 

 「おや、もう景色がスメールでもナタでもないものに変わりましたね。ここがナドクライですか。」

 

といつの間にか景色が変わっていることに気づきそう言う。その言葉に博士は、

 

 「ああ。そうだ、せっかくの機会なのだから一応ナドクライの大地を踏み締めてくるといい。そちらの方が私にとってもやりやすくて都合がいい。」

 

と返しながら着地する。それを聞いた私は、

 

 「おや、これは意外です。とは言え、お言葉に甘えさせて貰いますね。私もこの辺りを見てまわりたかったですから。」

 

と返す。これは思いもよらない収穫です。せっかくですしナドクライの人脈も進めておきますか...とそう私が考えていると、

 

 「あの取引内容からしてその方がお前にとってもいいだろう。では私は前に言った研究所の方にいるが、二日後には来ることだ。断片を作る事を考えても余裕を持って取引を進められるのはそこまでだ。」

 

とそう忠告してくる。その忠告に私は、

 

 「わかりました。では博士、二日後くらいに会いましょう。」

 

とそう言った後、私は博士と別れ、ナドクライの地を歩き始めるのであった....

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